中学生の食習慣と食生活意識を明らかにするために, 和歌山県山村部 (A・B校), 和歌山県農村部 (C・D校), 和歌山市 (E・F校), 大阪府岸和田市 (G・H校), および大阪市 (I・J校) の中学校, 合計10校の中学2年生1,677名 (男子859名, 女子818名) を対象として調査を行った。
1) 朝食の摂取状況は, 毎日摂取する生徒は, 男子の場合A・B校で83.8%であったが, I・J校では70.2%と低かった。毎朝食がパン食の生徒は, E・F, G・H, I・J校で男子の場合平均34.8%, 女子の場合35.1%で, いずれも他の中学校より高かった。パン食時の飲料の種類では, コーヒー・紅茶・清涼飲料を摂取する生徒が最も多く, 男子で58.1%, 女子で59.8%であった。主食がパン食時と米飯食時の副食の種類では, 米飯食時のほうが副食の摂取割合が多かった。
2) 中学生が最も好む料理は, 男女とも肉料理であり, 男子で75.7%, 女子で53.7%であった。女子では野菜料理を最も好む生徒が19.3%あり, 男子より多かった。緑黄色野菜の摂取回数が週に0~2日の生徒は, A・B校以外では男子および女子でそれぞれ平均37.4%, 31.5%であった。夕食の摂取時刻は, クラブ活動や塾に参加した時, A・B校以外では遅くなり, 9時以後の生徒が普通時に比べて増加し, 男子で11.3%, 女子でも8.6%となった。
3) 栄養素のバランスに対して, 全然注意していない生徒は, 男子で54.5%, 女子で42.5%であった。食べ過ぎに全然注意していない生徒は, 男子で52.0%, 女子で25.7%と女子のほうが顕著に低かった。緑黄色野菜にビタミンが多いことを知っている生徒は, 男子で80.7%であったが, 女子では92.7%と高かった。野菜に無機質が豊富に含まれていることを知っている生徒は, 男子で58.6%であったが, 女子では65.5%と高かった。
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