栄養学雑誌
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22 巻, 5 号
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  • 久我 達郎, 大島 寿美子, 大田 富貴雄, 菅家 祐輔, 里和 スミエ, 鈴木 秀雄, 手塚 朋通, 鈴木 慎次郎
    1964 年 22 巻 5 号 p. 147-155
    発行日: 1964/09/30
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    以上の結果を要約すると次の如くである。
    1) 消防署員の消火作業のエネルギー代謝率はいずれも非常に高く, RMR 8~38の間にあり, 多くは13~19の間にあった。
    2) 平均年令32.4才, 平均体位は身長162.4cm, 体重57.0kgであって, 日本人の体位基準値に比しやや高いが, 昭和37年度の国民栄養調査成績における平均体位とほぼ等しい値であった。
    3) 24時間勤務中の生活時間内容は睡眠 (平均6.6時間), 睡眠と休息, 教養, 娯楽等 (RMR 0.0~0.2) の合計時間は約10時間であって, それ以外の9~17時間は日常労作或いは勤務についており, 非常に長い労働時間である。
    4) 出火出場のない日の主作業は隊員別にみると, 隊長: 机上事務その他, 警防員: 机上事務, 望楼勤務, 機械整備その他, 警防機関員: 車輛運転, 車輛整備, 机上事務その他, 救急隊員: 救急出場, 机上事務その他, 救急機関員: 救急出場, 車輛整備, 机上事務その他, 梯子専従員: 梯子車整備, 訓練, 机上事務その他であって, 出火出場のない日の主作業はRMR 0.5~2.5の間にあり, 労働強度区分は“軽い”から“中くらい”に属している。
    5) 上記の如き時間内容における消費熱量は2196Cal~3151Cal平均2542Cal (基礎代謝量1Cal/分) となり, これから所要熱量を求めると2365Cal~3334Cal平均2804Calである。これは日本人の労働強度別所要熱量の“軽い”から“中くらい”に相当する。
    6) 出火および救急出場の際の火災規模別の出場時間および消費熱量は, 不掛 (出場時間15分) 63Cal (1分当たり4.31Cal), 30分放水 (70分) 410Cal (1分当たり5.87Cal), 60分放水 (120分) 617Cal (1分当たり5.14Cal), 90分放水 (180分) 1358Cal (1分当たり7.54Cal) で, これに特殊作業 (要救助者のある場合) はさらに高い消費熱量を示し, いずれも出火出場の作業強度は非常に高く, 平均RMR 3.2~7.7は労働強度区分の“重い”から“非常に重い”に相当するものである。
    7) 救急出場の際の出場時間および消費熱量は未収容 (出場時間15分) 39Cal (1分当たり2.62Cal), 収容 (52分) 134Cal (1分当たり2.59Cal) であって平均RMR約1.5は“軽い”に属する。
    8) 東京消防庁 (23区内) の規模別火災発生件数, 出場隊数および出場時間, 消費熱量より, 消防署員の年間1人1日当たり消費熱量を求めると, 年間1日当たり出場時間は約16分, 平均1日当たり消費熱量は90~100Cal, 所要熱量は100~110Calであった。
  • 高校生の発育と栄養摂取量の季節的変化
    磯部 しづ子, 一之瀬 幸雄, 加賀 綾子, 松沢 九二雄
    1964 年 22 巻 5 号 p. 156-163
    発行日: 1964/09/30
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    It is a general trend among Japanese people that in summer the body weight is apt to decrease owing to the poor appetite. Especially in case of the students of the high school who are in the high-teen in age the weight loss in summer is of great concern from a viewpoint of nutrition.
    This paper is to report about a nutrition survey carried out through one year on 51 students of a certain high school in Tokyo.
    In their intakes of energy, fat and vitamin A, seasonal variations were considerably large, especially their calorie intake in summer was on an average about 12% lower than that in autumn and winter, both in boys and girls. Vitamin A intake showed also a significant difference between summer and winter.
    The body weight decrease was remarkable in summer in both the sexes, but they recovered the loss in autumn
  • Alkaline phosphatase, Glutamic-oxaloacetic transaminase, Cysteine-desulfhydrase, β-Glucuronidase の活性度変動に関する研究
    諸岡 信一, 中野 尚子, 三浦 利之, 内田 信之, 奥木 実
    1964 年 22 巻 5 号 p. 164-172
    発行日: 1964/09/30
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    (1) 前報に於いてわれわれは低蛋白飼料に Luteoskyrin を添加した飼料でマウスを長期飼育することによりマウスの肝に腫瘤の発生することを報告した。
    本報告ではこれら腫瘤の発生までに引き起こされる肝の変化を組織学的, 生化学的両面から飼料別, 飼育期間別に正常肝と比較検討した。
    (2) Alkaline phosphatase は全飼育期間を通じて, 標準飼料群のマウス肝細胞の活性度と試験区の肝細胞の活性度との間に顕著な差は認められなかった。また肝の Glutamic oxaloacetic transaminase の活性度も一時期には多少の変動を認めたが飼育期間が長期になるにつれその差は縮小した。
    (3) 飼料に含まれる蛋白量の減少は早期に, マウス肝細胞の cysteine-desulfhydrase の活性度を低下させる。この酵素の低下現象は低蛋白飼料投与群のマウス肝に飼育全期間を通じて維持されるようである。また低蛋白飼料に Luteoskyrin を添加した飼料群のマウス (肝に腫瘤発生) でも同じ傾向を示す。
    (4) β-Glucuronidase の活性度は低蛋白飼料 Luteoskyrin 添加飼料群マウスで飼育中期以後, その活性度は上昇の傾向を示し, 飼育末期に至って幼児期の活性度と近似値を示し, また肝に腫瘤の発生を見たものではさらにβ-Glucuronidase の活性度は上昇するようである。
  • 小畠 義樹, 松野 信郎, 田村 盈之輔
    1964 年 22 巻 5 号 p. 173-177
    発行日: 1964/09/30
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    味噌の類似製品と“とうふ”および“おから”,“凍とうふ”の蛋白質の栄養価を白鼠による動物実験で検討し, 次のような結果を得た。
    1.“無塩みそ”と“低塩みそ”(NaCl 6%) では蛋白質の生物価には差が認められないが,“低塩みそ”を凍結乾燥すると生物価は相当低下するようである。
    2.“とうふ”と“凍とうふ”の生物価はほぼ等しいことが認められ,“おから”の蛋白質の生物価は“とうふ”に比べ相当高い値を示すが, 消化吸収率においては,“おから”の方がかなり低い。
    また,“とうふ”,“おから”,“凍とうふ”の必須アミノ酸を定量したが, N当たりの含量において大きな差異を認めなかった。
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