栄養士養成課程に学ぶ若年女性における日常の昼食摂取状況の問題点を明らかにするとともに, 給食管理実習の役割について考察することを目的に, 栄養所要量の3/8量の基準量からなる給食を10回にわたって提供し, アンケートによる給食の残菜調査と3日間の食物摂取状況調査及び消費エネルギー量調査, 日常の食習慣に関するアンケート調査を実施した。その結果, 以下の知見が得られた。
1) BMIを基に体型分類をした結果,“やせ”と判定される者は14.9%,“普通”が83.0%,“肥満”が2.1%であった。
2) 日常の摂取エネルギー量は, 消費エネルギーの推定値に対して, 平均で約82%であった。
3) 日常の昼食の栄養素等摂取量は, 栄養所要量の3/8量と比較して, 49.3~76.9%の範囲で, 食事内容は“主菜のない昼食”が多かった (74.4%)。
4) “献立”,“主食”,“主菜”,“副菜”別に給食を全て食べた者の割合は, それぞれ平均値で65.8%, 73.5%, 87.2%, 84.4%であった。
5) 和風・洋風・中華風といった献立様式と, 提供栄養量や残菜の有無, 味との間に有意な関連性はみられなかった。
6) 給食を残す理由は,“主食”では分量が多いため,“副菜”ではまずいためと答えていた。
7) 朝食をとらなかった者に給食を残す割合が高かった。
以上のことから, 給食管理実習は, 一定基準の栄養量を提供する方法を学ぶ場であるだけでなく, 適正な栄養素摂取量となる献立を体得させる食教育の場としての役割がある。
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