栄養学雑誌
Online ISSN : 1883-7921
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75 巻 , 5 号
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原著
  • 佐久間 理英, 太田 紘之, 新井 英一
    2017 年 75 巻 5 号 p. 131-140
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】近年,我が国で見られる食の欧米化や加工食品の摂取量増大は,リンの摂取量を増大させている可能性が高い。そこで本研究は,健康な若年者の日常的なリン摂取量を把握するとともに,どのような食生活がリン摂取量に影響を及ぼすか明らかにすることを目的とした。
    【方法】健康な男女32名(男性14名,女性18名),平均年齢22.1±1.5(平均値±標準偏差)歳を対象に,24時間蓄尿,秤量法による食事記録を行った。24時間蓄尿よりリンおよびたんぱく質摂取量を推定した。また食事記録よりエネルギー摂取量,18群別食品群別摂取量,加工食品摂取割合を算出し,リン摂取量との関連性を解析した。
    【結果】対象者のリン摂取量は平均 951±179 mg/dayであり,最小値は 564 mg/day,最大値は 1,445 mg/dayであった。リンをリン食事摂取基準における性・年齢区分別の目安量以上に摂取している者の割合は,対象者全体の70.8%であった。リン摂取量およびエネルギー当たりのリン摂取量の結果から,リンの多い摂取量に寄与する食品群として,肉類,乳類,嗜好飲料類が該当した。また加工食品では,インスタント食品,菓子類,嗜好飲料(炭酸),調理済みそう菜,弁当がリンの多い摂取量に寄与していた。
    【結論】高リン摂取を防ぐためには,肉類・乳類および嗜好飲料類を適量範囲内で摂取するとともに,インスタント食品,菓子類,嗜好飲料(炭酸)および調理済みそう菜,弁当などの加工食品の摂取量に留意すべきであると示唆された。
短報
  • 坂本 達昭, 細田 耕平
    2017 年 75 巻 5 号 p. 141-149
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】朝食の共食機会がほとんどない中学生の中で,QOL(Quality of Life)が良好な者の家族との食事のあり方の特徴を明らかにすること。
    【方法】2015年9月に福井県内中学校7校の中学2年生797名を対象に調査を実施し,762名より有効回答を得た。質問項目は,属性,家族との食事のあり方,家の食事の楽しさならびにQOLとした。家族との食事のあり方については,朝食および夕食の共食頻度,平日および休日の夕食の食事時間,食事中に家族が話を聞く程度,食事中に注意される頻度等をたずねた。QOLの測定には中学生用のQOL尺度(Kiddo-KINDLR)を用いた。朝食の共食機会が「ほとんどない」者を,対象者全員のQOL総得点の中央値でQOL高得点群およびQOL低得点群に2分し,両群の家族との食事のあり方を男女別に比較した。
    【結果】朝食の共食頻度がほとんどない者は300名であり,そのうちQOL高得点群は男子63名,女子56名であった。男女共にQOL高得点群はQOL低得点群と比べ,夕食の共食頻度が高く,食事中に家族がよく話を聞き,家族から注意される頻度が低く,家の食事を楽しいと感じている者が多かった。
    【結論】朝食の共食機会がほとんどない中学生において,夕食の共食頻度が高いこと,食事中に家族が話をよく聞くこと,家の食事を楽しいと感じていることは,QOLが良好な者の特徴であることが示唆された。
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