ストレスと栄養との関係を調査するため, 健康な女子大生14人を対象に, バナナ摂取とβ-カロテン及びビタミンCの経口投与を行い, ストレス負荷時における生体への影響, つまり尿中カテコールアミン排泄と自覚症状の変化を観察した。被験者14人を, (1) 基礎食群, (2) 基礎食+バナナ150g群, (3)(2) +β-カロテン30mg投与群, 及び (4)(2) +ビタミンC 500mg投与群の4群に分けた。期間は6日間で, 5日目, 6日目に1日6時間の連続計算によるストレス負荷を行った。主な結果は次のとおりである。
1) 尿中ドーパミン及びノルアドレナリン排泄量は, バナナ摂取により増加が観察され, 基礎食群との間で有意な差が認められた。
2) 尿中アドレナリン排泄量は, バナナ摂取による影響はみられなかった。またストレス負荷による増加は全ての群にみられた。
3) 自覚症状数はバナナ摂取群に増加がみられ, ストレス負荷後は更に増加するが, 同時にB-カロテン, ビタミンCを投与した群では増加が認められなかった。
本実験を遂行するに当たり, 被験者としてご協力頂きました東京家政大学の学生, 実験材料を提供下さいました日本ロッシュ (株), 及び検体の測定を下さいました (株) 三菱化学ピー・シー・エルに深く感謝いたします。
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