肝臓
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26 巻, 1 号
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  • 松山 泰久, 小俣 政男, 横須賀 収, 今関 文夫, 田川 まさみ, 伊藤 よしみ, 内海 勝男, 森 順子, 田中 晶子, 広田 勝太郎 ...
    1985 年 26 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    組み換え体HBV DNAを使用し“spot test”;によって,主としてB型慢性肝炎患者血清を対象に,血中HBV DNAの検索を行った.血清10μlを直接ニトロセルロース紙に滴下する方法により高い感度を得たが,血清100μl中より核酸を抽出し,その溶解液を検索することにより,更に感度を向上することができた.HBsAg持続陽性者240名中,HBeAg陽性では93.1% (108/116), HBeAg, anti-HBe共に非陽性では34.5% (10/29), anti-HBe陽性では15.8% (15/95)が血中HBV DNA陽性であり,HBsAg陰性者中にも“spot test”陽性者が4名存在した.HBeAg陽性で血中HBV DNA陰性,anti-HBe陽性で血中HBV DNA陽性とHBeAg/anti-HBe系と血中HBV DNAの有無の間には解離があり,それは組織学的にnonspecific changeの症例では認められず,病変の進行と共に増加する傾向があった.すなわち,進行した病態では,血中のHBV DNAはHBeAg/anti-HBe系では規定しえないと考えられる.
  • 小俣 政男, 横須賀 収, 松山 泰久, 今関 文夫, 伊藤 よしみ, 内海 勝夫, 森 順子, 奥田 邦雄
    1985 年 26 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    B型肝炎ウイルス類似ウイルスであるアヒルB型肝炎ウイルス(DHBV)の感染実験において,その接種時期とキャリアー感染の関連を検討した.DHBV-DNA陽性血清50μlを20羽の孵化直後のアヒル,4羽の孵化後3週,及び3羽の孵化後3ヵ月のアヒルに腹腔内に接種した.孵化直後のアヒル全例に200日以上のウイルス感染持続(血中,肝内のHBV-DNAの存在)が認められたが,他の7羽では,1羽を除いては一過性感染のみであった.同時に施行した血清のtitration studyでは10-7まで感染の成立が認められた.
  • 袖山 健, 赤羽 賢浩, 清沢 研道, 和田 秀一, 野村 元積, 宜保 行雄, 三浦 正澄, 長田 敦夫, 古田 精市
    1985 年 26 巻 1 号 p. 11-19
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    組織学的に診断した成人の無症候性HBsAg carrier83例を12~122ヵ月間,平均46カ月間経過観察し,臨床経過とHBe抗原抗体系の推移との関連につき検討した.その結果,経過観察開始時HBeAg陽性の30例中14例では,経過観察期間中に明らかな肝障害の発現がみられた.この14例中4例は,肝障害発現を契機にHBeAgからanti-HBeへseroconversionし,その後の肝機能検査は正常値で経過した.また,14例中女性例は2例であったが,この2例ともseroconversion例に含まれていた.肝組織像の推移を検索しえた肝障害発現例11例では,1例が4.5年で肝硬変に,4例が2~8年で慢性肝炎活動性に進展したが,肝障害発現を契機にantiHBeへのseroconversionのみられた3例では肝障害時には活動性を示したもののその後の肝組織像は非活動性の像に改善し,特に女性の1例では初回と同様の非特異反応の像を呈した.観察開始時anti-HBe陽性の50例からは明らかな肝障害の発現はみられなかった.
  • 奥新 浩晃, 山田 剛太郎, 真鍋 康二, 兵頭 一之介, 藤木 茂篤, 西原 隆, 水野 元夫, 木野山 真吾, 坂本 裕治, 長島 秀夫
    1985 年 26 巻 1 号 p. 20-27
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    HBe抗原陽性のB型慢性肝疾患患者のうち,経過中特別な薬物(IFN, Ara-A, OK-432)投与やrebound作用を利用したsteroid療法,SNMC大量療法を施行していない87例を対象とし,HBe抗原・抗体系を最長12年間,平均4.1年間追跡した.seroconversionの判定に際しHBe抗体陽性とは,MO法にて陽性あるいはRIA法にてinhibition% 90%以上のものとした.87例中15例(男性8例,女性7例)にseroconversionを認め,生命表法を用い追跡年次(X)と累積非seroconversion率(Y)との間にY=-6.3X+103.3(r=0.977, <0.01)の回帰直線が得られ,平均年間naturai seroconversion率は5.7%と考えられた.seroconversion時平均年齢は35.4歳で,また,女性の方が男性に比し発症からseroconversionまでの平均期間が短く(p<0.01), seroconversionし易い傾向が認められた.seroconversionまでのSGPTの経時的変動をみると,急性増悪の年間平均回数が多い群の方が少ない群に比し発症からseroconversionまでの平均期間が短いことが統計学的に認められた(<0.05).
