栄養学雑誌
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42 巻, 4 号
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  • 高橋 徹三
    1984 年 42 巻 4 号 p. 213-223
    発行日: 1984年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 芳賀 文子, 小峰 洋美, 近藤 栄昭, 鍬野 信子
    1984 年 42 巻 4 号 p. 225-234
    発行日: 1984年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    酒石酸カリウム, クエン酸二カリウム, 塩化カリウムを添加した大根煮, ホワイトソースの調理食品, ならびにホワイトソースと同調味濃度の調味水溶液に対し, 官能テストを行い, K塩の調味効果について検討を試み, 次のような結果を得た。
    1) 試料に用いたK塩の味覚の特徴は, 酒石酸カリウムは塩辛味, 酸味, 苦味, 渋味いずれも弱く, クエン酸二カリウムは酸味が強く, 塩化カリウムは苦味が特に強かった。
    2) K塩を調味料として添加した大根煮では, K塩の味覚の特徴がストレートに感じられ, 全ての試料に有意の差がみられた。調味水溶液でも同様の傾向であった。しかし, ホワイトソースでは, 有意の差はなく, これらK塩の味の発現が抑制された。
    3) Kを必要とする患者に対し, 食事による補給の方法として, K塩を調理食品に添加する場合, 芳香性の食品, 油脂類, たん白質性食品を使用し, 不快味に対するマスク作用をはかったり, 呈味性の弱いK塩を用いたほうがよいように思われた。
    4) 塩化カリウムは, 塩辛味はあるが, 苦味が強く, 酒石酸カリウム, クエン酸二カリウムは塩辛味は弱く, 実験に供したK塩の食塩代替性は乏しかった。
  • 山田 尚, 鬼頭 陽子, 板津 武晴, 石黒 泰男, 北川 祐子, 桜井 た〓
    1984 年 42 巻 4 号 p. 235-240
    発行日: 1984年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    A qualitative and quantitative gustometric testing method using the filter paper disc on sweet, salty and sour tastes was evaluated in 30 patients with diabetes mellitus (type II, NIDDM) and in 30 healthy subjects (volunteers) in our hospital.
    The following results were obtained in this study.
    1) The threshold of salty and sour tastes in diabetic patients obviously elevated in contrast to those in healthy subjects.
    2) The total score which was calculated by the sum of each score about sweet, salty and sour tastes, significantly lowered in diabetic patients (diabetes vs healthy; 18.5±8.9 vs 27.4±9.6, p<0.01), especially so in the patients with complications with microangiopathies (diabetes vs healthy; 13.1±11.7 vs 27.4±9.6, p<0.01).
    3) Patients who have been afflicted with diabetes for more than 10 years show the lower total scores of three tastes compared to those who have suffered the disease for less than 10 years (more than 10 years vs less than 10 years; 11.0±10.5 vs 20.6±7.2, p<0.01).
    4) The total scores rose considerably in some of diabetic patients after the improvement of fasting blood glucose levels by diet alone (before vs after; 16.5±8.3 vs 23.0±6.6, p<0.01).
    It is concluded that the gustometric testing method using the filter paper disc may be useful in clinical evaluation of the taste impairment in patients with diabetes mellitus.
  • 松本 仲子, 福田 加代子
    1984 年 42 巻 4 号 p. 241-246
    発行日: 1984年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    寮生を対象に, 0.6%塩分添加清汁, 0.8%塩分添加味噌汁を供して, 低塩味に慣れるのに要する日数について, 7段階の評点法を用いて官能検査により検討した。
    1) 当初パネルの約60%が供された汁の塩分濃度に対して, 非常にうすい, うすい, ややうすいと回答したが, 5日目ではこれが30%, 10日目では10%となり, ほぼ10日で低塩味に慣れることがわかった。
    2) 低塩味への嗜好の移行は, 急激なものではなく, 10日間で7段階評点法によるうすいからややうすいへのように, 1ランク移行する傾向がみられた。
    3) 低塩味へ嗜好が定着した後, 70日間の夏期休暇, 20日間の冬期休暇中, 濃い味の環境におかれた場合, 低塩味嗜好へ復帰するのに要する日数は, 夏期休暇後は約10日を要したが, 冬期休暇後では直ちに低塩味に順応することができた。
  • PMD患者の基礎代謝について
    臼谷 三郎, 西山 邦隆, 木田 和幸, 山内 登, 苅谷 克俊, 秋元 義巳, 森山 明夫
    1984 年 42 巻 4 号 p. 247-254
    発行日: 1984年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    PMD患者のエネルギー所要量を算定する方法を検討するために, その構成要素としてのBMを, 対照患者20人を含めた55人について測定し, 次の結論を得た。
    1) 一般入院患者のBMは, 正常範囲に分布する者が多かったのに比べて, PMD患者は低下例が53.1%を占め, 亢進例は6.3%にすぎず, %BMRの平均は基準値の11%減となった。
    2) これまでPMD患者のBMは, 基準値と同じか, あるいは亢進するとの報告があるが, これは, 対象患者集団の平均体重偏差値の大小による現象的差異にすぎないことを明らかにした。
    3) 体重偏差値 (x) と%BMR (y) との相関分析の結果, 両者間には有意の相関が認められ, 前者に対する後者の回帰直線はy=-0.974x+175.4が成立した。
    4) 上記の回帰直線から, 日本人のBM基準値に対応する標準人と, 同一体重を有するPMD患者のBMは, 基準値に比べて低下するので, PMD患者のBMは本質的に低いと理解すべきであろう。
    5) PMD患者の肥痩度や Kaup 指数と%BMRとの間には有意の逆相関が認められたが, 機能障害度や血清CPKとの間には明らかな関係は認められなかった。
    以上から, CPK患者のるい痩化現象に注目するあまりに, 全てのPMD患者のBMが亢進しているかのような錯覚に基づいて集団栄養や栄養指導を行うことの危険性を指摘し, 個別的対応が不可欠であることを強調して結論とする。
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