日米女子学生の食生活を中心とした保健生活行動の比較研究のために, 米国バージニア州の Mary Baldwin College (M校), および日本は京都の同志社女子大学 (D校) の各女子大生それぞれ385名および238名を対象に, 調査, 解析を行い, 次の結果を得た。
1) 朝食の欠食を“よく/時々”する者は, D校68.9%, M校86.0%であり, 両校間の欠食率に統計的に有意な差が認められた。
2) 食物摂取状況を点数化したバランススコア (18点満点) は, D校11.0点, M校10.7点であり, D校はM校より卵, 果物が, M校はD校より豆類, 牛乳・乳製品の摂取率がそれぞれ低かった。
3) 間食, 清涼飲料水の摂取頻度, および飲酒, 喫煙頻度は両校間で異なり, M校がいずれもD校より高い頻度であった。
4) 健康感は両校間で異なり,“健康である”と感じている者の割合はD校よりM校のほうが高かったが, 自覚症状の数はD校のほうが少なかった。
5) 日常運動をしている者は, M校93.2%, D校51.3%であり, 運動時間もM校が長かった。また睡眠時間もM校が8.1時間で, D校より1.25時間長かった。
6) M校では肥満度が10%以上の者がD校より2.8倍高率であった。肥満度が±10%の者のうち, 両校ともに約60%が自己の体型を“太っている”と認識し, やせ指向が認められた。
7) 食生活改善の必要性を感じている者は, D校63.0%, M校46.8%であった。
8) 両校ともに欠食をよくする者は, 間食, 清涼飲料水をよく摂取し, バランススコアは低下していた。そしてバランススコアの低下に伴い健康感は低下傾向を示し, 自覚症状の数が増えていた。
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