栄養士養成における情報処理教育に資するため, 東京都及び神奈川県のE会の会員名簿から, 標本抽出により961人選び, 郵送により回収された308人を対象に, 職場における栄養士業務のコンピュータの利用実状調査を実施した。
1) 全体での利用率は55.8%で, 施設の種類別内訳は, 産業63.0%, 病院62.7%, 学校51.2%, 行政40.7%, 福祉31.2%であり, 経営形態別内訳は, 委託65.2%, 直営52.0%であった。
2) 利用業務は, 栄養管理, 献立作成に約80%, 文書作成, 発注管理, 食数管理, 管理資料作成に約60%と, 給食管理に利用している施設が多かった。
3) 利用業務は施設の種類別により特徴があり, 病院は利用業務の範囲が広く, 多くの業務の利用率が高いが, 他の施設は利用範囲が一部に集中していた。
4) 施設の種類別における利用しての長所は, いずれも事務処理からの解放を最上位にあげているが, 他の回答は施設の種類により相違があった。
5) 利用しての問題点は, 故障の際の影響 (43.2%) が最も多く, 次いで技術 (37.0%), 経費 (31.5%), ソフト (27.4%) に関してであった。また施設の種類別では, 病院, 産業において有意差がみられた。
6) 情報教育の必要程度は, 施設の業務と関係があり, 施設の種類, 経営形態, 機種やソフトによるものではなかった。現段階では, 理論と基本操作, ワープロ操作, 専用ソフトの活用が利用施設において高回答率であった。
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