昭和25年3月, 東京都内4警察署の独身男子警察官につき食物調査を行い攝取栄養量の算出を行つた。警察官平均としての1人1日当栄養攝取量は熱量蛋白質に於て, 中等労作成人男子要求量に相当する。他の栄養攝取量に於ては概して不足していると思われるが, 特にV.B
2, Ca量の不足が認められる。しかし各個人に於ては相当の差がみられる。署別警察官の栄養攝取量は本部ともいうべきD署警察官が最も多く, 次いで郊外にあるA署警察官である。住所別警察官の栄養攝取量は寮生活者は散宿者より一般によくない。又内勤者は一般に外勤者より栄養攝取量は良い。警察官の職務別栄養攝取量の比較は熱量に於ては警邏隊B (3交替のもの) が最も多く, 蛋白質に於ては内勤員が最もよく, 警邏隊Bが最も少い。3交替制の警察官にては勤務の劇しい爲か第2日目に栄養攝取量は最も多く, 第3日の休暇は主として休養に用いられるのであらうか栄養攝取量は甚だ少い。不規則な栄養撮取状況を示している。
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