  • 斉藤 光則, 房本 英之, 永野 公一, 吉原 治正, 松村 高勝, 林 紀夫, 佐藤 信紘, 鎌田 武信
    1985 年 26 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    急性肝障害におけるブドウ糖経口投与の意義を肝内での糖利用動態ならびにエネルギー代謝動態の面より明らかにするため,ガラクトサミン肝障害ラットに40%ブドウ糖液3mlを4時間毎に経口的及び非経口的に投与し,経時的に血糖値とともに肝内のglucose量,glucose-6-phosphate量,glycongen量,ATP量,ADP量,AMP量,energy charge量を比較検討した.
    ブドウ糖経口投与群と非経口投与群とでは血糖値に差はみられないが,経口投与群では早期から肝内ATP量やenergy chargeの有意な上昇がみられ,非経口投与群に比し生存率が高かった.非経口投与群では経口投与群に比し肝内glucose量は高値となるが,glycogen量は低い傾向にあり,ATP量の有意な上昇はみられず,energy chargeの上昇も遅延した.以上のことから,急性肝障害におけるブドウ糖経口投与は非経口投与に比し,肝内での糖利用が促進されるとともにエネルギー代謝が改善されて,生存率も高くなることが示唆された.
  • 川上 広育, 中西 敏夫, 末盛 彰一, 渡辺 恭行, 松浦 寿二郎, 吉川 正哉, 川本 広夫, 池本 吉博, 竹崎 英一, 佐々木 正博 ...
    1985 年 26 巻 1 号 p. 33-40
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    各種肝疾患における血清中のtype III procollagen N-peptide (PC-III-NP)濃度をRIA法にて測定し,原発性胆汁性肝硬変ならびに肝細胞癌を中心に検討した.健康成人では血清PC (III)NP値は6.6±2.6ng/mlであった.急性肝炎では急性期では高値(34.1±11.7ng/ml)を示すも回復期(15.6±4.0ng/l)では正常化する傾向を示した.慢性肝疾患では肝の線維化の程度よりも線維化の活動性をよく反映していた.原発性胆汁性肝硬変では35.5±24.3ng/ml,と有意の高値を示し,また,病態の進行に従って増加する傾向を認めたところから本症での上昇機序としてPC (III) NPの胆汁中への排泄障害が示唆された.肝細胞癌では40.6±43.1ng/mlと有意の高値を示したが,血清AFP及びFerritin濃度との相関は認められなかった.しかし,肝腫瘍の占拠率の増大につれてPC (III) NPは増加する傾向を示し,肝癌組織内でのtype III collagenの産生が示唆されたが,腫瘍マーカーとしての意義をもたすには60ng/ml以上が妥当と考えられた.
  • 井上 恒雄
    1985 年 26 巻 1 号 p. 41-50
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    AH 66腹水肝癌を経門脈的にラット肝に移植し,AFP産生性肝癌に対する抗AFP抗体の抗腫瘍効果を検討した.抗AFP抗体の投与は移植直後,5日後および10日後に末梢静脈より行い,経時的に血清AFP値の測定,生存期間,病理的所見などを検討した.
    血清AFP値は抗体2mg投与では対照群と差はなく漸次上昇した.4mg, 8mg投与では4日目に有意に低値であった.生存期間は抗体投与群の抗体の投与量依存性の延長を認め,8mg投与では非投与群およびIgG投与群との間に有意の差を認めた.組織学的には抗体初回4mg投与後の初期例に,肝類洞内の腫瘍細胞に細胞質の濃縮を認めた.また腎には軽微な変化をみるのみであった.
    以上の成績より,抗AFP抗体は遊離肝癌細胞かあるいは微小な肝癌に対して,明らかな抗腫瘍効果をもつものと考えられた.
