栄養学雑誌
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75 巻 , 2 号
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原著
  • 松岡 綾子, 石川 みどり, 小澤 啓子, 横山 徹爾
    2017 年 75 巻 2 号 p. 57-67
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/16
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】食事パターンの多様性が大きいほど栄養バランスが良好になるかを検討するために,勤労者世代の食事パターンの調査日間の違いと食品群・栄養素別摂取量との関連を検討した。
    【方法】平成23年度埼玉県民健康・栄養調査の392人のデータを二次解析した。平日2日間の食事記録による食品群別摂取量を用いて,因子分析により食事パターンを抽出した。食事パターン2日間の違いは,1日目の因子得点と2日目の因子得点の各三分位群の組み合わせにより6群に分けて検討した。6群間で,食品群・栄養素別摂取量を共分散分析,栄養バランス(食事摂取基準の目標量または推奨量の適正範囲に適合する栄養素数等13項目)を多項ロジスティックモデルにより比較した。
    【結果】因子分析により,「米飯型」,「魚介類型」,「麺・パン型」,「肉・卵型」の4つの食事パターンが抽出された。魚介類型三分位の組み合わせによる6群で検討した結果,「2日とも魚介類型因子得点が高位の群(魚魚群)」は,砂糖・甘味料類,豆類,藻類,魚介類の摂取が有意に多かった。また,「魚魚群」は,カリウム,鉄の摂取量が多かった。栄養バランスの適否では,たんぱく質(%E),飽和脂肪酸(%E)で適正範囲の者の割合が多く,適正範囲である栄養素の数も多かった。
    【結論】「魚魚群」は,2日間の食事パターンの違いが小さくても,適正範囲である栄養素の数が多かった。
短報
  • 石塚 理香
    2017 年 75 巻 2 号 p. 68-79
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/16
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】クリティカルシンキング(CT)は管理栄養士にも必要とされる。管理栄養士養成課程4年生のCT志向性に関連する要因を明らかにする。
    【方法】2012年度にA大学管理栄養士養成課程の2年に在籍していた女子107人を解析対象に,自記式質問紙(CT志向性尺度,学習への動機づけ尺度,大学生活経験尺度,家庭環境,高校時代に好きだった科目等)による調査を2年次・4年次の2回実施した。4年次のCT志向性関連要因は,各領域別得点を中央値で2分割して2値変数とし,多重ロジスティック回帰分析を用いて検討した。
    【結果】高校時代に好きだった科目で調整しても,4年次の [真正性]は,2年次に大学での学習に[利用価値],[興味価値],[私的獲得価値]などの価値を見出していた者で,OR 3.63(95%CI:1.54~8.55),3.65(1.53~8.70),3.48(1.44~8.42)と有意に高かった。[他の理解]は,学習への動機づけで[興味価値]が高かった者,大学生活で[ディスカッション][他者からの影響]を多く経験した者のORが,それぞれ3.23(1.40~7.39),2.57(1.13~5.85),2.49(1.10~5.64)と有意に高かった。
    【結論】大学での学習への動機づけを強化し,ディスカッション等を多く経験させることによって,管理栄養士養成課程4年生のCT志向性を高められる可能性がある。
資料
  • 渡辺 千裕, 須藤 紀子, 笠岡(坪山) 宜代
    2017 年 75 巻 2 号 p. 80-90
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/16
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】災害時の栄養に関する今後の教育を考える上での基礎資料とすることを目的に、全国の管理栄養士養成大学の学生の知識の現状と食に関するボランティア活動への参加希望状況を把握した。
    【方法】2014年10月に、全国の管理栄養士養成課程を有する四年制大学124校の公衆栄養学、給食経営管理論、臨床栄養学の担当教員の授業を受講した学部生を対象に、質問紙調査を行った。
    【結果】59校4,403名の学生から回答を得た。「避難所における栄養の参照量」や災害法規については、学年が上がるにつれて理解している者の割合が増えるものの、半数近くの学生が理解していなかった。また、東日本大震災の際、自治体や日本栄養士会の管理栄養士・栄養士が被災地に派遣されたことを知っている学生は2割にとどまり、知った経緯としては「先生に聞いた」が7割以上を占めた。一方で、災害時に大学を拠点とした食に関するボランティアをしたい、と回答した学生は84.9%であった。
    【結論】災害支援の基本となる知識や管理栄養士等の活動については、大学で教えない限り知る機会は少ないため、授業や実習先での教育が特に重要になる。一方で、多くの教科書に掲載されており、授業でも触れられる機会が多いと考えられる栄養の参照量であっても、4年生の43.5%が「言葉も聞いたことがない」と回答していたのは問題である。今後は、授業で触れるだけではなく、知識として定着しているか、教育効果の確認も必要となる。
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