栄養学雑誌
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36 巻, 5 号
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  • 磯部 しづ子, 白木 まさ子
    1978 年 36 巻 5 号 p. 203-208
    発行日: 1978/09/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    This investigation was carried out to study the optimum length of nutrition surveys and the daily variations of nutrient intakes on 59 students' families in a women's college.
    The daily average nutrient intake did not vary as the number of days surveyed increased to a maximum of 7 days. The mean caloric intakes of over 4 days were about the same as that of 7 days. The mean intakes of protein and vitamin B1 for 5 days were almost equal to those of 7 days.
    Five families were randomly selected to observe their daily variations of nutrient intakes from the whole households. It was found that each nutrient intake seems to have greater daily variation than these in the whole group studied, and that the longer period of survey might be needed to make a proper estimation of nutritional intakes.
  • 辻 啓介, 辻 悦子, 鈴木 慎次郎
    1978 年 36 巻 5 号 p. 209-214
    発行日: 1978/09/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    実験的高コレステロール血症白ネズミを用いて合成着色料の血清や肝臓コレステロール上昇抑制作用の有無を追求した。
    その結果, 飼料への1%または4%レベルの添加でキサンテン系色素 (エリスロシン, フロキシン, ローズベンガル, アシッドレッド) はいずれも血清および肝臓コレステロールの上昇抑制作用を示した。また, 飼料中コレステロールの肝臓への蓄積率も低下していた。これらキサンテン系色素の共通骨格であるフルオレセインNa塩は同じ作用を発揮したが, フルオレセインとフルオレセイン塩化物は効果がなかった。モノアゾ系色素 (アマランス, ニューコクシン) やトリフェニルメタン系色素 (タートラジン, ファーストグリーン, サンセットイエロー) にはいずれもコレステロール低下作用を認められなかった。
  • PCB の毒性と栄養 (第9報)
    印南 敏, 中村 敦子, 小野 悟, 永山 スミ子
    1978 年 36 巻 5 号 p. 215-224
    発行日: 1978/09/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    PCBの毒性発現と飼料中の脂肪の質および量との関係を険討した結果を要約すると次の如くである。
    1) 飼料脂肪の種類を変えてPCBを投与した場合, ラードを用いたときに最も成長が悪く, 脂肪レベルを変えた場合でもラード低レベルのときに成長が悪いばかりでなく, 半数以上に死亡がみられ, PCBの毒性が強く現われた。
    2) PCBの脂質成分に及ぼす影響では, 血清, 肝臓共に飼料脂肪の種類とレベルにかかわらず, PCB非投与群に比べ, トリグリセライドの減少とリン脂質, コレステロールの増加が認められた。
    3) 総脂肪酸量は試験したいずれの油脂でも脂肪レベルの上昇のみならず, PCBの投与により増加した。
    4) 個々の脂肪酸ではPCB投与によりステアリン酸および多価不飽和脂肪酸の含量の増加することを認めた。脂肪酸組成ではリン脂質とトリグリセライドの両画分において, PCB投与によりパルチミン酸の割合の減少, ステアリン酸の割合の増加が両油脂を通じて顕著に認められた。
    5) 肝臓へのPCBの蓄積は飼料中の脂肪レベルが高い場合に大きいことを認めた。また死亡例のみられたラード低レベル群では生存したものに比べ, 飼育中に死亡したものにおいて高い蓄積を認めた。
  • 松野 信郎, 野村 美弥, 山口 迪夫
    1978 年 36 巻 5 号 p. 225-230
    発行日: 1978/09/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    1) 食品たん白質中に含まれる8種類の必須アミノ酸の相互関係を明らかにする目的で, 日本食品アミノ酸組成表を使用し, 植物性食品, 動物性食品および全食品における28組のアミノ酸の組み合わせの相関係数を算出した。その結果必須アミノ酸相互の相関係数は著しく異なっており, 152種類の全食品では最高はイソロイシンとロイシンの組み合わせで0.76を示した。
    2) またリジンとスレオニンとの関係では植物性食品ではリジンに対するスレオニンの含量が多かったが, 食品による変動幅が大であり, 動物性では植物性の約2/3で変動幅も少なかった。
    3) メチオニンとシスチンとの間の相関係数は0.3以下で非常に低かった。
    4) フェニルアラニンとチロシンの間の相関係数は植物性食品では0.61であったが動物性食品では-0.24でチロシン/フェニルアラニンの比は植物, 動物性食品共近似した値を示したが, 変動幅は植物性食品では著しく大きかった。
  • 1957年FAO委員会提唱のたん白価と1973年FAO/WHO共同委員会報告のアミノ酸価を用いた場合の比較
    小島 しのぶ
    1978 年 36 巻 5 号 p. 231-235
    発行日: 1978/09/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    昭和50年度の名古屋市学校給食の献立表を資料にして, 1957年FAO委員会, 1973年FAO/WHO合同委員会報告のアミノ酸パターンを用い, それぞれたん白価とアミノ酸価を算出して比較した。
    必須アミノ酸の摂取N1g当りでの比較では'57パターン基準の場合のたん白価は76, 第1制限アミノ酸は含硫アミノ酸であった。
    '73パターン基準ではアミノ酸価は85で, 第1制限アミノ酸はスレオニンであった。
    有効たん白質, すなわち, 第1制限アミノ酸を基準にしたたん白質の利用度は, 摂取たん白質24.7gに対して'57のパターンを用いれば, 19.0g, '73パターンでは21.5gとなった。
    いずれの場合の比較でも, '73パターンを用いた方が, たん白質の利用度は大であるといい得る結果となった。
  • 学校給食献立におけるアミノ酸価の四季別変化
    小島 しのぶ
    1978 年 36 巻 5 号 p. 237-243
    発行日: 1978/09/25
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    昭和50年度の名古屋市学校給食の献立表を資料にして, 1973年FAO/WHO合同委員会報告のアミノ酸パターンを用い, 四季による献立内容の変化と栄養摂取状態の変動を検討した。
    総たん白質摂取量を四季別に計算して, 基準量と比較をしてみると100%またはオーバーするものは, 春では55%, 夏は31%, 秋は10%, 冬36%となり, 51献立中では33%となった。
    '73FAO/WHO提案の学童の必要量のパターンと比較してみると, リジン, 含硫アミノ酸およびスレオニンが基準値を下まわり, その他のアミノ酸はいずれもかなり上まわっている。
    四季別のアミノ酸摂取量をFAO/WHOのパターンに合わせながら, 制限アミノ酸をみてみると, リジンが制限となるのは夏, 秋, 冬であり, スレオニンが制限となるのは春のみであった。
    制限となるリジン, スレオニンの食品への依存度をみてみると, リジンは, 1位が乳卵類, 2位肉類, 3位は魚類となり, これら3種類で, リジン摂取量の74%を占めている。スレオニンでは1位は同様乳卵類, 2位穀類, 3位には魚類がなるが, この場合の魚類は, 4位の肉類とはわずかな差であった。
    またこの依存度の四季間の差の特長をみると, リジン, スレオニンともに, 乳卵類が四季を通じて最高率であり, 肉類は冬のみリジン, スレオニンの両方で魚類を抜いて, リジンでは2位に, またスレオニンは3位にというように, 順位が入れ替っている。四季間では冬に肉類の摂取が多いという特長が表われた。
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