【目的】幼児を持つ父親の食に関する家事参画の促進に向けて,食に関する家事参画と関連する認知と就労状況を検討することを目的とした。
【方法】2022年11月,幼児を持つ共働き世帯の父親500人を対象にインターネット調査を実施した。食に関する家事の分担,食に関する家事に対する認知,就労状況をたずねた。食に関する家事の分担から算出した父親の食に関する家事参画得点と認知および就労状況の関連を検討するために,重回帰分析を実施した。
【結果】子どもからみた祖父母と同居の37人を除く核家族世帯の父親463人を解析対象とした (解析対象率:92.6%)。食に関する家事を「配偶者の帰りが遅いなど,必要な時に行う自信がある」と考える者 (β=0.238,p<0.001),「自分にとって楽しいことだ」と考える者 (β=0.154,p=0.001),「『母親』の責任である」と考えない者 (β=-0.142,p=0.001),就労時間が短い者 (β=-0.207,p<0.001),在宅勤務頻度が高い者 (β=0.162,p=0.001) ほど,食に関する家事に参画していた。
【結論】食に関する家事への自信や責任感等がある,就労時間が短い,在宅勤務頻度が高い父親は食に関する家事に参画していた。父親の食に関する家事に対する認知を向上する支援に加え,長時間労働の是正や在宅勤務等の柔軟な働き方の促進が必要であることが示唆された。