昭和50年度の名古屋市学校給食の献立表を資料にして, 1973年FAO/WHO合同委員会報告のアミノ酸パターンを用い, 四季による献立内容の変化と栄養摂取状態の変動を検討した。
総たん白質摂取量を四季別に計算して, 基準量と比較をしてみると100%またはオーバーするものは, 春では55%, 夏は31%, 秋は10%, 冬36%となり, 51献立中では33%となった。
'73FAO/WHO提案の学童の必要量のパターンと比較してみると, リジン, 含硫アミノ酸およびスレオニンが基準値を下まわり, その他のアミノ酸はいずれもかなり上まわっている。
四季別のアミノ酸摂取量をFAO/WHOのパターンに合わせながら, 制限アミノ酸をみてみると, リジンが制限となるのは夏, 秋, 冬であり, スレオニンが制限となるのは春のみであった。
制限となるリジン, スレオニンの食品への依存度をみてみると, リジンは, 1位が乳卵類, 2位肉類, 3位は魚類となり, これら3種類で, リジン摂取量の74%を占めている。スレオニンでは1位は同様乳卵類, 2位穀類, 3位には魚類がなるが, この場合の魚類は, 4位の肉類とはわずかな差であった。
またこの依存度の四季間の差の特長をみると, リジン, スレオニンともに, 乳卵類が四季を通じて最高率であり, 肉類は冬のみリジン, スレオニンの両方で魚類を抜いて, リジンでは2位に, またスレオニンは3位にというように, 順位が入れ替っている。四季間では冬に肉類の摂取が多いという特長が表われた。
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