肝遊離アミノ酸の性別, 飼料条件および生育過程における変化を明らかにし, 次の結果を得た。
1. 性の相違について
雌区は, 雄区に比べ全不可欠アミノ酸濃度および全可欠アミノ酸濃度はいずれも平行的に低く, 個々のアミノ酸濃度ではそれぞれ20%ぐらい低かったが, 特に Glu, Tyr, Val, Met, Ileu, Leu, Phe が有意に低かった。またアミノ酸パターンは, 雌区, 雄区ともほぼ近似していた。
2. 飼料条件の相違について
無蛋白区は, 標準区に比べ不可欠アミノ酸濃度で Lys, His が上昇し, Val, Ileu, Leu, Phe が低下した。可欠アミノ酸では, Ser が著しく上昇した。またパターンでは, Ser の著しい上昇を中心に異った様相を呈した。
絶食区は, 標準区に比べ不可欠アミノ酸濃度で Thr のみが著しく低下した。これに対し可欠アミノ酸濃度は, ほとんどのアミノ酸が低下していた。また両者のパターンは, ほぼ近似していた。
3. 成育過程における変化について
成熟期のアミノ酸濃度は, 成長期に比べ, 増減が大きくなる傾向にあり, 個々のアミノ酸濃度の増減の特長は, 次の通りであった。
(1) 上昇したアミノ酸は, Thr, Ala
(2) 低下したアミノ酸は, Ser, Glu, Gly, Cys, Met, Leu, Phe
(3) 変動の少いアミノ酸は, Val, Ileu, Lys, His
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