【目的】中学校給食の食べ残しに関連する要因を検討すること。
【方法】2009年12月,東京都A区の公立中学校33校に通う2年生,142クラスの残菜調査,担任142名を対象にクラスの給食時間の状況に関する調査,生徒4,634名を対象に給食の食べ残しに関する自己記入式質問紙調査を行った。クラスごとの残菜率を中央値で2群に分け,喫食時間,給食時間中の取り組み,食べ残しに関する8項目との関連を検討した。
【結果】残菜調査は142クラス中,134クラスから回答を得た(回収率94.4%)。134クラス全体の残菜率の中央値(25%,75%タイル値)は9.3(4.6,16.0)%であり,残菜率の低いクラスは71クラス(53.0%)であった。134クラス全体の喫食時間の中央値(25%,75%タイル値)は15(13,15)分であり,残菜率の低いクラスは,喫食時間が長いクラスの割合が高く(
p=0.015),給食に関する取り組みの数の多いクラスの割合が高かった(
p=0.040)。また,残菜率には食べ残しに関する8項目で関連が見られ,特に残菜率の低いクラスは,「きらいな食べ物がなかった」,「おいしかった」と回答した生徒の割合が高かった。
【結論】中学校給食の残菜率が低いクラスは,喫食時間が長く,給食に関する取り組みの数が多かった。また,残菜率が低いクラスでは,「きらいな食べ物がなかった」,「おいしかった」と回答した生徒の割合が高かった。
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