1986年, 女子短大生997人を対象に, 居住形態別 (自宅生80.2%, 下宿生11.9%, 寮生7.6%) に, 食生活についてのアンケート調査を実施し, 次の結果を得た。
1) 朝, 夕の食事時刻が規則的な者は50%前後, 自炊生 (自炊をする下宿生) では3食とも不規則な者が有意に多かった。
2) 朝食において, 自宅生では米飯, 自炊生, 寮生ではパンを主食とする者が多かった。動物性食品は卵, 乳類のような手軽なものがよく摂取されており, 特にこのような傾向は自炊生に観察された。昼食については, 主食・副食混合の軽食的なものが多く, 中でもカレーライス, めん類, 菓子パン類などは自炊生の摂取が有意に多かった。夕食は3食中最も充実した内容であったが, 自炊生は炒飯, パン, 卵などの手軽な食物を有意に多く摂取していた。また, 自宅生でも自分で食事を調理する場合には自炊生のそれに類似していた。
3) 全対象者の平均欠食率は, 朝食42.1%, 昼食9.3%, 夕食8.9%であり, 自炊生の欠食率は3食とも有意に高かった。また自宅生の中で孤食をする者は朝食で半数以上, 夕食でも約1/5にみられ, 孤食者の食事内容は自炊生のそれに似た傾向を示した。
4) 昼食を購入する者は半数這くみられ, 自炊生に有意に多かった。他は弁当や給食であったが, 弁当を自分で用意する者は17%にすぎなかった。
5) 何らかの食事の手伝いをしていた者は75~90%みられたが, 自発的にはしない者が60%以上を占めていた。大部分の者は基本的な料理の調理経験をもっており, 調理経験のある料理数は, 自宅生14.5種, 自炊生16.1種, 寮生13.1種であったが, これは必ずしも実際の食生活に結びついていなかった。
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