栄養学雑誌
Online ISSN : 1883-7921
Print ISSN : 0021-5147
ISSN-L : 0021-5147
35 巻 , 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 辻 悦子, 辻 啓介, 鈴木 慎次郎
    1977 年 35 巻 6 号 p. 275-281
    発行日: 1977/11/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    肝脂質蓄積機構の解明にあたり, 絶食―再摂食系ラットを用い飼料成分が肝脂質量にいかなる影響を与えるか, また無機質 depletion-repletion 時における変動も調べた。
    1. 絶食後, 糖質源にしょ糖を用いた飼料を再摂食させると肝臓中総脂質およびコレステロールの蓄積は顕著であったが, でんぷんではそのような影響は認められなかった。その際, 性差による影響はなかった。
    2. 絶食―再摂食系ラットで, 飼料中の脂質の有無にかかわらず肝脂質量は糖質にしょ糖を用いると増加した。脂質無添加の場合には肝コレステロール量は糖質の種類の別なく非常な高値を示した。
    3. 糖質以外の飼料成分の肝脂質への影響としては, たん白質, 次いで無機質, 水溶性ビタミンの順に影響が大であった。特にしょ糖飼料から無機質を除いた飼料を与えた絶食―再摂食系ラットでは肝脂質量の上昇は明らかに抑制されていた。
    4. 無機質 depletion-repletion 系ラットでは, 肝脂質量の増加はしょ糖を糖質源とした飼料では認められたが, でんぷんを用いると上昇が抑制されていた。
  • 口羽 章子, 玉川 和子, 松下 ツイ子
    1977 年 35 巻 6 号 p. 283-289
    発行日: 1977/11/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    減塩調理と食味の関係を, 今回は健康人を対象に数種の試料料理を用いて塩味調味料のみを添加した場合について官能検査法により検討を行ない次のような結果を得た。
    1. 減塩調味の食塩濃度は食味上下限があり, その減塩最低限界濃度は, われわれの今回の検討ではすまし汁, うすくず汁, 鶏だんご焼き物, マッシュポテト0.5%, ほうれん草浸し0.8%, あじ焼き物1.0%食塩となり, これは普通味の約1/2に当り, 普通味の食塩濃度とほぼ比例関係が認められた。
    2. あじの焼き物は, 加熱前の塩ふり操作を省くため, 低食塩濃度では食べにくいことが認められた。
    3. 各料理の試料間の濃度差は鶏だんご焼き物, うすくず汁において濃度の比較的高い0.8, 1.0%間で有意差が認められなかった。減塩食の場合は特に食味に感じる食塩濃度幅の考慮が必要である。
    4. 塩味調味料として塩, しょうゆ, 白みそ, 赤みそを添加したところ, しょうゆが有意に好まれた。
    5. しょうゆを添加して調理方法を変えた場合各試料とも揚げ物が食味上有意に好まれ, 煮物は有意に好まれなかった。
  • 口羽 章子, 玉川 和子, 松下 ツイ子
    1977 年 35 巻 6 号 p. 291-297
    発行日: 1977/11/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    減塩食喫食者を対象に減塩調味の方法について第1報と同様, 塩味調味料を添加した場合について官能検査法により検討し, さらに健康者と比較した。
    1. 減塩調味の最低限界濃度は, 鶏だんご焼き物0.5%, あじ焼き物0.8%, マッシュポテト0.3%, ほうれん草浸し0.5%であって, 健康者に比して鶏だんご以外は低い値を示した。したがって減塩食を継続喫食している患者では塩味に対する感じ方が鋭敏で, うす塩味でも食べられることを示した。
    2. 調味料, 調理法の相違による, 食味の傾向は健康者と同様であった。
    3. 減塩食喫食期間が食味に及ぼす影響についてはその期間が長いほど塩味調味に対する適応性が高いことがわかった。
  • 垣本 充, 三戸 秀樹
    1977 年 35 巻 6 号 p. 299-305
    発行日: 1977/11/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    食品の嗜好性への影響因子は多様であるが, 心理学的, 生理学的側面より検討を行なった。精神的および身体的健康状態に関しては両者とも不健康群が野菜嫌いの傾向を示した。尿pHに関してはIII群 (pH≧6.22) がI群 (pH≦5.87), II群 (5.88≦pH≦6.21) に比べて野菜類の一部を好む傾向を示した。また精神的および身体的健康両面とも野菜類の嗜好との間に相関関係がみられたが, 特に身体的健康と野菜の嗜好は強く結びついていると考えられた。他方尿pHと野菜類の嗜好の間では明確な関連性はみられなかった。精神的, 身体的健康の間には高い相関性を見出したが, 尿pHと両者間には何ら関係性はなかった。加えて食品の嗜好性の研究が児童の健全な心身発達のための基礎研究の一助となると考える。
  • 前川 當子, 八倉巻 和子, 村田 輝子, 吹野 洋子, 伊藤 令子, 森岡 加代
    1977 年 35 巻 6 号 p. 307-314
