栄養学雑誌
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32 巻, 2 号
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  • 第2報
    大島 寿美子, 太田 冨貴雄, 鈴木 慎次郎, 原田 あや, 小松 明美, 長谷川 浩道
    1974 年 32 巻 2 号 p. 53-57
    発行日: 1974年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    This second report presented additional data related to the energy requirements for the severely handicapped, particularly for those lying in bed all day long. Their basal metabolism, daily activities and usual food intake were measured.
    Average body weight, basal metabolism and energy intake measured were 15.3kg, 26.3Cal/hr, 1010Cal/day, for boys aged 10.9 years, and 20.1kg, 29.4Cal/hr, 1081Cal/day for girls aged 10.1 years respectively.
    The calorie consumption per day for those lying down is estimated to be 10% above their basal metabolism per day and for those lying and sitting above 20%.
  • PCBの毒性とビタミンA
    印南 敏, 東条 仁美, 宇津木 良夫, 中村 敦子, 永山 スミ子
    1974 年 32 巻 2 号 p. 58-66
    発行日: 1974年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    PCBの毒性と栄養条件との相互関係を明らかにし, PCBの毒性発現を最小にする栄養条件を見出すことを目的として, まずPCBの毒性に対するV. Aの影響を検討した結果, 正常飼料中に含まれる量の約10倍量のV. A添加で, PCB投与によって起る成長抑制をかなり防止することを見出したが, 毒性発現のその他の徴候である肝臓肥大, 血清脂質の上昇に対しては抑制的というよりはむしろ促進的な傾向を有し, 腎重量の減少に対しては抑制的に働いているような結果が得られた。
    肝臓の組織学的検査の結果はPCB投与群において個々の細胞に肥大がみられ, かっ周辺帯と思われる部分に大きな脂肪滴の出現をみた。PCB+V. A添加群においては脂肪滴がPCB投与群よりやや増加している傾向がみられたが, 細胞の肥大の程度はPCB投与群よりやや軽いようであった。
    なお, PCBを0.1%含む飼料にメチオニンを0.5%添加したが, PCBによる成長抑制や肝臓肥大, 血清および肝臓脂質の上昇を防止する効果はみられなかった。
  • 第1報
    田村 盈之輔, 松野 信郎, 新関 嗣郎, 岩谷 昌子
    1974 年 32 巻 2 号 p. 67-74
    発行日: 1974年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    発育期の白ネズミを用い, 低蛋白栄養の際におこる血漿アミノ酸パターンや血漿アミノ酸比の変動に及ぼす飼料中の摂取カロリー, 脂肪, 糖質等の影響を検討した。その結果はつぎの如くである。
    1) 白ネズミに, 低蛋白, 高脂肪飼料を自由食として投与した際には, 高糖質飼料投与白ネズミに比し, 血漿遊離アミノ酸では, バリン, セリン, オルニチンの低下, プロリン, タウリンの増加が認められた。
    2) 白ネズミに等N摂取量とし, 低カロリー飼料または, 高脂肪飼料を投与した際には, 高糖質飼料を投与した白ネズミに比し, 必須アミノ酸では, 血漿中のロイシン, インロイシン, バリン, フェニルアラニンの増加, リジンの減少が認められ, 非必須アミノ酸では, プロリン, タウリンの増加, セリン, オルニチンの減少の傾向が見られた。また, 低カロリー飼料投与の際には血漿スレオニンの低下が見られた。いずれの場合も Whitehead の血漿アミノ酸比の低下が見られた。
    3) 低蛋白飼料中の糖質の種類による白ネズミ血漿アミノ酸に及ぼす影響については, 庶糖群ではデン粉群に比し, リジン, アルギニン, ヒスチヂンの低下, 非必須アミノ酸のプロリン, グリシンの低下の傾向が見られた。ブドー糖群では, デン粉群に比し, 分岐鎖アミノ酸, フェニルアラニンに低下の傾向, 非必須アミノ酸では, チロシン, アラニン, グリシン, セリンの低下の傾向が認められた。
  • 武藤 静子, 鈴木 真喜子
    1974 年 32 巻 2 号 p. 75-81
    発行日: 1974年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    In order to observe the effect of feeding a diet rich in milk or soy on the serum cholesterol level of the growing rat, a 12-week animal experiment was conducted. Newly weaned rats were divided into 5 groups: BB group fed on the basal diet (B diet), MM group on a diet replacing 70% of the basal diet with whole milk powder (M diet), SS group replacing 70% of the basal diet with soy-bean powder (S diet) throughout the experimental period, and MS group gradually shifted from M diet through MS diet (a mixture of M and S diets) to S diet and SM group shifted vice versa.