  • 田中 延善, 加登 康洋, 小林 健一, 服部 信, J.A. Summerfield, H.C. Thomas
    1985 年 26 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    ヒト肝細胞癌由来培養株(PLC/PRF/5)を用いて,Asialoorosomucoid (ASOR)およびAgalactoorosomucoid (AGOR)レセプターの検討をin vivo, in vitroの系で行った.in vivoの検討では,PLC/PRF/5細胞を移植し腫瘍を作成したヌードマウスに,125I-AsoR (1μg)あるいは125I-AGOR (1μg)をエーテル麻酔下に静注した.10分後の腫瘍への取込みは,投与量の0.5±0.2%と極めて低く,さらに肝への血行遮断によるligandの肝取込み阻止によっても腫瘍への取込みは増加しなかった.一方,in vitroの検討では,PLC/PRF/5のmonolayer cellcultureを用い,125I-ASOR, 125I-AGORの特異的結合をそれぞれに特異的に拮抗するgalactose, mannoseにて評価したところ,125I-ASORの結合率は13.6%と低く,125I-AGORでは特異的結合はみられなかった.以上より,PLC/PRF/5細胞では,ASORレセプターが極めて低下していることが明らかとなった.
  • 村田 誠
    1985 年 26 巻 1 号 p. 56-64
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    発癌過程における細胞増殖動態と膵ホルモン環境について,その一端を明らかにする目的で以下の実験を行った.Solt & Farberの発癌モデルを用い,1週目から5週目まで毎週,細胞増殖動態はautoradiographyで解析し,膵ホルモン環境としてinsulinとglucagonの門脈血中と大動脈血中のIRG/IRIおよび大動脈血中のc-AMP/c-GMPを求めた.Cumulative labelling indexは1週目に高く,以後経時的に低下したが,明らかなhyperplastic noduleの出現する4, 5週目に著明に高くなった.中央断面の肝細胞数が50個以下の小さいhyperplasticno duleではcumulative labelling indexが高く,中央断面の肝細胞数が200個以上の大きいhyperplastic noduleではcumulative labelling indexが比較的低く,増殖能の低下がみられた.門脈血中のIRG/IRIとcumulative labelling indexとはよく相関して変化した.
    この事実は,発癌のpromotion段階で膵ホルモンが重要な役割をになっている可能性を示唆していると考えられた.
  • 田辺 高由, 戸部 和夫, 小出 典男, 森近 茂, 土屋 隆宏, 喜田 恵治, 長島 秀夫, 原岡 昭一
    1985 年 26 巻 1 号 p. 65-73
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    超音波パルスドプラ法により肝疾患例の門脈血流を測定し,その血行動態の特徴につき検討した.門脈本幹の左右枝分岐部前の最高血流速度は,血漿ICG消失率との間に有意の正の相関(r=0.773, p<0.01)がみられ,健常対照群に比し肝硬変,原発性肝癌では有意に低下した.門脈本幹左右枝分岐部前の血流量は慢性肝炎,肝硬変で有意の低下を示した.肝硬変と原発性肝癌の各50.0%, 42.9%の症例が門脈本幹起始部から左右枝分岐部前に至る間に20.0%以上の血流減少を示した.各血管の血流量は肝疾患が進展するにつれて脾静脈/上腸間膜静脈比,門脈左枝/右枝比が上昇した.血流方向の検討では肝硬変で20例中1例,原発性肝癌で19例中5例に遠肝性の血流が観察された.本法による門脈血流の解析は肝疾患の病態把握に新分野を展開するものと思われる.
  • 平田 和文, 遠藤 浩, 仁科 恭一郎, 島村 淳之輔, 井上 武紀
    1985 年 26 巻 1 号 p. 74-79
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    99mTc-phytateを用いた通常の肝シンチグラフィの際,同時に肝血流分析を行える簡易な方法を開発し,各種肝疾患における血流動態に検討を加えた.その結果,門脈血成分比(%)は正常(10例)77.7±4.7%,慢性肝炎(12例)67.9±7.4%,肝硬変症(32例)39.0±13.3%と肝硬変症で著明な低下を認めた.50%以下は全て肝硬変症であり,また静脈瘤の有無により有意差を認めた.肝細胞癌4例(全て肝硬変に合併)および転移性肝癌2例では癌部と非癌部に分けて分析し,癌部では両者とも門脈血成分比が著減し肝動脈血の優位を確認した.これに対し,非癌部では肝硬変の有無により門脈血成分比に差を認めた.以上の如く本法によれば非侵襲的かつ簡易に肝血流の分析が可能で,肝疾患の病態把握に有用であった.
