栄養学雑誌
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56 巻, 4 号
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  • 奥 恒行
    1998 年 56 巻 4 号 p. 189-198
    発行日: 1998/08/01
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
  • 秋山 栄一, 三重野 優子, 衛藤 宏, 伊東 祐信, 桑原 寛
    1998 年 56 巻 4 号 p. 199-209
    発行日: 1998/08/01
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    中等度~高度肥満症に対し, 固形食化VLCDの栄養組成を, 従来の380kcal, たんぱく質40gから460kcal, たんぱく質55gに調整し, その差異が肥満の治療効果に及ぼす影響を検討した。
    対象は, 当院の入院管理下において380kcalの固形食化VLCD (超低エネルギー食) を摂取した男12人, 女32人, 計44人 (平均年齢46.1±2.5歳), 及び460kcalの固形食化VLCDを摂取した男12人, 女27人, 計39人 (平均年齢45.1±2.3歳) とした。
    380kcal または460kcalの固形食化VLCDを当院の肥満治療プログラムに従って実施した結果, 標準偏差が大きかったため, 体重は両群とも4週間後に, BMIは2週間後及び3週間後から, それぞれ有意に減少した。入院時と入院4週間後で比較した総コレステロール, LDL-コレステロール, 中性脂肪は, 両群とも有意に低下した。HDL-コレステロールは380kcal群で有意に低下したが, 460kcal群ではやや減少傾向を示すものの, 有意の差は認められなかった。動脈硬化指数 ((総コレステロール-HDL-コレステロール)/HDL-コレステロール) は460kcal群において明らかな改善がみられた。窒素バランスは380kcal群に比し, 460kcal群において有意に改善した。血清鉄は両群とも4週間後に有意に低下したが, 1,200kcal食に維持すると正常範囲に回復した。両群間で4週間後の体重減少速度に著明な差を認めなかったにもかかわらず, 血清脂質, 動脈硬化指数, 窒素バランスにおいては, 460kcal 群に良好な結果が得られた。
    以上の結果から, 1日460kcalの固形食化VLCDは, 380kcalに比し適正な栄養量と思われる。
  • 山岸 博之, 朽木 勤, 北野 隆雄
    1998 年 56 巻 4 号 p. 211-216
    発行日: 1998/08/01
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    原理の異なる身体組成推定法である水中体重秤量法 (UWW), 皮下脂肪厚法 (SFT), 生体インピーダンス法 (BIA) を用いて, 体脂肪率 (BF%) からみた肥満の判定基準の比較検討を行った。被験者は19~21歳の若年女性249人とした。
    各法から得られたBF%の平均値は, UWWとBIAに比較してSFTが低値 (p<0.05) を示した。各測定法で得られたBF%が30%以上を肥満の判定基準として検出された肥満者は, UWW, SFT及びBIAでそれぞれ50, 30, 48人であった。肥満者の検出頻度についてχ2検定を用いて検討した結果, 肥満の判定基準値として画一的にBF%が30%以上を用いると, SFTを用いた肥満者の検出頻度は異なる結果が得られた。また, UWWとの共通の肥満者はSFTで11人, BIAで26人であった。これらのことから, 推定法ごとに肥満の判定基準値を考慮する必要があることが示唆された。
  • 情報, 消毒, 食品保管
    難波 敦子, 尾立 純子, 浅野 真智子, 瓦家 千代子, 島田 豊治, 深蔵 紀子, 安田 直子, 山本 悦子
    1998 年 56 巻 4 号 p. 217-226
    発行日: 1998/08/01
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    大阪府下を中心に居住する住民1,085人に, O157による食中毒に対して, 発生当時どのような意識をもち, 行動したか, また6か月後の現在どのようになったか調査し, 末子の年齢別に集計した結果は次のとおりである。
    1) 発生当時知りたかった情報の最も割合の高かったのは予防方法 (74.4%) で, 次いで原因食 (53.5%)となった。
    2) 発生当時に揃え, 6か月後の現在も用いている物で高い割合になったのは薬用石鹸で, 就学前の子どものいる家庭では74.4%となった。
    3) 手洗い指導を「厳しくした」, そして手洗いを「よくしている」が発生当時に比較し, 現在ではどの末子年齢区分でも割合が低くなった。また, 帰宅時やトイレ後の手洗いについても, 調理担当者, 子どもそして配偶者とも同様の結果となった。そして現在では手洗いの方法は水の割合が高くなった。
    4) 発生当時, 台所器具の消毒は「しなかった」としたのは, まな板17.1%, たわし・スポンジ53.3%,ふきん19.3%であった。
    5) 6か月後の現在「O157に対してどのように思っているか」では,「緊張感が薄れ不注意になっている」とした人がどの区分でも高い割合になった。
  • 食事への配慮
    尾立 純子, 難波 敦子, 浅野 真智子, 瓦家 千代子, 島田 豊治, 深蔵 紀子, 安田 直子, 山本 悦子
    1998 年 56 巻 4 号 p. 227-234
    発行日: 1998/08/01
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    第1報と同様に, O157による食中毒についてのアンケート調査を実施し, 食事に関して調理担当者が, どのように配慮しているか, 末子の年齢別に区分して考察した。
    1) 発生時, 料理方法はどの年齢も「すべて火を通した」率が高かったが, 現在になると危険意識も薄れ, 発生前と変わらない料理方法に戻っていた。
    2) 家庭で避けた食品が, 発生時「有る」とした率は, 就学前が高く, 末子の年齢が高くなるにつれ低くなることが分かった。現在になると, 避けている食品も少なくなっていた。避けた食品の上位3種は, 貝割れ菜, 牛肉, レタスの順であった。感染者グループでも, 発生時避けた食品が「有る」とした率が100%であったが, 現在になると26.5%に低下した。
    3) 家庭で避けた料理も食品と同様, 発生時に避けた率は就学前が高いが, 現在になると拒否率も低下している。避けた料理は, 生ものである刺身, 牛肉たたきで, どの年代でも高い拒否率であった。感染者グループでは, 現在になってもまだ, 牛肉たたきや, ユッケは拒否している傾向がみられた。これは外食でも同様な結果であった。
    4) 調理済み食品については, その性質上使用に関しては, あまり予防はしていないと考えられた。
    以上, 食品の選択においても, 第1報と同様, 6か月の時間的経過が安心感につながり, 調理担当者の注意力が低下した。O157を始め, 食中毒は1年を通じて起きていることから, 冬場であるからと安心せず, 予防には注意を払うべきである。
  • 世界がん研究基金米国がん研究財団の報告書から
    田中 平三
    1998 年 56 巻 4 号 p. 237-238
    発行日: 1998/08/01
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
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