栄養学雑誌
Online ISSN : 1883-7921
Print ISSN : 0021-5147
ISSN-L : 0021-5147
51 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 安本 教傳
    1993 年 51 巻 1 号 p. 3-10
    発行日: 1993年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 白木 まさ子, 深谷 奈穂美
    1993 年 51 巻 1 号 p. 11-21
    発行日: 1993年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    浜松市内の小学生618人 (4年生204人, 5年生190人, 6年生224人, 性別では男子308人, 女子310人) を対象に, 食品の摂取状況と自覚症状の訴え及び食事の楽しさに関するアンケート調査を実施した。
    1) 12食品のうち, 緑黄色野菜, 肉, 豆製品, いもは“よく食べる”者が, また清涼飲料は“ほとんど飲まない”者が5, 6年生より4年生に多かった。淡色野菜は“よく食べる”者が男子より女子に多かったが, 卵, 牛乳, 肉, インスタント食品及び清涼飲料は男子の摂取頻度が高かった。
    2) 自覚症状の項目別訴え率は“風邪をひきやすい”が21.4%,“疲れやすい”が64.8%,“虫歯が多い”が12.4%,“お腹をこわしやすい”が21.6%,“熱が出やすい”が7.7%であった。
    3) 自覚症状の訴えのない子どもは, 朝食を毎日食べている割合が高く, また野菜・果物の摂取点数及び栄養バランス得点が高かった。
    4) 食事の楽しさに関連の大きい要因は, (1) 夕食の共食者, (2) 食事中の会話, (3)食事の手伝いの頻度であった。夕食を家族揃って食べる, 話をしながら食事をする, いつも食事の手伝いをするの各カテゴリーは食事を楽しくするほうへ寄与していた。
    5) 大人と一緒に夕食を食べる, 話をしながら食事をする, いつも食事の手伝いをする, 外遊びが好きと答えた子どもは, 栄養バランス得点が有意に高かった。
  • 広島県内市街地5~6年生の場合
    岸田 典子, 上村 芳枝
    1993 年 51 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 1993年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    学童376人に, 食事中の家族との会話の有無 (以下, “有り”を会話群, “無し”を非会話群とする) と健康・生活の規則性・食生活との関連について, 質問紙法により調査を行い, 次のような結果が得られた。
    1) 健康についてみると, 会話群は非会話群に比べ, 食欲がある, 朝の目覚め良好, だるいことはない, 夜よく眠れる, 風邪をひきにくい, イライラしない, 非常に健康なほう, 健康良好, 起立性調節障害症状無しなどの割合が高く, 食事中の家族との会話と健康との関連がみられた。
    2) 生活の規則性に関して, 起床・就寝・排便・間食時刻などが規則的で, 朝食を毎日食べる, 運動を毎日するなど, いずれも会話群のほうに割合が高かった。
    3) 食生活では, 料理や6つの基礎食品群の組み合わせがよい, 野菜をよく食べる, 給食外で牛乳を飲む, 食べ物の好き嫌いがない, 間食量を決めている, 清涼飲料水を飲まないなどについて, 会話群のほうに割合が高かった。
  • 里内 美津子, 若林 茂, 大隈 一裕, 藤原 啓子, 松岡 瑛
    1993 年 51 巻 1 号 p. 31-37
    発行日: 1993年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    難消化性デキストリン (PF) の便通に及ぼす影響について検討する目的で, PF摂取後の糞便重量, 糞便水分量, 排便状態, 便性状, 胃腸症状等について調べた。
    1) PF10~60g摂取後の便性状は大半がバナナ状~半練状であり, 下痢発症のED50値は2.4g/kg体重と推定された。また, 臨床上問題となるような胃腸症状は認められなかった。
    2) PF35g/日, 5日の連続摂取で, 糞便重量, 排便回数の増加が認められたが, 糞便水分含有率は変化がみられなかった。
    3) PF5~10g/日, 5日の連続摂取で, 排便状態の改善が認められた。
  • 伊藤 至乃, 天野 幸子, 殿塚 婦美子
    1993 年 51 巻 1 号 p. 39-52
    発行日: 1993年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    母子を組 (429) にして児童及び母親の食事に対する意識や態度を調査した結果, 次のことが明らかになった。
    1) 児童の家の食事と給食の満足, 不満足の主な要因は, 食事の内容と食卓を囲む人間関係や食事をつくる人とのコミュニケーションの問題であることが明らかにされた。家族や友だちと一緒に食べることや食事づくりの手伝いは, 満足度を高める要因である。ただし給食当番は, 家庭での手伝いほど満足度に影響を与えていなかった。
    2) 食事に満足している母親は, 家族と密なコミュニケーションがあり, 食事づくりにかける時間が長い。
    3) 子どもの意識や態度を通しての母親の意識や態度の観察では, 次の3点に違いがみられた。
    (1) 家の食事に満足している子どもの母親は, 献立に子どもの嫌いな物を考える時に工夫をし, 食事づくりに時間をかけていた。
    (2) 手伝いをよくする子どもの母親は, 手伝いの期待が高かった。
    (3) 食べ物の好き嫌いが少ない子どもの母親は, 献立に子どもの嫌いな物を考える時に, 好き嫌いは考えないと工夫しているとに分かれた。好き嫌いを考えない母親は, 家族とのコミュニケーションが親密であり, 互いの期待に応えようとする態度がうかがわれた。
    (4) 母親の意識・態度を通しての子どもの意識・態度の観察では, 子どもの嫌いな物に対する態度にのみ違いがみられた。子どもが嫌いな物を食べ残した時に何もいわない母親の子どもは, 家の食事に不満足で好き嫌いがあり, 食事も残す。このような母親の子どもに対する消極的な態度とコミュニケーション不足が, 子どもの食事に対する意識や態度に反映されていた。
feedback
Top