盛岡市の小学生 (4, 5年生) のうちから, 対照児童 (肥満度±10%以内) 130人, 肥満児童 (肥満度30%以上) 131人を対象に, 1984年2月第4週目の給食実施日に, 連続3日間食事調査を行った。また, 併せて肥満児童の肥満度の変化及び食生活アンケート調査を実施し, 次の結果を得た。
1) 栄養素等摂取は, 男児においては両群間に有意差がなかった。女児は全ての栄養素等において肥満群が少なかった。
2) 食品群別摂取の比較については, 肥満男児では米類の摂取のみが有意に多かった。肥満女児は, 全般的に全ての食品群の摂取量が少なかった。
3) 食習慣及び食行動のアンケートについては, おやつを “毎日食べる” と答えた率は, 男女とも肥満群が低く, 女児は対照群と有意差を認めた。また, “もっとたくさん食べなさい” と言われた率は, 男女とも明らかに肥満群が低く, 反対に “あまり食べないように” と言われる率が著しく高率であった。
以上の結果を得たが, 食事調査時点の肥満度は, わずか2か月間で男児が2.9%(46.1%から43.2%に), 女児は4.5%(40.1%から35.6%に) 低下していた。
結論として, 肥満児童の食事量は, 一般に調査の量よりも, もっと多量にとっているものと考えられた。
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