飲料の食生活における位置づけを把握する目的で, 女子短大生及びその両親を対象に, 7日間の飲料摂取状況調査を行い, 以下の結果を得た。
1) 飲料の1人1日当たり摂取頻度は, 学生が3.3回, 父親が4.5回, 母親が4.3回, 摂取量は, 学生が717
ml, 父親が1, 126
ml, 母親が820
mlであり, 摂取頻度, 量ともに学生<母親<父親の順に有意に高くなっている (p<0.05)。
2) 7日間の出現回数が1位から3位の飲料の種類は, 学生は牛乳, 緑茶, ウーロン茶, 父親は緑茶, コーヒー, ビール, 母親は緑茶, コーヒー, 牛乳となり, 性や年齢により違いがみられた。
3) 今回の調査の結果, 飲料を摂取する理由として, 生理的, 健康志向的, 習慣的, 精神的, 社会的などさまざまな理由が考えられるが, その時の理由により, 飲料の種類を選択していることがうかがえた。すなわち, “のどが渇いたから” という生理的な理由で摂取されることの多い飲料の種類は飲み水・炭酸飲料・100%果汁・ウーロン茶・麦茶で, “体によいから” という健康志向的理由では牛乳と乳酸飲料, “習慣だから” という習慣的理由では緑茶がよく摂られていた。また, 摂取理由がコーヒー, 紅茶は多岐にわたり, ビールは性や年代による差が大きかった。
4) 飲料の摂取は, 水分補給という要素が大きいが, 栄養素摂取の面においても無視できない面がみられた。すなわち, 飲料による栄養素摂取は飲料の種類によって異なるが, 牛乳や緑茶の摂取は, 水分だけでなくカルシウム, ビタミンB
2, ビタミンC等の摂取においても寄与するものと思惟された。
なお, 本研究の一部は, 第41回及び第42回日本栄養改善学会で発表した。
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