栄養学雑誌
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46 巻, 6 号
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  • 露木 英男
    1988 年 46 巻 6 号 p. 249-257
    発行日: 1988年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 冨田 絹子, 西田 美枝子, 山下 慶子, 桝元 慶子
    1988 年 46 巻 6 号 p. 259-271
    発行日: 1988年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    学生の作成した実施献立記録を用い, 1年間の食事別栄養素, 食品類の摂取状況を調査し, 次の結論を得た。なお, 本調査対象の寮生30名中, 7名が運動部員であった。
    1) 各々の生活時間調査より栄養所要量を求めた。栄養素摂取量の年間値は, エネルギー・たん白質・ビタミンB1 (VB1)・ビタミンB2 (VB2)・ビタミンC (VC) が所要量を越え, カルシウム (Ca) は辛うじて充足, 鉄 (Fe) はやや不足であった。季節比較では夏季・冬季間で, たん白質・リン (P) ・Feに有意差が認められた。
    2) 各栄養素の食事別摂取比率で最高値を示したのは, 朝食の脂肪・Ca・VB2, 夕食のエネルギー・たん白質・脂肪・糖質・粗繊維・P・Fe・ナトリウム (Na)・カリウム (K)・VA・VB1・VCであった。昼食は最高値のものがなく, 夕食に次ぐものが多かった。間食はVCを除けばほぼ10%以下で低かった。
    3) 摂取エネルギー, 各栄養素間でγ>0.7の高い相関を示したのは各食事に共通して, エネルギーとたん白質・脂肪・糖質間, 粗繊維とK間, たん白質とP・VB2間, PとFe間などであった。朝食・夕食・間食においてもいくつかの栄養素間に高い相関が見出された。
    4) 食品摂取量の1人1日当たりの年平均値は, 国民栄養調査による同年国民1人1日平均値に比し, 油脂類・卵類・乳類が高く, 豆類・果実類・野菜類・魚介類が低かった。食品摂取量の季節比較では, 春季のいも類・野菜類・卵類, 夏季の魚介類が低く, 冬季の砂糖類・野菜類・卵類が高値となった。食事別季節間比較では, 朝食の砂糖類・卵類, 昼食の油脂類・卵類・野菜類, 夕食の穀類・いも類・卵類・野菜類, 間食の菓子類に有意差がみられた。
    5) 食品摂取量の食事別配分比率は, 朝食では砂糖類・油脂類・乳類・嗜好飲料, 昼食では穀類・卵類, 夕食ではいも類・豆類・魚介類, 間食では菓子類・果実類が最も高かった。
    6) 摂取食品間にγ>0.2の有意水準で相関を示したのは, 砂糖類と肉類・乳類・嗜好飲料間, 肉類と野菜類・調味料間などであった。食事別ではγ>0.4の有意水準で, 朝食の砂糖類と乳類間, 油脂類と野菜類・果実類間, 豆類と乳類・嗜好飲料間, 乳類と嗜好飲料間に, 昼食の魚介類と肉類間に, 夕食の砂糖類と嗜好飲料・果実類・魚介類・肉類間, 乳類と果実類間, 果実類と嗜好飲料間などに正または負の相関がみられた。
  • 足立 蓉子
    1988 年 46 巻 6 号 p. 273-287
    発行日: 1988年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    山口市宮野地区在住の65歳以上の男女367人を対象に, 食事の満足度とそれに影響を及ぼす要因について質問紙による個人面接法で調査を実施し, そのデータを数量化I類を用いて分析した。その結果は以下のようである。
    1) 食事の満足度を世帯加構成別に比較すると, 独居世帯は食事満足度がその他の世帯に比べて最も低かった。
    2) 食事満足度に影響する要因は, 第1に食事量が多いことで, 満足度を促進した。第2は世帯構成であり, 二世代および三世代世帯が満足度を促進した。第3は健康維持の留意点であり, 栄養, 運動, 休養ならびに規則正しい生活をするのに積極的であることが満足度を促進した。
    3) 食事の満足度には 食生活そのものばかりでなく, 健康, 家族関係, 地域社会とのつながり, ならびに経済などの食生活を取りまく要因が相互に絡み合って影響を及ぼしているといえる。
  • 岩田 多子, 稲山 貴代, 三輪 里見
    1988 年 46 巻 6 号 p. 289-298
    発行日: 1988年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    高果糖食で飼育した発育期および成熟期以降のラットの脂質代謝に及ぼす中国緑茶, 烏龍茶ならびに紅茶の影響を検討した。
    4週齢 (体重70g) ならびに8週齢 (体重210g) の雄の Wistar ラットを, それぞれ実験1, 実験2として使用した。ラットは各々68%の高果糖食にて8週間飼育した。飲料水としては, 日常飲用する普通濃度と5倍濃度の中国緑茶, 鳥龍茶, 紅茶を投与した。
    1) 高果糖食の飼育により, 食餌性の高脂血症がひき起こされたが, 中国緑茶, 烏龍茶投与群では, 4週齢, 8週齢のいずれにおいても血漿の中性脂肪の上昇を抑制した。しかし, 紅茶投与群においては, 4週齢においてのみ血漿中の中性脂肪の上昇を抑制した。
    2) 烏龍茶投与群の8週齢ラットにおいて血漿中のコレステロールが高い値を示したが, この時の総コレステロールに占めるHDLコレステロールの割合も有意に高い値を示した。
    3) 中国緑茶, 鳥龍茶, 紅茶を投与した8週齢ラットにおいて, 肝臓中の中性脂肪およびリン脂質が低い値を示した。
  • 老人ホームの場合
    二宮 洋美, 村田 和加子, 横山 洋子, 芳賀 文子
    1988 年 46 巻 6 号 p. 299-306
    発行日: 1988年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    老人ホームにおける男女高齢者111名に対し, 塩から味と甘味に関する官能テストを行い, 閾値と嗜好濃度, および閾値と嗜好濃度の相関等について検討を試み, 次の結果を得た。
    1) 塩から味の閾値は, 男性0.33%, 女性0.19%で, 有意の差がみられた。
    2) 甘味の閾値は, 男性0.53%, 女性0.54%で, 男女の差は小さかった。
    3) 男性における喫煙者と非喫煙者, 飲酒者と非飲酒者間では, 塩から味および甘味の閾値に有意な差はなかった。
    4) 味噌汁の塩から味嗜好濃度は男性が有意に高く, 紅茶の甘味嗜好濃度では男女間にほとんど差はなく, 60%以上の者が甘味濃度6.7%のものを好んでいた。
    5) 塩から味の閾値と味噌汁の塩から味嗜好濃度の相関関係は, 男女ともに有意性は認められず, 甘味の閾値と紅茶の甘味嗜好濃度についても同様であった。
    6) 塩から味の閾値および味噌汁の塩から味嗜好濃度は, 男女ともに正常血圧者のほうが高く, 特に男性の塩から味嗜好濃度において正常血圧者と高血圧者間で有意の差がみられた。
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