(1) 愛知県名古屋市近郊の木曾川流域, 海部郡八開村, 立田村に高齢者が8~6%いることから, この2地域の長寿者の食生活について, 調査を実施した。
(2) 対象は, 両地域の70歳以上, 男女69人の健康な老人を選定した。
(3) 摂取食品としては, 人参, 南瓜, れんこんを多食し, また抹茶を好んで飲む習慣があった。栄養素としては, V. A平均2000 IU, V. Cも118mgで他の農村地域よりはるかに多い。たん白質としては, 卵, 豆が獣肉類に代って食され, 老人には適切であると思った。
(4) 摂取熱量は男子1,705Cal, 女子1,669Calで厚生省栄養所要量70歳以上より少ないが, 消費熱量は男子1,664Cal, 女子1,489Calで, その相関系数は0.7以上で高く, 彼等は, 労働に見合ったエネルギー摂取をしているといえる。
(5) 愛知県農村地域とこの老人対象の栄養摂取量との関係をX
2検定した結果, V. A, V. Cにおいて有意差を認めた。
(6) また, 高血圧と栄養との関係を正常者と比較したX
2検定結果は, 有意差を認めることは, できなかった。老人の場合, 幾多の要因がさく相していて, 単純に, 原因がつかみにくいと思われた。
抄録全体を表示