福山市の2つの国公立病院内科で入院加療を行っている成人男子のうち, 高血圧症 (本態性高血圧症), 虚血性心疾患, 動脈硬化症, 糖尿病, 慢性肝炎及び肝硬変, 胃ガンの患者と, 福山市に勤務する健康な男子 (いずれも年齢20歳~69歳) における食生活の習慣について検討し, 次のような結果を得た。
1) 疾病者集団の繊維性食品摂取の度合は, いずれの場合も健康者に比べて少なく, 特に胃ガン患者において少なくなっていた。
2) 加工食品, 嗜好品摂取の度合は, 繊維性食品摂取の少ない疾病者集団に多く特に胃ガン, 慢性肝炎及び肝硬変, 動脈硬化症に多かった。
3) アルコール類摂取の度合は, いすれの疾病者集団においても多かったが, 特に慢性肝炎及び肝硬変, 動脈硬化症, 胃ガンに多かった。
4) 栄養素摂取の状態については, いずれの疾病者集団も健康者集団に比較して, 好ましくない状態をしめしていた。高血圧症については, たん白質の摂取量が少なかった。
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