栄養学雑誌
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54 巻, 2 号
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  • 山口 百子
    1996 年 54 巻 2 号 p. 71-78
    発行日: 1996/04/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • 松田 秀人
    1996 年 54 巻 2 号 p. 79-85
    発行日: 1996/04/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    咀嚼力と肥満との関連を調べる目的で, 女子短大生127人に対して, 咀嚼に関する意識調査を実施した。その結果, “よく噛んで食べる” と回答した者が全体の73.2%, “食べる速さが速い” と回答した者は59.8%であった。更に, Body Mass Index (BMI) により4分類し, 意識調査の結果を検討すると, 肥満度が増すに従って, 食べる速さが速いと自覚している者が増加した。
    意識調査した者に対して, 咀嚼力測定ガムを用い, 従来の方法を一部変更した方法で, 咀嚼力を測定した。その結果, “食べる速さ” の自意識とガムを噛むのに要した時間とは必ずしも一致しなかった。従って, 実際に食事をする速さは, 自意識とは必ずしも一致しないと考えられた。特に, 肥満の学生はガムを噛む時間が短く, 溶出糖量も少なかった。すなわち, 肥満の学生は, 十分に噛まずに, すぐに飲み込んでいるのではないかと考えられた。
    今回実施した咀嚼力測定法は, 集団の傾向を把握するのに有用であると考えられ, 今後更に例数を増やし検討を加えたいと考えている。
  • 山口 静枝, 春木 敏, 原田 昭子
    1996 年 54 巻 2 号 p. 87-96
    発行日: 1996/04/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    基本的生活習慣の中で, 幼児の食習慣形成について, 母親の幼児に対する食教育実態を明らかにし, 併せて, 第1報で分類した母親の食行動パターンの妥当性を食教育面から確認することを目的とした。対象は, 前報で分析した幼稚園, 保育所に通園する幼児の母親354人である。
    1) 幼児の年齢, 性, 及び通園施設別食教育実態は, 年齢では “食事の手伝い”, “食事への関心”, 性では “食事の手伝い”, 通園施設では “衛生教育” の項目において差が認められた。
    2)“食事の手伝い” や “食事への関心” に対して望ましい食教育をしていたのは, 積極的な食生活管理のAパターン, 安全な手づくりのBパターン, 近代的な食生活管理のCパターンであった。特に, 食物摂取状況調査でも良好であったAパターンで最もよく食教育がされていた。一方, 食生活管理に無関心で家庭外依存のFパターンと食生活管理に無関心で家庭内調理のGパターンでは, “衛生教育”, “食事マナー”, “食事の手伝い”, “食事への関心” のいずれの項目においても十分な食教育がされていなかった。
    3) 食教育内容には, 母親の食行動パターン特性に関連したパターン差があることが明らかになり, 食行動パターン分類の妥当性が食教育面からも確認できた。
  • 相田 理恵, 渡辺 早苗, 穴倉 弘枝, 佐藤 智英, 西村 薫子
    1996 年 54 巻 2 号 p. 97-108
    発行日: 1996/04/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者が食品から摂取エネルギーをどのように見積もっているかを評価するため, 1, 533人の糖尿病外来患者に食品や料理の見積もり調査を行った。食事指導に対する実践能力を推測するに当たっては, 見積もり指数 (EI) を用いた。更にEIと患者の臨床成績との関連について検討した。
    1) 過小見積もり食品は全体の約40%, 過大見積もり食品は約30%で, 前者は主食類, 後者は脂質を多く含む食品や果物であった。
    2) 性別の見積もり能力は, 女性のほうが少なく見積もる傾向にあった。
    3) 年齢別では, 高年層が見積もり誤差が大きかった。
    4) 治療法別では, 薬物療法群が他の療法に比べ見積もり誤差が大きかった。
    5) 肥満度別では, 肥満度120%以上の群が約半数の食品を過小に見積もっていた。
    6) 糖尿病食品交換表の分類においては, 交換表表1 (穀類といも類) と外食は過小に見積もられ, 交換表表2 (果物類) と交換表表5 (油脂) は過大に見積もられた。
    本研究を遂行するに当たり, 朝日生命糖尿病研究所羽倉稜子副所長並びに栄養科の方々, ご協力いただいた外来患者の皆様に厚く御礼申し上げます。
  • 奥 恒行, 加藤 秀夫, 国重 (田口) 智子, 服部 道世, 和田 圭子, 東 美登里
    1996 年 54 巻 2 号 p. 109-119
