血清コレステロール濃度を低下させるような調理法を知り, 栄養指導に役立てるため, ミンチ状の牛肉, 豚肉・魚肉及びそれらと大豆たん白質 Promic TB-6の混合物について, 8種の調理を行った。Hegsted らの回帰式 (Δch=3.27S
14+0.89S
16-0.61P+5.88C-6.7) を採用し, 調理製品及び粗たん白質100g当たりについてのΔchを算出した。
結果は次のとおりであった。
(1) 調理製品及び粗たん白質100g当たりで, 血清コレステロールを低下させると算出された調理法は6時間油浸した材料を broil したものであり, それに次ぐものは deep fat frying であった。なお, broiling に関し, 動物性食品に大豆たん白質を混合した材料を用いた場合, 先の油浸材料におけるものより, さらにΔch値に対し効果的であった。
(2) Grilling, roasting, stewing, moist-steaming 及び microwave heating など油を用いない調理法によるΔch値の変化は, 調理製品について3試料とも対照区に比し, わずかに上昇させたが, 粗たん白質については, むしろ減少させた。
(3) 動物性食品を単独に用いる場合の材料面では, 牛肉及び豚肉より魚肉が, 調理法では油を用いる方法が, また, 油の種類についてはサンフラワー油よりサフラワー油の方が, より効果的であるようである。
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