福井県H町を中心に, 子どもの食事作りの担当者である保護者1,298人 (離乳期364人, 幼児期333人, 学童期180人, 思春期421人) を対象に保護者の食意識 ((1)食生活管理に関する意識, (2) 食事作りに対する姿勢) および子どもの食生活・身体状況 ((1) 食品別使用状況, (2) 加工食品使用状況, (3) 欠食状況, (4) 食事時間のふれあい状況, (5) 肥満状況) についてライフステージ別に調査し, その相違点を明らかにするとともに, 両者の相互関連性について検討した。
1) ライフステージ別に有意な差がみられたのは, 保護者の食意識では, 食生活管理に関する意識項目のうち「味付け」,「甘いものを与えすぎない」,「咀嚼力」,「嗜好」,「食べる量」,「おやつの質と量」,「食事時間・回数」,「食べることは健康の基本」,「マナー」,「雰囲気作り」,「経済性」,「アレルギー」の12項目と意識総得点および「食事作りに対する姿勢」であった。また, 子どもの食生活状況では,「食品別使用状況」と「欠食状況」であった。
2) 子どもの食生活状況と保護者の食生活管理に関する意識総得点とは有意に関連がみられた。「子どもの食事作りで毎日使用する食品に偏りがある」,「加工食品の使用頻度が高い」,「子どもが欠食することがある」,「食事時間が親子のふれあいの時間になっていない」などの問題状況がある場合には, 保護者の食生活管理に関する意識総得点は有意に低かった。
3) 子どもの食事作りに対する保護者の姿勢は, 加工食品の使用状況のみと関連し,「作る時間がない」と感じている保護者に加工食品の使用頻度が高かった。
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