栄養学雑誌
Online ISSN : 1883-7921
Print ISSN : 0021-5147
ISSN-L : 0021-5147
75 巻, 4 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
短報
  • ─中高年男性の場合─
    町田 大輔, 吉田 亨
    2017 年 75 巻 4 号 p. 113-119
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/09
    ジャーナル フリー
    【目的】中高年男性の野菜・果物栽培活動実施者と非実施者それぞれの野菜・果物摂取状況および身体活動状況に夏野菜栽培開始時期である春と収穫時期である夏とで差があるのかを明らかにし,野菜・果物栽培活動による健康づくりに役立てる。
    【方法】群馬県A市在住の50~74歳の男性を対象とした。2015年4月と8月に調査票を郵送し,任意での回答を求めた。調査項目は,野菜・果物栽培活動の有無,年齢,最終学歴,就労状況,1日に食べる野菜皿数,野菜・果物摂取回数/日,身体活動量,座位時間,野菜・果物をもらう頻度とし,野菜・果物栽培活動有り群(有り群)と野菜・果物栽培活動無し群(無し群)それぞれの春と夏との差を分析した。
    【結果】有り群(n=43)と無し群(n=33)との比較では,春の身体活動量(p=0.004),夏のその他の野菜摂取回数/日(p=0.028),夏の野菜合計摂取回数/日(p=0.032),夏の身体活動量(p=0.007)が,有り群で有意に多かった。有り群と無し群それぞれで,春と夏との差を分析した結果,有り群で,赤・黄・オレンジ色の野菜摂取回数/日(p=0.016),その他の野菜摂取回数/日(p=0.022),ジュース以外の野菜合計摂取回数/日(p=0.029),無し群で,野菜・果物をもらう頻度(p=0.020),が春と比べて夏で有意に多かった。
    【結論】野菜・果物栽培活動の実施が,野菜収穫時期の野菜摂取回数の増加や,野菜栽培開始時期と収穫時期の身体活動量の増加に寄与する可能性が示唆された。
実践報告
  • 加藤 耕平
    2017 年 75 巻 4 号 p. 120-130
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/09
    ジャーナル フリー
    【目的】第1に夜間定時制課程に通う高校生の食生活の実態を把握すること,第2に栄養教育を実施しそのプロセス評価を行なうことを目的とした。
    【方法】埼玉県立高等学校1校の夜間定時制課程に在籍する生徒179名を食生活の実態を把握する対象とし,この中で学校給食受給者133名を栄養教育の対象とした。2014年9月に無記名自記式質問紙調査を実施した。その後栄養教育対象者に,学校給食の時間を活用して週に1度,10回の栄養教育を実践した。質問項目は,主観的健康感,食関連QOL,食物摂取状況,行動変容段階,準備要因,食情報交換,食環境,食事回数,食事状況とした。介入後にはプロセス評価に関する項目を追加して再度質問紙調査を実施した。有効回答数はそれぞれ76名,44名であった。
    【結果】主観的健康感については「健康・まあまあ健康」の者が全体の79.7%であったが,一日の食事回数が3回未満の者は24.0%であった。また給食を除くと,どの時間帯も一人で食事をする割合が最も多かった。プロセス評価の結果,テーマは81.4%が「身近に感じられた」,給食の時間に栄養教育を行ったことは72.1%が「良かった」と回答した。
    【結論】夜間定時制課程に通う高校生の食生活の実態を把握することができ,また栄養教育の必要性が示された。栄養教育のテーマや内容,実施時間には一定の評価が得られた。今後は,より適した栄養教育プログラムの構築が必要である。
feedback
Top