栄養学雑誌
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73 巻 , 6 号
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原著
  • 鈴木 亜紀子, 赤松 利恵
    2015 年 73 巻 6 号 p. 221-229
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】ストレス対処行動による食べ過ぎを抑制する可能性を調べるため,対処行動の組み合わせを検討し,ストレス反応,特に夕食の食べ過ぎとBMIの違いを検討する。
    【方法】2012年12月,勤労者(解析対象390人)を対象にwebを用いて,属性,ストレス対処行動,ストレス反応(行動的,心理的,身体的)を調査した。行動的反応として,満腹感覚尺度で測定した夕食の食べ過ぎを用いた。ストレス対処行動尺度を用い,男女別にクラスター分析を行い,得られた組み合わせごとに,ストレス反応とBMIの違いを検討した(χ2 検定,一元配置分散分析)。
    【結果】男性(255人)では,ストレス対処行動として,情動焦点型対処を行う群(情動焦点型),全て行わない群(不実施型),気分転換を行わない群(気分転換不実施型),全体的に行う群(多数実施型)の4つに分類された。情動焦点型の夕食の食べ過ぎの得点は多数実施型よりも高く,心理的反応は多数実施型と気分転換不実施型より高かった。女性(135人)では,情動焦点型,不実施型,多数実施型に加え,問題焦点型と情動焦点型を行う群(問題・情動型)の4つであった。情動焦点型の夕食の食べ過ぎの得点は不実施型より高く,心理的反応は他の3群より高かった。BMIは,クラスターごとに違いはなかった。
    【結論】情動焦点型の対処行動を取る男性は多数実施型より,また女性は不実施型より,夕食の食べ過ぎの得点が高かった。
  • 高木 絢加, 加古 千菜都, 駒居 南保, 本窪田 直子, 鈴木 麻希, 林 育代, 住田 実, 永井 成美
    2015 年 73 巻 6 号 p. 230-242
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】特別な支援が必要な児童生徒への食育では,学習者の保有する感覚を活用した教具の選択が重要とされるが,その有効性を検証した研究は少ない。我々は特別支援教育において立体識別感覚を重視した教具が広く活用されている現状に着目し,「障害の種類や程度が様々で特別な支援を必要とする児童生徒への食育において,立体教具は平面教具と比べて児童生徒のより高い関心と反応を引き出す」との仮説を立てた。この仮説の検証を目的として以下の研究を行った。
    【方法】学習者は肢体不自由を主とした障害を有するS養護学校小学~高等部の45名(参加率54.2%)であり,2013年9月に疑似収穫体験を主活動とする食育を行った。教具は,給食や栽培体験でなじみがある野菜8種類とした。B1 サイズのパネル(縦)の右半分に紙,左半分に布を張り畑の様子を再現し,右半分にはほぼ実物大の作物を模した平面教具(紙製),左半分には立体教具(布製)を同数マジックテープ等で張り付けた。児童生徒はクラス単位(4~6名)でランチルームに来室し,約15分間壁面に張り付けた畑から作物を自由に収穫した。児童生徒の反応(視線・発声等)と収穫数を観察者が記録しスコア化した。担任からは自由記述による評価を得た。
    【結果】立体教具は,平面教具よりも反応スコア,収穫数ともに有意に高値を示した。担任評価からも立体教具の優位性が示された。
    【結論】本研究で対象とした特別支援学校における児童生徒への食育において,立体識別感覚を重視した立体教具によって児童生徒のより高い関心や反応を引き出すことが,平面教具との比較において示唆された。
短報
  • 赤利 吉弘, 小林 知未, 小林 千鶴, 植杉 優一, 内藤 義彦
    2015 年 73 巻 6 号 p. 243-252
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】家族との共食頻度に影響を与える要因を明らかにするため,成人を対象に共食頻度と生活習慣,社会参加および精神的健康状態の関連について年代別,性別に検討すること。
    【方法】2013年に大阪府S市が自己記入式調査票による横断的調査を満20歳以上の男女2,000名に実施した調査資料を用いた。調査票を回収した1,095名のうち,家族と同居している935名を対象者とした。解析では共食頻度を「週10回未満」,「週10回以上」の2群に分け,年代別(20・30歳代,40・50歳代,60歳以上)・性別で比較した。また,共食頻度を目的変数として,生活習慣(6項目),社会参加(1項目),精神的健康状態(2項目)を説明変数に単変量および多変量ロジスティック回帰分析を行った。
    【結果】共食頻度は20・30歳代の男性で最も低く,20から50歳代では,男性に比べて女性が有意に多く「週10回以上」家族と共食していた。多変量解析の結果,共食頻度は20・30歳代の女性が「ストレス」と関連していた。また,40・50歳代の男性が「夕食開始時刻」,女性が「就寝時刻」,「喫煙」,さらに60歳以上の男性が「夕食開始時刻」,「喫煙」,女性が「受動喫煙」,「社会参加」と関連していた。
    【結論】結果より若年女性では,共食頻度と精神的健康状態が関連しており,中高齢期の男性および女性では生活習慣や社会参加が関連していることが示唆された。共食の推進には,年齢や性別の阻害要因・促進要因に配慮した施策が必要と考えられる。
  • 笹岡 歩, 河本 高伸, 青江 誠一郎
    2015 年 73 巻 6 号 p. 253-258
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】本研究は大麦の健康機能に着目し,大麦粉ホットケーキの摂取が小麦粉ホットケーキと比較して食後血糖値の上昇を抑制するかを検証するため実施した。
    【方法】対象は空腹時の血糖値が正常な成人12名(男性6名,女性6名)とした。糖質 50 g分の大麦粉ホットケーキ(試験食)と小麦粉ホットケーキ(対照食)のそれぞれを摂取し,摂取前および摂取開始から15分,30分,45分,60分,90分,120分後の血糖値を測定した。なお,試験は無作為化,単盲検,クロスオーバー試験とし,統計解析は各変数の正規性を確認後,血糖値変化量(Δ血糖値)の経時変化の解析は乱塊法二元配置分散分析を,血糖値上昇下面積(IAUC)の解析はFriedman検定を行った。また,ホットケーキシロップを添えた場合についても同様の試験を実施した。
    【結果】ホットケーキシロップ無しおよび有りの試験について,大麦粉ホットケーキを摂取した場合,小麦粉ホットケーキと比較して,0~120分間の全平均Δ血糖値およびIAUCが有意に低下した。
    【結論】大麦粉ホットケーキには,小麦粉ホットケーキと比較して血糖値の上昇を抑制する効果が確認された。
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