松山市桑原小学校4~6年の児童の家庭70世帯対象に栄養摂取状況を調査し, 次の結果を得た。
(1) 本調査の栄養摂取状況は昭和49年国民栄養調査と比較してエネルギー, 脂肪, Fe, ビタミンB
1以外は高くなっており, 両者間で有意差のみとめられたのは, 脂肪, ビタミンAおよびB
2であった。
(2) 平均所要量に対してCaが不足しており, 調理上の損失を考慮すると, ビタミン類ではA, B
1, B
2が低くなっていた。穀類カロリー比は56.7%, 動物性たん白質比は51.1%であった。
(3) 各世帯間の栄養摂取量の格差が大で, 過剰および不足, ならびにアンバランスの摂取傾向の世帯もみられたが, これは身体栄養状況調査とも併せて検討をする必要がある。
(4) 食品摂取状況では昭和49年国民栄養調査成績より, 穀類, 豆類, 緑黄色野菜類, 魚介類, 肉類, 卵類が多くなっており, 砂糖類, 菓子類, 油脂類, その他の野菜類, 果実類, 乳類が少なくなっていた。
(5) 果実類のうち柑橘類の摂取量の占める割合の多いことは, 季策的, 地理的要因が考えられた。
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