【目的】玄米発酵食品(FBR)摂取の血糖値に及ぼす効果を調べた。
【方法】実験動物は,10週齢のWistar系雄性ラット(6匹/群)を用いた。対照群の飼料は20%カゼイン食とした。通常玄米群(NBR群)の飼料には,粉末玄米を 1 kgあたり 25 g,実験群(FBR群)の飼料は,FBRを 1 kgあたり 25 g(核酸関連物質約0.1%濃度)添加した。これらの飼料を4週間に亘って摂取させた。
【結果】FBR群の空腹時血糖値(116.5±5.1 mg/d
l;平均値±SD)は,CON群(128.1±6.7 mg/d
l)およびNBR群(128.0±3.6 mg/d
l)に比べて有意に低かった。インスリン値についても,FBR群(1,007.6±352.4 pg/m
l)は,CON群(1815.5±289.6 pg/m
l)およびNBR群(1,944.8±429.4 pg/m
l)に比べて有意に低かった。インスリン抵抗性の指標となるHOMA-R値を計算した結果,FBR群(6.8±2.5)は,CON群(13.3±2.7)およびNBR群(14.2±3.0)に比べて有意に低かった。さらに,グリコアルブミン濃度を比較した結果,FBR群(4.7±0.2%)は,CON群(5.2±0.2%)およびNBR群(5.2±0.2%)に比べて有意に低かった。なお,血清アルブミン濃度には差はなかった。
【結論】FBRの摂取は,血糖値の低下によって,糖尿病の予防あるいはコントロールに寄与する可能性が示唆された。
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