    発行日: 1977/11/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    女子大生188名を対象に食物調査ならびに生活時間調査を実施した結果, 次のことがわかった。
    1. 食物調査
    1) 女子人生の平均エネルギー摂取量は, 1,834Calで, 個人別エネルギー所要量に対して充足しているものは33%, 不足67%である。
    2) たん白質の平均摂取量は64.5gでこの年齢の女子の所要量に比べてやや上まわっており, 動物性たん白質比率は55%である。
    3) 脂肪の平均摂取量は65.8gであり, 脂肪エネルギー比は32.2%である。
    4) カルシウム, 鉄の平均摂取量は栄養所要量を下まわり, ビタミン類は調理的損耗を考慮するとビタミンCを除き, 栄養所要量をかなり下まわっている。
    5) 食品群別摂取状況については, 穀類の摂取量は241gであり, そのうち粉食の傾向が多い。動物性食品のうち肉の摂取が多く, また, 牛乳・乳製品については一般の摂取傾向より多い。しかし, 野菜のうち緑黄色野菜の摂取は極めて少ない。
    2. 生活時間調査
    生活時間のうち生理的時間に約10時間, 学業時間に4時間を費やしている。また, 家事作業時間に1時間, 自由時間に約5時間, 通学を含めた移動に3時間を費やし, 生活環境別の相違が明らかにみられる。
    1日のエネルギー消費量は1,877Ca山で, 生理的時間に30.2%, 学業時間20.0%, 家事作業時間5.9%, 白由時間23.6%, 通学その他の移動20.2%を消費している。生理的時間, 学業時間についての消費には学生間の差はないが, 家事作業時間, 自由時間, 通学時間その他の移動にはかなりの差がみられた。
    栄養出納については, 摂取量1,834Cal, 消費量1,877Calと均衡はとれている。
    3. 個人別栄養摂取と体位
    A群はエネルギー摂取量2,689Calと高く, 他の栄養素も所要量を上まわっている。B群はエネルギー摂取量1,959Calで, たん白質, 脂肪, ビタミンCは所要量を上まわり, 全体的に摂取状態は良好である。C群はエネルギー摂取量1,217Calで, すべての栄養素はかなり低いことがわかった。体位については, 栄養摂取量の高いA群は体重が平均値より下まわり, B群は身長別体重の標準域にあり, 栄養摂取量の低いC群は体重が平均値より上まわっており, 青年女子の減食の傾向がみられた。
    4. 生活環境別栄養摂取と生活時間
    女子大生の生活環境条件により自宅生, 下宿生, 寮生に分けて検討した。
    自宅生の平均エネルギー摂取量は1,841Cal, 下宿生1,825Cal, 寮生1,835Calで, その他の栄養素についても生活環境別摂取には差はみられない。生活時間については, 生活環境別の相違がみられ, 家事作業時間は自宅生55分, 下宿生107分, 寮生28分と下宿生の家事作業時間が多い。自由時間については, 自宅生248分, 下宿生264分, 寮生293分を費やしている。そのうち, 勉強, 読書に約100分を費やしている。その他自宅生と下宿生はテレビに, 寮生は談話に多くの時間を費やしている。通学時間を含めた移動に要する時間の合計は, 自宅生が最も多く約3時間にもおよび他の生活をきりつめていることがわかった。
  • 唐沢 久仁子, 武藤 静子
    1977 年 35 巻 6 号 p. 315-321
    発行日: 1977/11/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    妊娠第16週までの妊娠初期妊婦62名を対象に, 非妊時および妊娠後の酸味, 甘味, 塩味に対する嗜好を面接により聞き取り調査した。その中の22名については出産まで, 継続調査した。
    妊娠初期においては酸味, 塩味が非妊時より好まれる傾向にあり, 甘味は嫌われる傾向が強かった。また, 初産婦は経産婦より妊娠後, 酸味に対する嗜好度の高まる傾向を生じた。甘味, 塩味に対しては, 初産婦, 経産婦の間に差はみられなかった。この時期では嗜好食物として挙げられた延件数の約60%が, 果物, 寿司, 酢の物, トマト, 梅干などの酸味食品に集中していた。また, 忌避食物として, 全対象者の約30%が, 油っぽいものを, また約20%が, 肉, 魚を挙げていた。しかし, 嗜好あるいは忌避食物は広範囲におよび一方で嗜好されるものが, 他方で忌避されているものも少なくなかった。
    妊娠の経過に伴なって, 嗜好に変化がみられた。妊娠初期に約半数にみられた酸味に対する嗜好は中期, 末期には1/3~1/6に減じ, 他方, 初期に嫌悪例の多かった日味に対しては, 中期, 末期には嫌うものが全くなくなり, 好むものが, 初期の数倍に増加した。塩味に対しては, 大きな変化はなかった。
    同一個体における, 酸味, 甘味, 塩味に対する嗜好変化の型を組み合わせてみると, 個体差が大きく, 同じ型を示したのは2例にすぎなかった。
  • 厚生省公衆衛生局
    1977 年 35 巻 6 号 p. 323-334
    発行日: 1977/11/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
feedback
Top