発育期の白ネズミを用い, 低蛋白栄養の際におこる血漿アミノ酸パターンや血漿アミノ酸比の変動に及ぼす飼料中の摂取カロリー, 脂肪, 糖質等の影響を検討した。その結果はつぎの如くである。
1) 白ネズミに, 低蛋白, 高脂肪飼料を自由食として投与した際には, 高糖質飼料投与白ネズミに比し, 血漿遊離アミノ酸では, バリン, セリン, オルニチンの低下, プロリン, タウリンの増加が認められた。
2) 白ネズミに等N摂取量とし, 低カロリー飼料または, 高脂肪飼料を投与した際には, 高糖質飼料を投与した白ネズミに比し, 必須アミノ酸では, 血漿中のロイシン, インロイシン, バリン, フェニルアラニンの増加, リジンの減少が認められ, 非必須アミノ酸では, プロリン, タウリンの増加, セリン, オルニチンの減少の傾向が見られた。また, 低カロリー飼料投与の際には血漿スレオニンの低下が見られた。いずれの場合も Whitehead の血漿アミノ酸比の低下が見られた。
3) 低蛋白飼料中の糖質の種類による白ネズミ血漿アミノ酸に及ぼす影響については, 庶糖群ではデン粉群に比し, リジン, アルギニン, ヒスチヂンの低下, 非必須アミノ酸のプロリン, グリシンの低下の傾向が見られた。ブドー糖群では, デン粉群に比し, 分岐鎖アミノ酸, フェニルアラニンに低下の傾向, 非必須アミノ酸では, チロシン, アラニン, グリシン, セリンの低下の傾向が認められた。
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