新潟市幼碓園児の食生活実態調査を, 3~5歳児1,038名を対象として, 1977年7月中旬に実施し, 次の結果を得た。
1) 対象児の健康状態は丈夫である子は62.2 (4歳児)~63.3 (5歳児)%の範囲であった。虫歯罹患率は79.1 (3歳児)~86.2 (5歳児)%であった。
2) 母乳栄養児率は13.9 (3歳児)~17.2 (5歳児)%と低率であり, 離乳はおおむねが順調であった。
3) 朝食の毎日喫食は平均85%, 牛乳の毎日飲用は平均50%, 緑黄色野菜の毎日摂取は平均39%であった。
4) 食事状況は少食とむら食いの傾向は年齢と共に漸減し, おおむねよく食べるようになっている。食べ物の好き嫌いのない対象児は年齢と共に減少し, 概して肉, 魚介, 卵等の動物性食品を好み, 野菜類を嫌い, 洋・中華風料理を好み, 和風料理を敬遠する傾向が観察された。
5) 間食はほぼきめられた特間に与えられ, 果物, せんべい, 冷凍, ジュースの順によく供されている。
6) 食物摂取頻度状況は朝・夕食は米, 昼はパン・めん類が多く, 卵, 乳, 海草類が朝食に多く摂取される他は, 大方の食品の摂取頻度は夕食において最も高い。食事のバランス評価では夕食が良好で, 昼食が低位であった。
7) 母親は, 52.0%が子供中心に食事を作り, 子供の食事指導は「わがままをたしなめる」が1/3,「放っておく」,「調理の工夫をする」,「きげんをとって食べさせる」等が約1/5ずつあり, 91.6%が食事作法を教えている。
母親の子供の食事に関する知識の大半はマスコミ関係から, ついで自らの母親の家庭教育から修得し, 学校教育からの修得は低率であった。
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