栄養学雑誌
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47 巻, 2 号
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  • 栄養診断を取り入れた栄養指導
    南部 征喜
    1989 年 47 巻 2 号 p. 63-76
    発行日: 1989年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 岡崎 光子, 八木 裕子
    1989 年 47 巻 2 号 p. 77-84
    発行日: 1989年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    地方都市 (155名) と農村 (41名) の3歳児健康診断受診児の保護者 (主に母親) を対象に, 子どもへの間食の与え方とその内容, および歯科衛生との関連につき調査した。結果は以下のとおりである。
    1) 間食の与え方とその内容
    (1) 定刻に間食を与えている割合は, 地方都市に多かった。
    (2) 定刻に与えられない主な理由は, 両地域とも“子どもが欲しがるから”であった。
    (3) 両地域ともスナック菓子が間食で最もよく喫食されていた。
    (4) 農村の子どもは地方都市の子どもに比較し, 乳酸菌飲料をよく与えられていた。
    (5) 地方都市では農村に比較し, 牛乳を毎日飲ませている母親が多かった。
    2) 歯科衛生について
    (1) 農村の子どもは地方都市の子どもに比較し, 刷掃開始時期は遅い傾向にあった。
    (2)“水または茶を飲ませる”歯口清掃方法は農村の子どもに多かった。
    (3) 地方都市の子どもは, 農村の子どもに比較し, う歯の無い子どもが多かった。かつ, う蝕罹患型はO型 (う蝕無しの場合を意味する) が多かった。
  • 平原 文子, 小池 佳子
    1989 年 47 巻 2 号 p. 85-91
    発行日: 1989年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    収穫時期, 産地や品種等の試料来歴が明らかな9種類のさつまいもを入手し, それらについてトコフェロール (Toc) 含量をHPLC法で分析を試みるとともに, 異なった調理方法によってToc含量がいかに変動するかについても合わせて検討することを試み, 次のような結果を得た。
    1) さつまいも根塊部位別のα-Toc含量分布は, 中央部に多く, 次いで頸部, 下部の順位であった。しかし, 個体間の差が大きいため, 統計的には有意な差ではなかった。また, 根塊の大きさの違いによるToc含有量の差は認められなかった。
    2) 調理法の違いにおいて, 焼き処理を行った場合の残存量は, 下部, 頸部, 中央部の順に多く, 蒸し処理では部位の違いによる差は認められなかった。
    3) さつまいもの品種間のα-Tocの含量の違いについては, わずかに差がみられたが, この差は栽培場所等の条件などが大きな因子の1つとなっていることが推測された。特に, シモンでは収穫場所による違いが大きいことが明らかとなった。
    4) 調理による変動率については, 加熱処理後のα-Tocの含量は, 生の根塊に換算すると, 焼き処理後では41%の残存率であった。シモンは, 比較的分解率が少ない電子レンジ処理においても, 他の品種に比較すると, 高い分解率を示した。蒸しおよび焼き処理後は, さらに残存率は低かった。
    5) 調理後の水分の変化は, 電子レンジ, 蒸し, 焼き処理の順に小さかった。
    6) さつまいもは一度に摂取する量が比較的多いため, 調理後のα-Toc損失を考慮しても食用油脂と同様にビタミンEの給源として重要な食品の1つであると考えられる。
  • 小國 伊太郎, 那須 恵子, 金谷 節子, 太田 裕一, 山本 茂博, 野村 武男
    1989 年 47 巻 2 号 p. 93-102
    発行日: 1989年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    人口動態統計によると, 都道府県別にみた場合, 静岡県における癌粗死亡率は, 男女とも全国平均に比較して非常に低い。我々は, 癌予防の立場からこの事実に興味をもち, 静岡県における癌死亡の実態を, 市町村ごとに, 部位別にその標準化死亡比 (SMR) を算出, 癌死亡分布図を作成し, 詳細に検討した。その結果, 静岡県中・西部の緑茶生産地を中心とする地域に, 胃癌などの消化器癌によるSMRが, 男女とも全国値 (SMR=100) に比して顕著に低い傾向を有意に認めた。その結果に基づき, 我々は, 緑茶葉の抗腫瘍作用の有無を明らかにするために, 疫学的ならびに実験的に検討を行い, 次の結果を得た。
    1) 静岡県中・西部の緑茶生産地を中心とする地域の, 全癌および胃癌などの消化器癌によるSMRは, 全国値に比して著しく低率であった。
    2) 静岡県中・西部の胃癌SMRの非常に低い3K町と, SMRの高いO町の35歳以上の世帯主および主婦を対象に, 緑茶摂取状況を含む食生活調査を実施し, 性, 5歳階級別に比較検討した結果,“緑茶の飲み方”,“茶葉を取り替える頻度”,“茶の濃度”などの項目に, 男女とも有意差がみられ, 3K町 (胃癌SMRの低い地域) の住民のほうが, O町に比較して緑茶をよく摂取している傾向が認められた。
    3) Sarcoma 180を移植したマウスに, 緑茶葉の熱水抽出物を経口投与すると, 顕著な腫瘍抑制作用が認められた。
    これらの結果は, 緑茶の癌予防効果の可能性を示唆していると思われる。
  • 阿左美 章治, 平塚 静子, 北野 隆雄, 江指 隆年
    1989 年 47 巻 2 号 p. 103-112
    発行日: 1989年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    生後4週齢の Fischer 系雌ラットに20%および40%のカゼインまたは分離大豆たん白質を含む飼料を25週間与え, その間1, 13, 25週目それぞれにカルシウム (Ca), リン (P), マグネシウム (Mg) の出納実験を行った。また, 25週目実験終了時における血清, 大腿骨, 腎臓中のCa, P, Mg量に及ぼす飼料たん白質量の影響について調べた。
    結果は以下のとおりであった。
    1) 本実験で用いた飼料組成ではラットの体重増加に差は認められなかった。
    2) CaおよびPの吸収率は加齢とともに低下したが, 飼料間の差は認められなかった。しかし, CaおよびPの尿中排泄率は40%カゼイン含有飼料飼育群 (C40) が最高値を示した。4群とも加齢に伴いCaおよびPの体内保留率が低下し続けた。
    3) Mg出納については, C40が最高の尿中排泄率を示した。体内保留率については分離大豆たん白質食群が高値を示し, 25週目にはC40が負のMg出納を示した。
    4) 大腿骨重量, 骨中灰分量, 脱脂骨1g当たりのCa量およびCa/P比については, 4群間に差を認めなかった。しかし, 体重100g当たりの重量は, C40が40%分離大豆たん白質含有飼料飼育群 (S40) に対し有意に低値を示した。
    5) 腎臓重量は40%食群が20%食群に比べて, 高値を示した。腎臓1g当たりのCa, Mg量は40%食群が20%食群より低値を示した。
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