栄養学雑誌
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51 巻, 5 号
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  • 池上 幸江
    1993 年 51 巻 5 号 p. 251-258
    発行日: 1993年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 神島 めぐみ, 辻 啓介, 中川 靖枝, 三浦 洋
    1993 年 51 巻 5 号 p. 259-266
    発行日: 1993年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    南インドマドラスにおいて, 100世帯を対象に, 連続7日間の食事調査を行い, 有効回答が32世帯であった。乳及び乳製品, 豆類 (ダル), 米の摂取量とそれらの栄養面での重要性を検討した。更に, 調査した食事のアミノ酸スコア, PFC比を日本のそれと比較検討した。
    1) 1人1日当たりの摂取量は, エネルギー1,687kcal, たん白質59.6g, 脂質35.8g, 糖質277.9gであった。
    2) 日常食におけるエネルギー摂取量に対する寄与率は, 米がもっとも高く, 34.5%であった。
    3) たん白質摂取寄与率では, 豆類28.3%に次いで, 米21.2%, 乳及び乳製品9.4%であった。乳及び乳製品は摂取回数割合は高いが, 高価なため摂取量は少なく, たん白質寄与率は低かった。
    4) 食事のアミノ酸スコアは81, 第1制限アミノ酸は含硫アミノ酸であった。
    以上の調査結果は, インドにおけるたん白質供給は量的には満たされているが, 質的にまだ問題があり, とくに卵と植物性食品からの含硫アミノ酸の供給が重要であることを示した。
  • 江上 いすず, 長谷川 昇, 大矢 みどり
    1993 年 51 巻 5 号 p. 267-274
    発行日: 1993年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    BMI23.1以上の女子学生78人を肥満傾向者として食習慣調査を行い, 食習慣に関する意識の上で, 栄養バランス型, ボリューム型, グルメ型, ダイエット型, ファーストフード型に分類させた。更に型別に, 嗜好調査と呼気分析による消費エネルギー量の測定結果を分析し, エネルギー摂取と消費の観点から肥満の成因を探り, 以下の結果を得た。
    1) 栄養バランス型は, 体内での糖質燃焼率が高く (72.8%, 標準体重者66.0%), 食習慣は標準体重者と同じような傾向で, 有意差を認めなかった。
    2) ボリューム型は, 体内での脂肪燃焼率が高く (44.2%, 標準体重者34.0%), 食べ過ぎの傾向であった。
    3) グルメ型は, 体内での脂肪燃焼率が最も高く (51.0%), 味覚に鋭敏であった。
    4) ファーストフード型は, 体内での脂肪燃焼率が高く (37.4%), 不規則な食生活が認められた。
  • 食費及び食品・栄養摂取状況について
    山岸 恵美子
    1993 年 51 巻 5 号 p. 275-282
    発行日: 1993年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1962年度から1992年度までの給食管理実習で給与した食事について, 食費と食品及び栄養素等の摂取状況などを調査検討したところ, 次の結果を得た。
    1) 1食当たりの食費は, 1962年度29円, 1992年度280円で, 30年間に約10倍に上昇している。主食費4.2倍, 副食費12.1倍である。
    2) 食費中に占める主食費の比率は, 1968年度以前では32-37%の高率であったが, 実習形態の変容による食費の増額などで, 1978年度以降は13~18%になり, 献立は作成しやすくなった。
    3) 穀類と魚介類の摂取量は, 若者の食嗜好の変化などで, 経年的に若干減少傾向を示している。しかし, 魚介類の摂取量は1986年度以降, 日本型食生活の見直しなどで再び増加した。
    4) 油脂類, 獣鳥鯨肉類の摂取量は, 食生活の欧風化などの影響で, 1984年度までは著しく増加したが, 以後はやや減少している。
    5) いも類, 豆類, 卵類の摂取量は, 経年による線形的な増減傾向が認められない。乳類, 野菜類, 果実類, 藻類の摂取量は, 1992年度まで逐次増加している。
    6) 砂糖類の摂取量は, 食品構成の目安量が低下しているにもかかわらず, 乳・乳製品をデザートとして給与するようになった1980年度以降から急激に増加した。
    7) 1食当たりの摂取食品数は, 主食費の構成比率が高い1968年度以前でも10~14食品は摂取できており, 栄養所要量, 食品構成基準に基づいて立案していることの重要性が認められた。摂取食品数は副食費の上昇や実習者数の増加などにより, 1980年度以降は22~24食品になり, 給食内容は豊かになった。
    8) 栄養素の摂取量では, たん白質, 脂肪, ビタミンB1が全年度を通してほぼ充足している。ビタミンAとCの摂取量は若干不足している年度もあるが, 食品数の上昇に伴い非常に良好となった。
    9) カルシウムとビタミンB2は不足している年度が多い。
    10) PFCエネルギー比率, 動物性たん白質比率などのバランスは, 1984年度以降献立の見直しなどによりほぼ適正な状態を維持している。しかし, 穀類エネルギー比率は若干低率であり, 適正比率になるよう努めたい。
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