【目的】女子大学生の「食事づくり力」を簡便に測定する質問紙の開発を目的とした。
【方法】「調理の知識・技術」と,「作ろうとする食事のイメージを描く力」から成る「食事づくり力」は,先行研究と「食事づくり力」の定義から得た項目を元に46項目を選定した。2011年に入学直後の栄養学を専攻する女子大学生316名を対象に,46項目の質問紙調査を実施した。妥当性は,探索的因子分析と確証的因子分析,「料理作成能力自己評価」得点で構成概念妥当性を検討した。信頼性は,クロンバックのα係数と再検査法を用いた。
【結果】有効回答数は219名であった(69.3%)。探索的因子分析の結果,<中学・高校時代の主体的な食事づくり経験>,<小学校時代の食事づくりの手伝い>,<食事づくりのイメージを描く力>,<調理に対する家族の積極的な態度>の4因子構造18項目を得た(累積寄与率57.3%)。さらに,確証的因子分析の適合度も良好(GFI=0.910,AGFI=0.881,RMSEA=0.049)であった。「食事づくり力」は中央値61点以上を高群,61点未満を低群とした。「食事づくり力」高群は,「料理作成自己評価得点」が低群より高く(
p<0.001),構成概念妥当性が確認された。信頼性では,4因子のクロンバックのα係数(0.774~0.901)と,再検査法による信頼性(
r=0.423~0.762,
p<0.015)を確認し,良好な結果を得た。
【結論】栄養学を専攻する新入生を対象に「食事づくり力」測定のための質問紙を開発し,信頼性と妥当性が確認された。
抄録全体を表示