    Health condition, food intake, and weight gain as a whole did not show any significant difference among groups, showing that a somewhat smaller weight gain of SS and SM groups which was perhaps due to a slightly lower intake of the S diet at an early stage was compensated by a somewhat higher food intake and a slightly larger weight gain at the later stage. On the other hand, whlie the serum cholesterol level of the BB group did not significantly change throughout the whole period, the level of other groups rose significantly at the 4th week and was followed by a significant fall at the 8th week in SS and SM groups, and at the 12th week in MM and MS groups, the decline only significant for the MM group. Accordingly, the serum cholesterol value at the 12th week resulted in about the same level of around 70mg% in all 5 groups. Serum triglycerides, total serum protein, and the electrophoretic pattern of serum protein remained within the normal range throughout the experimental period.
  • 昭和46年11月におけるセンター方式学校給食の摂取蛋白質のアミノ酸組成について
    遠藤 みたみ, 吉田 幸弘, 鈴木 義行, 吉田 勉
    1974 年 32 巻 2 号 p. 82-88
    発行日: 1974年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    東京都下三多摩地区の小学校で実施されている給食について, すでに単独校方式の場合を調査し, ひき続いて, センター方式で行っている1市1町の昭和46年6月における調査結果をも報告した。今回は, センター方式給食の同年11月における, 蛋白質の摂取量や栄養価の内容を調べ, 前回の6月の結果と合わせて, 今後の栄養指導の指針とするために検討を行った。
    1) CセンターおよびDセンターとも蛋白質の所要量, および必須アミノ酸の必要量は満たされていた。
    2) プロテンスコアは, Cセンター79, Dセンター75で, 第1制限アミノ酸はいずれも含硫アミノ酸であった。6月の値は両センターとも同じ76であったため, 6月と11月の平均値では, Cセンター78, Dセンター76となった。
    3) E/T比は, Cセンターが2.52, Dセンターが2.48で, 6月の値とほとんど差はなく, 6月と11月を平均すると, Cセンター2.51, Dセンター2.47であった。
    4) ケミカルスコアのうち, 卵価は, Cセンター68, Dセンター66で, 制限アミノ酸はいずれも含硫アミノ酸であった。6月の値は両センターとも67で, 6月と11月を平均するとCセンター68, Dセンター67であった。
    5) 同じく人乳価は, Cセンター88, Dセンター89で, いずれも第1制限アミノ酸はトリプトファンであった。6月の値とはほとんど差はなく, 6月と11月を平均すると, Cセンター88, Dセンター89であった。
    6) おおむね, 6月に比べて11月の方が, 両センター間の差が少ない傾向にあった。
  • 食品禁忌について
    荒井 基, 鈴木 ひろこ, 真田 成子
    1974 年 32 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 1974年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    (1) 全国124カ所の保健所の母親学級に参加した5,318名の妊婦・授乳婦について1970年と1971年において妊婦・授乳婦に関する食品禁忌のアンケート調査を実施した。回答した者は4,021名で回収率は75.6%であった。
    (2) 回答者の54%が1つ以上の禁忌食品を知っており, 1人当り平均2.0件となる。
    (3) 年令の多い者が若い者より多くの禁忌食品を知っていたが, 事務従事者, 商業, 農業に従事している者の間に差はなかった。
    (4) 地方別の禁忌食品の知悉度をみると, 北海道においては他の地方より禁忌食品を知っている者が多かった。
    (5) 禁忌を実行する者は教育程度が高くなるにつれて減少している。
    (6) 禁忌食品として挙げられたものは動物性食品71種, 植物性食品94種, 香辛・嗜好性食品22種, その他25種, 合計212種であった。
    (7) いか, たこ, 柿, なす, 香辛刺激性食品, コーヒー, アルコール性飲料などが出現頻度が高く, また頻度はあまり高くはないが, 栄養価の高い食品, かぼちゃ, 獣肉, そば, みかんなどが禁忌されていた。
    (8) 食品禁忌はその食品が多く生産される地方において高い頻度で禁忌されている傾向がみられた。
  • 食品の禁忌理由及び推奨されている食品
    荒井 基, 鈴木 ひろ子, 真田 成子
    1974 年 32 巻 2 号 p. 96-102
    発行日: 1974年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
    (1) 禁忌食品に対する禁忌理由は動物性食品, 植物性食品に関しては医学や栄養学的知識に基づいて成立したと考えられるものは少く, 従って信憑性に乏しいものが多かった。
    (2) 香辛・嗜好性食品に関する禁忌理由は, 迷信的なものと言うよりも医学や栄養知識と結びついたものが多かった。
    (3) 不合理な禁忌理由であるにも関らず, 禁忌を守る者が (2, 3の食品を除いて) 40%以上であることは, 今後栄養指導の問題としてとりあげる必要がある。
    (4) 推奨食品は動物性食品49種, 植物性食品67種, その他の食品34種, 合計150種で禁忌食品よりもその種類が少なかった。
    (5) 推奨食品は出現頻度は昔から言い伝えられてきた食品よりも, 栄養知識の普及した結果と考えられる牛乳, 小魚, レバーなどにおいて高い傾向がみられた。
    (6) 推奨理由は禁忌理由にみられたような不合理なものは少く, 大部分妥当性のあるものとみなされたが, 推奨理由を知らない者も多かった。
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