    発行日: 1996/04/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    EPA及びDHAに富んだ飼料を与えた鶏が産んだEPA及びDHA高含有鶏卵 (高EPA卵) の多価不飽和脂肪酸等の脂溶性成分及び物理化学的性状の安定性を4℃ 及び25℃, 0週間, 3週間及び7週間の保存条件下で観察し, 通常飼料を与えた鶏が産んだ普通卵と比較した。卵重量は高EPA卵及び普通卵とも7週間の保存で同程度に減少したが, その減少は25℃よりも4℃保存のほうが顕著であった。卵黄係数及び濃厚卵白率は25℃, 7週間の保存で顕著に減少したが, 4℃ではほとんど変化しなかった。pHは, 新鮮卵では高EPA卵 (pH8.91) のほうが普通卵 (pH8.34) よりも有意に高かったが, 普通卵のpHは4℃及び25℃のいずれの温度条件下でも3週間の保存によって上昇し, 高EPA卵との顕著な差異はみられなくなった。総脂質, 総コレステロール, 遊離脂肪酸量は高EPA卵及び普通卵とも4℃及び25℃, 7週間の保存ではほとんど変化しなかった。新鮮卵の可食部100g当たりのEPA含量は高EPA卵で86mgであったが, 普通卵は検出限界以下であった。また, 可食部100g当たりのDHA含量は高EPA卵で497mg, 普通卵では77mgであった。n-3系多価不飽和脂肪酸含量は高EPA卵で583mg, 普通卵で77mgとなり, 高EPA卵のほうが普通卵よりも約7.5倍多かった。このEPA及びDHA含量は, 高EPA卵及び普通卵とも4℃及び25℃, 7週間の保存ではほとんど変化しなかった。以上の結果, EPA及びDHA高含有鶏卵のEPA及びDHAは非常に安定な状態で存在し, この鶏卵がn-3系多価不飽和脂肪酸のよい給源になることが明らかになった。
  • 鳴坂 美和子
    1996 年 54 巻 2 号 p. 121-128
    発行日: 1996/04/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    岡山市某小学校の学校給食献立表を用いて, 30年間にわたる脂質給与量の推移を検討した。1960年から1990年までの学校給食献立表 (各年130献立表) の脂質給与量の推移は次のようであった。
    1) エネルギー給与量は, 1960年から1975年まで増加し, 以後1985年まで減少し, 1990年はわずかに増加した。
    2) 総脂質量, 脂肪酸総量, 飽和脂肪酸, 一価不飽和脂肪酸, 多価不飽和脂肪酸, リノール酸, n-6系脂肪酸は1960年から1975年まで増加し, 以後1990年にかけて減少した。α-リノレン酸は, 1970年まで増加し, 以後減少した。エイコサペンタエン酸, ドコサヘキサエン酸は, 1970年まで減少し, 以後増加した。n-3系脂肪酸は, 大きな変動はみられなかった。P/S比は, 1960年の1.9±1.3から1990年の0.5±0.1へと減少した。n-6/n-3比率は, 1960年から1965年にかけて増加し, 以後横這いのまま1990年に至った。飽和脂肪酸: 一価不飽和脂肪酸: 多価不飽和脂肪酸の脂肪酸構成比率では, 1960年の1: 2: 1.9から1965年の1: 1.2: 0.5へ変化し, 1990年の1: 0.9: 2へと変化した。動物: 植物: 魚類由来の脂質構成比率では, 1960年から1975年までは植物由来が最も多かったが, 1980年から1990年までは動物由来が最も多くなった。アラキドン酸, コレステロールは1960年から1990年まで年ごとに増加した。
    3) 30年間の脂質給与量の変化の大きかった年は, 1960年から1965年と1985年から1990年であり, 食品群別脂質給与量では穀類, 乳類, 油脂類, 獣鳥鯨肉類由来の脂質が推移に大きく関わっていた。
  • 田村 朝子, 斉藤 ひろみ, 尾上 とし子, 加藤 みゆき, 大森 正司
    1996 年 54 巻 2 号 p. 129-133
    発行日: 1996/04/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    事業所給食の献立を食品素材, 食品群, 調理操作の面から分析し, 検討した。
    1) 事業所給食における使用食品素材は. 1年間に延べ9, 867食品 (食品の種類は220種), 1料理当たり3.4食品が使用されていた。使用食品素材の出現頻度は, 50数種の食品で累積率の80%を占めた。調理操作については, 11の操作が主たる操作としてあげられた。
    2) 1献立当たりのエネルギーは, 779kcalであった。また, 第1次加工食品の出現率は 18.85%, 第2次加工食品は5.62%, 第3次加工食品は0.32%であった。
  • N. A. Nair
    1996 年 54 巻 2 号 p. 135-137
    発行日: 1996/04/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
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