栄養学雑誌
Online ISSN : 1883-7921
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77 巻 , 2 号
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原著
  • 松下 由実, 横山 徹爾
    原稿種別: 原著
    2019 年 77 巻 2 号 p. 39-45
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/05/17
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】IHD(虚血性心疾患)関連の心電図異常を見出す能力が高い,侵襲性のない新しい体格指数を作成することを目的とした。

    【方法】2004~2010年に人間ドックでCT検査を受けた12,628名を対象とした。IHD関連の心電図異常(心電図異常もしくは心筋梗塞現在治療中)を従属変数,身長,体重,ウエスト周囲長CT(WCCT)を独立変数にした回帰分析に基づき,新たな体格指数(BSI)を作成した。ROC曲線を描き,IHD関連の心電図異常を,BSI,内臓脂肪面積(VFA),内臓脂肪面積と皮下脂肪面積の和,WCCT,BMIで比較した。

    【結果】男性においてIHD関連の心電図異常を見出すためのBSIのROCの曲線下面積(AUC)は,VFA,WCCT,BMIに比べて有意に大きくなっていた(p<0.01)。女性においてAUCは,WCCTとBMIより有意に大きくなっており(p<0.05),VFAとはほぼ同等であった。IHD関連の心電図異常を感度80%で見出すことのできるBSIは,男性で-1.2,女性で-2.4であった。

    【考察】BSIは,IHD関連の心電図異常を見出す能力は,男性ではVFAより大きく,女性ではほぼ同等であることから,医療現場で使う指標としては有用である可能性が示唆された。今後は,IHDリスク評価について縦断的にみていく必要があると考えられる。

研究ノート
  • 小林由紀子 , 石井 有理, 寺本 祐之
    原稿種別: 研究ノート
    2019 年 77 巻 2 号 p. 46-53
    発行日: 2019/02/01
    公開日: 2019/05/17
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】社員食堂における減塩食と減塩に関する情報の提供が健常者の24時間尿中Na排泄量(食塩換算量)におよぼす影響を検討する。

    【方法】試験は単群オープン試験とし,株式会社ファンケルの社員で20~65歳の健常な男女20名に,減塩に関する情報提供を実施し,1食当たり食塩量 2 g以下の減塩食を9週間,平日の昼食に社員食堂で摂取させた。主要評価項目を24時間尿中Na排泄量(食塩換算量)とし,塩味認知閾値および好みの食塩濃度を副次評価項目とした。

    【結果】24時間尿中Na排泄量(食塩換算量)は介入前 9.8 g/dayと比較して3週間後 6.8 g/day(p=0.001),9週間後 6.0 g/day(p<0.001)といずれも有意な低下であった。また,塩味認知閾値は,介入前0.136%と比較して3週間後は0.085%(p=0.008),9週間後は0.084%(p=0.012)といずれも有意に低下した。好みの食塩濃度についても,介入前0.63%と比較して3週間後0.50%(p=0.002),9週間後0.40%(p<0.001)はいずれも有意な低下であった。

    【結論】減塩食と減塩に関する情報の提供は,24時間尿中Na排泄量(食塩換算量)の低下と塩味に対する味覚感度の改善に有用であることが示唆された。

  • 髙泉 佳苗
    原稿種別: 研究ノート
    2019 年 77 巻 2 号 p. 54-64
    発行日: 2019/02/01
    公開日: 2019/05/17
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】30歳代を対象に,現在の食生活リテラシー尺度と子どもの頃の共食状況および子どもの頃に家庭で受けた食教育との関連を検討した。

    【方法】社会調査会社のモニター(30~39歳)9,356人を対象に,2017年1月27日~29日の3日間でウェブ調査を実施した。分析対象は2,000人(男性1,018人,女性982人)であった。子どもの頃の共食状況と子どもの頃に家庭で受けた食教育は回想法により調査した。共食状況との関連はロジスティック回帰分析を用いた。食教育との関連は重回帰分析(強制投入法)を用いた。

    【結果】男性では子どもの頃に朝食(調整オッズ比:1.48(95%CI: 1.12~1.95))または夕食(調整オッズ比:1.90(95%CI: 1.29~2.81))を大人と一緒に共食している者の食生活リテラシー尺度が高かった。女性では朝食および夕食の共食と食生活リテラシー尺度に関連は認められなかった。食生活リテラシー尺度に好影響を示した子どもの頃に受けた食教育は,男性では「好き嫌いせずに食べるように言われていた(β=0.11,p=0.015)」,「食事づくりを手伝っていた(β=0.11,p=0.008)」であった。女性では,「主食,主菜,副菜のそろった食事だった(β=0.08,p=0.047)」,「食事づくりを手伝っていた(β=0.11,p=0.006)」であった。

    【結論】男性では子どもの頃に大人と一緒に共食すること,また男女共に,子どもの頃の家庭における特定の食教育が,成人期の食生活リテラシーを形成する要因になっている可能性が示唆された。

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