栄養学雑誌
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59 巻, 3 号
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  • 湯川 晴美, 鈴木 隆雄, 吉田 英世, 熊谷 修, 岩間 範子, 柴田 博
    2001 年 59 巻 3 号 p. 117-125
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    東京都市部在住の健康な高齢者を対象に, 食物摂取状況からエネルギー充足割合を明らかにし, その充足割合と社会・心理・生活身体的要因との関連について検討した。対象は, 東京都小金井市在住の在宅高齢者で, 年齢65~79歳までの男女161人 (男性72人, 女性89人) に対し, 3日間の食物記録法による栄養調査を行った。以下にそれらの結果を示す。
    1) エネルギー充足率は平均113%であり, 充足率が90%未満の “低エネルギー充足” の割合は13%であった。
    2) 関連要因の項目の中で, 高学歴, 健康度自己評価が高い者ほどエネルギー充足率は有意に高く, 視力が不自由な者ほどエネルギー充足率が低かった。
    3) エネルギー充足率と関連した要因の中で, 最終学歴は, 多重ロジスティック回帰分析によって他の要因をコントロールしても, エネルギー充足率に有意な正の影響を与えていた。
    健康な高齢者のエネルギー充足率と関連する要因は, 最終学歴を始め, 健康度自己評価, 視力の良好さが考えられた。高齢期の食事において, これらの要因は, エネルギー摂取の不足から低栄養を引き起こす可能性があると思われた。
  • 田口 素子, 樋口 満, 岡 純, 吉賀 千恵, 石田 良恵, 松下 雅雄
    2001 年 59 巻 3 号 p. 127-134
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    The basal metabolic rate (BMR) of female endurance athletes was evaluated in relation to the body composition and nutritional status. The subjects were 16 long-distance runners mean (SD) age: 19.1 (2.4) y, height: 160.2 (4.5) cm, weight: 48.2 (4.1) kg, body fat: 16.6 (3.3)%, 8 rowers ((20.6) (1.2) y, 162.8 (3.2) cm, 57.0 (5.6) kg, 18.2 (4.6)%), and 19 sedentary non-athletic controls (20.1 (0.7) y, 159.7 (5.1) cm, 51.0 (5.2) kg, 23.7 (2.8)%). All subjects were eumenorrheic (estradiol: 47.2 (35.9) pg/ml). BMR (kcal/day) was significantly higher in the rowers (1, 351 (170) kcal/day) than in the sedentary controls (1, 191 (165) kcal/day), but not in the runners (1, 246 (121) kcal/day). BMR adjusted by body weight was significantly higher in the runners (26.0 (3.1) kcal/kg BW/day) than in the sedentary controls (23.3 (2.3) kcal/kg BW/day), but not in the rowers (23.9 (3.9) kcal/kg BW/day). BMR adjusted by lean body mass (LBM) did not differ among the three groups (runners: 31.1 (3.6), rowers: 29.1 (3.8), sedentary subjects: 30.7 (3.3) kcal/kg LBM/day). Body weight and LBM were significantly correlated with BMR (kcal/day)(r=0.43, r=0.51, p<0.01, respectively) in all the subjects. However, the energy intake (kcal/kg BW/day) and protein intake (g/kg BW/day) were correlated with BMR (kcal/kg BW/day)(r=0.52, r=0.69, p<0.01, respectively) only in the athletes, and not in the sedentary controls. These data suggest that BMR (kcal/day) in female athletes with eumenorrhea was influenced by both the body dimensions and intake of energy and protein.
