【目的】中高年男性の野菜・果物栽培活動実施者と非実施者それぞれの野菜・果物摂取状況および身体活動状況に夏野菜栽培開始時期である春と収穫時期である夏とで差があるのかを明らかにし,野菜・果物栽培活動による健康づくりに役立てる。
【方法】群馬県A市在住の50~74歳の男性を対象とした。2015年4月と8月に調査票を郵送し,任意での回答を求めた。調査項目は,野菜・果物栽培活動の有無,年齢,最終学歴,就労状況,1日に食べる野菜皿数,野菜・果物摂取回数/日,身体活動量,座位時間,野菜・果物をもらう頻度とし,野菜・果物栽培活動有り群(有り群)と野菜・果物栽培活動無し群(無し群)それぞれの春と夏との差を分析した。
【結果】有り群(
n=43)と無し群(
n=33)との比較では,春の身体活動量(
p=0.004),夏のその他の野菜摂取回数/日(
p=0.028),夏の野菜合計摂取回数/日(
p=0.032),夏の身体活動量(
p=0.007)が,有り群で有意に多かった。有り群と無し群それぞれで,春と夏との差を分析した結果,有り群で,赤・黄・オレンジ色の野菜摂取回数/日(
p=0.016),その他の野菜摂取回数/日(
p=0.022),ジュース以外の野菜合計摂取回数/日(
p=0.029),無し群で,野菜・果物をもらう頻度(
p=0.020),が春と比べて夏で有意に多かった。
【結論】野菜・果物栽培活動の実施が,野菜収穫時期の野菜摂取回数の増加や,野菜栽培開始時期と収穫時期の身体活動量の増加に寄与する可能性が示唆された。
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