1956~1958年, 1974~1975年の2回, 大阪市内の同一児童福祉施設の児童, 生徒の栄養調査を行ったが, 1978年5月から1979年3月まで, 同じ施設で3~6歳の男女児の栄養調査を行ったので, 摂取栄養素量と体位, 発育との関係について検討した。
(1) 対象の男児の身長, 体重は3~4歳, 5~6歳の両年齢層ともに, 全国平均値との間に差は認められない。女児は5~6歳層の身長, 体重では全国平均値より, やや下まわっていたが, 3~4歳層の体重は全国平均値より上まわっていた。
(2) 体格指数では, 5~6歳層女児のローレル指数は全国平均値より上まわっているが, その他の年齢層の男女児のローレル指数, カウプ指数は, いずれも全国平均値との差は認められなかった。
(3) 身長は夏季増加し, 体重は冬季増加するという季節変化がみられた。
(4) エネルギー, たん白質及び脂質の摂取量は, 夏季より秋季が多い。
エネルギー摂取量は, 所要量よりやや少なかったが, 秋季のたん白質摂取量は, ほぼ所要量をみたしていた。
摂取たん白質の動物性たん白質比は65~68%, プロティンスコアは約80で, リジン摂取量は2.5~3.4g, トリプトファンは0.5~0.7g, 含硫アミノ酸は1.3~1.8gであった。脂質エネルギー比は27~34%であった。
(5) 年齢と体格指数との相関では, 男児はローレル指数とカウプ指数, 女児はローレル指数と, 有意の相関関係が認められた。
(6) 年齢, 体重と, 摂取エネルギー, たん白質, 動物性たん白質及び脂質との相関関係では, 男児の場合は有意差が認められたが, 女児の場合は認められなかった。
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