1. 農繁期における農家の食生活を健全に保つための一助として, 簡便な方法である塩漬および味噌漬によって豚肉を保存し, その保存性を検討し, さらに実際の利用性を検討した。
2. 保存期間中の肉のpHおよび揮発性塩基態窒素量の変動を測定し, また官能試験の結果を総合して, 肉の腐敗鑑別を行なった。
3. 塩漬による場合, 豚肉の15%相当量以上の食塩を使用 (撒塩法) すると30日以上保存できた。
4. 味噌漬による場合の食期は1週間内外であると認めた。
5. 実験農家における15%相当量の食塩を用いた塩漬肉に関する献立記録より, 農繁期間中, 各種調理に十分利用可能であることを知った。
6. これらのことより, 塩漬肉の方が, 味噌漬肉よりも献立に対する利用範囲が広いだけでなく, 保存期間も長く, その操作および経費に関しても簡便であり, 本簡易保存法が, 農家食生活改善の一助となり得ると結論した。
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