【目的】地域在住高齢者のビタミン摂取量分布を観察し,摂取量評価や栄養計画がまだ十分に実践されていないビタミン群(α-カロテン,β-カロテン,β-カロテン当量,クリプトキサンチン(以下Cry),葉酸,V.B
6,V.B
12,V.E,パントテン酸)と,従来から評価されてきたビタミン4種(V.A, V.B
1, V.B
2, V.C)との相関を観察し,栄養計画の効率化を検討する。
【方法】健康な地域在住高齢者242人を対象に,隔日4日間の食事を調査し,ビタミン摂取量の分布,分布を正規化する変換係数,個人内分散と個人間分散の分散比を観察した。ビタミン間の関連はデータを正規化後,エネルギーを調整した偏相関係数で評価した。
【結果】不足者割合が高かったのは,V.A, V.B
1, V.B
2, V.B
6, V.Cであった。個人内/個人間の分散比はV.D,V.B
12 で男女とも高値,V.K,葉酸,V.C,は男性で低値,V.B
2 は男女とも低値であった。次にV.B
2 の摂取量はV.B
6,葉酸,パントテン酸の摂取量と相関が高く,V.CはV.K,V.B
6,葉酸との相関が高かった。V.AとCryの相関は低かった。
【結語】偏相関係数の観察から,4種のビタミンを増やすよう食事計画すると,β-カロテン,レチノール,V.K, V.B
6,葉酸,パントテン酸の摂取増加が期待できるが,Cry, V.D, ナイアシン,V.B
12 に関しては独立した食事計画が必要であることが示唆された。
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