  • 難波 敦子, 尾立 純子, 浅野 真智子, 瓦家 千代子, 島田 豊治, 深蔵 紀子, 安田 直子, 山本 悦子
    2001 年 59 巻 3 号 p. 135-145
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    全国どの地域でもみられるようになったコンビニの売上高の4割が食品であることから, コンビニが我々の食生活に大きな役割を占めつつあるのではないかと考えた。そこで, コンビニで販売されている物のうち, 食品の購入に関する事項について, 性別, 年齢階層別に調査した。また, コンビニ利用と食生活, 生活習慣, 健康状況との関連も検討した。平成10年12月から11年1月にかけて, 大阪府下を中心に1, 254人に対して調査を行った。その結果は次のとおりである。
    1) コンビニの利用は, 10歳代から30歳代では90%以上であったが, 60歳代以上でも45%となった。コンビニ利用理由の1位は “食事・おやつ” のためが50.4%であり, “突然必要” や “買い忘れ” は女性の割合が男性より高く, 差が認められた。購入品目では, 食べ物として一番高い購入割合になったのはパンで, 73.9%であった。次いで, おにぎりが68.0%であった。4位は弁当で64.9%であり, 60歳以上のコンビニ利用者でも41%が利用していた。男性に比べ女性の割合が高くなったのは, 牛乳, パン, サラダであり, 男性が高くなったのはカップラーメン等レトルト食品であった。
    2) コンビニの利用あり群は, 利用なし群に比べて, 食生活状況では “間食の食べ過ぎ”, “食事をするのが面倒である” の項目で高い割合になり, 男女間に差が認められた。生活習慣, 健康状況では, 男女間で差は認められなかった。
    3) コンビニに望むことは, “安くして欲しい” が59%で1位であった。女性は男性に比べ “果物・野菜があればよい” が高い割合になり, 差が認められた。
    4) コンビニの活用は, 将来も “現在と変わらない” とした者が69.7%と高い割合を示し, “少なくなる” は3.3%であった。
  • かくれ肥満傾向者の食物摂取と生活状況
    相川 りゑ子, 彦坂 令子, 近藤 恵久子, 八倉巻 和子
    2001 年 59 巻 3 号 p. 147-155
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    女子大生の身長・体重から, BMI 19.8未満で体脂肪率24%以上の者及びBMI 24.2未満で体脂肪率30%以上の者23人をA群, BMI 19.8未満で体脂肪率17%以上24%未満の者, BMI 19.8以上24.2未満で体脂肪率24%以上30%未満の者及びBMI24.2以上26.4未満で体脂肪率30%以上の者293人をB群, BMI 24.2以上26.4未満で体脂肪率24%以上30%未満の者及びBMI 26.4以上で体脂肪率30%以上の者13人をC群, BMI 19.8以上24.2未満で体脂肪率17%以上24%未満の者27人を標準群として, 4群に分類し, 検討した。
    1) 栄養素等摂取量とその充足率では, 太りぎみ・肥満傾向であるC群が, エネルギー (1, 645kcal) と脂質 (58.1g) の摂取が他の群より多く, 脂質エネルギー比率も31.8%と他の群より高く, 糖質エネルギー比率は52.4%と低かった。
    2) 生活時間調査から, 夕食を20時以降に喫食した者が最も多いのはA群の60.7%で, 次にB群39.2%, C群38.3%で, 最も少ないのは標準群の29.6%であった。午前0時以降に就寝した者が最も多いのは標準群の62.9%で, 次にB群58.3%, A群43.4%で, 最も少ないのはC群の30.7%であった。
    3) 各群の収縮期血圧は, C群が112.1mmHgと最も高く, 収縮期血圧と体脂肪率では相関係数0.824と, 相関関係が認められた。
    4) ダイエット経験については, 全体の81.7%の者が経験者であり, そのうち21.1%の者は現在も行っていることから, ダイエットについての関心は高かった。5) 自己の体型認知では, 4群ともに “太りぎみ”, “太り過ぎ” と過大評価する傾向がみられ, 4群ともに “もっとやせたい” と回答するやせ願望の者が多かった。
    6) 食生活における注意事項では, 4群ともに食生活の中で注意する意識は高く, 関心の高さがうかがえた。
    以上のことから, 栄養素等摂取量における栄養バランスや喫食時刻, 就寝時刻等の生活リズムの改善, 適度な運動について, きめ細かな指導が必要であることが再確認された。
  • 渡邊 智子
    2001 年 59 巻 3 号 p. 157-160
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
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