【目的】目測法による残菜調査は,集団給食施設における食事摂取量評価法として汎用されている。その妥当性・信頼性を検討した国内外の論文を系統的に収集し,目測法の妥当性・信頼性や評価方法を整理することを目的とした。
【方法】目測法を用いた集団給食施設の残菜調査結果を,料理ごとに秤量法と比較し妥当性・信頼性を検討した論文を対象とした。医学中央雑誌及びCiNii(国内論文),PubMed及びCINAHL complete(国外論文)によるデータベース検索とハンドサーチにより論文を収集した。
【結果】採択された論文は,国内論文0編,国外論文12編だった。集団給食施設区分ごとの論文数は,病院5編,高齢者介護施設3編,学校2編,その他2編だった。対象食種は常食が最も多く,11編の論文で,提供量が同一という前提で評価されていた。残菜量(g)を評価単位として算出された,目測法の妥当性を示す相関係数(
r)は0.63~0.96だった。目測法の信頼性は5編で検討されており,栄養士3名を評価者とした調査では,評価者間の残菜量(g)の相関係数(
r)は,0.95~0.97だった。評価に用いられたスケールの件数は,3件法が1編,4件法が1編,5件法が3編,6件法が3編,7件法が2編,12件法が1編,その他2編だった。
【結論】提供量が同一の食事において,目測法は対象者の食事摂取量を正確に推量できる手法であることが示唆された。
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