家計調査年報昭和54年の昭和40年から54年までの15年間の品目別購入数量をもとに, 食料消費が食品個々のレベルでどのような傾向変動をたどってきたかを検討し, 次のような結果を得た。
1) 徳用上米, 標準価格米よりも他のうるち米, また, あじ, さばよりもまぐろ, ぶり, えび・かに, そして2級, 合成清酒よりも特級, 1級清酒へと, より高価なものへと消費が変化している。
2) 副食品の購入量が増加していることが注目される。
3) 米類, 麦・雑穀, 煮干し, 小豆, 他の豆, こんぶ, 干ぴょう, さつま揚げなどの減少に対して, 食パン, 豚肉, 鶏肉, 他の肉, ハム・ソーセージ, ベーコン, 牛乳, チーズ, レタス, トマト, ピーマン, カリフラワー, ビール, ウィスキー, コーヒーなどは増加し, 食品材料において, 欧米的なものが多く使われるようになった。
4) 調味料の中で, 食用油, マーガリン, マヨネーズ, ケチャップ, ジャム, カレー粉などの増加に対して食塩, しょうゆ, 味噌などは減少し, 調味料においても欧米的なものが多く使われるようになった。
5) 昭和40年から54年までの15年間における購入量の経年変化は, 全体として増加傾向にありながらも昭和47年を境に変化は鈍化し, 昭和48年以降は47年までの変化とは異なってきている。
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