食生活の多様化にともなう肥満や, 偏食による栄養の不均衡, 若い女性が好む減食などは, 様々な問題を提起しているが, 新設された女子学生寮を対象とし, 過去6カ年にわたる栄養摂取量の推移を検討した。
(1) 年齢による栄養所要量は, 熱量, 蛋白質ともにほぼみたされている。穀類比は59.0%を示し, 動物性蛋白比は除々に増加して質的向上がみられ, 脂肪比は16.8%であった。
(2) その他の栄養素でやや不足しているものはV. A, V. B
1, V. B
2および鉄などである。
(3) 食品群別摂取量比においては, 国民栄養調査成績 (昭和46年度) と差のないものが多く, その差の顕著なものに, 芋類, 緑黄色・その他の野菜類, 果物類, 乳類・乳製品の5種類がみられたが, 特に摂取量の少いものは, 牛乳, 果物類であった。
(4) 間食調査では, 甘いお菓子が多く比率の高いものから示すと, 焼・干菓子類50.0%, キャンデー類23.8%, ケーキ・ピーナッツ類13.8%の順位であった。
(5) 構内食堂における昼食調査では, 熱量, 蛋白質, V. Cをのぞくミネラル, ビタミン類の充足率が低いが, 牛乳を加えることでかなり補足できる。
その他, 菓子パン, 調理パン, めん類についても調査した。
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