60Co-γ線照射の障害を軽減し得る摂取栄養量ならびに質を探求するのに用いる最も適した照射線量を見出さんとして本実験を行なった。
隼後3週間のウィスター系雄白鼠に蛋白質12%, 脂肪10%, ミネラル, ビタミンを十分添加してある飼料を与え室温25℃, 湿度60%の恒温・恒湿環境で30日間飼育した後,
60Co-γ線をそれぞれ, 600, 700, 800, 900, 1200レントゲン照射して, その生存率・生長におよぼす影響・肝TBA活性度を比較した。その結果,
1. 死亡率50/30の線量は800レントゲンであった。
2. 照射後の体重増加は, 線量の増加に従い低下した。
3. 1200レントゲン照射の動物は全数照射後腸障害死であったが, 700~800レントゲン照射では, 骨髄障害死であった。
4. 照射障害による体重低下の回復量は, 700レントゲンが最も大であった。
5. 肝TBA値は800レントゲン照射群で最大であった。
6. 以上のことから以後の実験に用いる照射線量を800レントゲンと定めた。
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