【目的】野菜摂取を促す栄養教育では,実生活に近い具体的な情報が求められる。そこで,具体的な食事内容について提案するために,男性勤労者を野菜摂取量で3つの群に分け,群ごとの食事内容を料理レベルで比較検討した。
【方法】2009年2月,輸送業社営業所の従業員160名を対象に,自己記入式質問紙調査と3日間の食事記録調査を行った。質問紙では,属性,体格,活動量についてたずねた。3日間の食事記録を用いて1日あたりの野菜摂取量,エネルギー摂取量の平均値を算出し,1,000 kcalあたりの野菜摂取量,栄養素量を算出した。さらに食事バランスガイドを用いてサービング(SV)数や料理の出現回数を数え,それぞれの料理の出現割合を求めた。1日あたりの野菜摂取量の25%,75%タイル値を用いて,野菜摂取量のG1群,G2群,G3群の3群に分け,栄養素量や料理の出現割合(%)を比較した。
【結果】解析対象者は115名(回答者142名,有効回答率81.0%)だった。年齢の中央値(25%,75%タイル値)は35(31,39)歳で,野菜摂取量は 194(122,256)g/日だった。G3群は他の群と比べてエネルギー摂取量,1,000 kcalあたりの野菜摂取量が最も高かった。各群の料理の出現割合をみると,G1群では鶏から揚げ(11.1%),G3群では焼き魚(6.4%)や納豆(6.0%)が高かった。副菜に限定すると,G1群ではフライドポテト(5.4%)の出現割合が高く,G3群ではお浸し・ごま和え(4.1%)が高かった。また,G3群では,副菜を含む複合料理の出現割合が高かった。
【結論】野菜摂取量の多い男性勤労者は,サラダやお浸しなどの野菜料理やカレーなどの副菜を含む複合料理を食べており,これらの料理が野菜摂取量と関連することが示唆された。
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