  • 津田 寛, 古屋 清一, 近藤 芳夫
    1985 年 26 巻 1 号 p. 80-87
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    胆道閉塞解除後の胆汁分泌に対する胆汁酸利胆の影響を検討するために総胆管結紮黄疸ラットの閉塞を解除して外瘻と為し黄疸解除モデルを作成した.黄疸解除群と外胆汁瘻のみの対照群について2種の胆汁酸(sodium taurocholate: sodium dehydrocholate)の持続負荷時における胆汁流量,bilirubin排泄量及びHCO3-排泄量を測定した.a) 黄疸解除群では対照群に比して胆汁酸刺激による利胆効果がより著明にあらわれた,b) ミセル形成性の胆汁酸(sodium taurocholate)は胆汁中のbilirubin排泄量を著明に増加させた.またミセルを形成しないsodium dehydrocholateの投与ではbilirubin排泄増加は僅かであった.c) 胆汁酸利胆時に胆汁中HCO3-濃度は著明に低下したがHCO3-排泄量には有意の増加が認められ胆管性分泌亢進の可能性が示唆された.以上より,胆汁酸排泄(=合成)が抑制されている胆道閉塞解除後には胆汁酸の補充投与が有効な利胆及び減黄手段となり得ると考えられた.
  • 奥野 忠雄, 瀬戸 良文, 阿部 芳道, 新谷 弘幸, 福井 進, 岡上 武, 瀧野 辰郎
    1985 年 26 巻 1 号 p. 88-94
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    51歳女性にみられたPBCとルポイド肝炎のoverlapした症例を報告した.Raynaud症状,口腔および眼球の乾燥感や全身倦怠感を訴え入院,入院後99mTc-Sn-Colloid, 99mTc-PIシンチグラフィーやERCPにて胆嚢,および胆管の閉塞所見を認めず.Schirmer testおよび唾液腺造影所見よりSjögren症候群と診断される.第1回入院前より黄疸,皮膚掻痒感や黄色腫を認めなかった.GOP, GPT, ALPの軽度上昇を認めるも,血清コレステロール値は正常であった.抗ミトコンドリア抗体(AMA)は陽性.抗平滑筋抗体,抗核抗体,抗DNA抗体,LE cell testはすべて陽性であった.外科的楔状肝生検にてchronic non-suppurative destructive cholangitisの所見と著明なpiecemeal necrosisやbridging necrosisを認め,PBCとCAHのoverlapした所見であった.その後,血清トランスアミナーゼの著高を来し第2回入院となる.ステロイド投与により自覚症状および肝機能検査成績の著明な改善が認められた.AMAの亜型ではanti-M2は陽性であったが,anti-M4は陰性であった.
  • 林 守源, 横井 克己, 森 清男, 中沼 安二, 太田 五六
    1985 年 26 巻 1 号 p. 95-98
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    非閉塞性の円筒状肝内胆管拡張を伴った陳旧性肝内門脈血栓症による前類洞性門脈圧亢進症の1例を報告した.症例は65歳の女性で,10年前よりバンチ症候群と診断され,8年前に胆石症で胆嚢摘出術を受け,2年前より高度の食道静脈瘤を指摘され,吐血が繰り返し起ったため,摘脾と胃周囲の血管結紮を受けたが,術後2個月半で胃穿孔・心不全・腎不全を伴発し,死亡した.肝機能異常は入院中に認められなかった.血管造影にて,左門脈枝の途絶が見られた.剖検所見では肝硬変がなく,肝門部は線維性に拡大し,総肝管から区域胆管の内腔は円筒状に拡張し,組織学的には慢性増殖性胆管炎の像を示した.肝門部において,左右肝内門脈は器質化した血栓により閉塞或いは狭窄され,多数の側副循環路が見られた.門脈閉塞の周辺部胆管に破壊と胆汁の漏出による肉芽腫性炎が見られたので,この胆管炎は門脈閉塞症の1因と考えられた.
  • 品川 孝, 宇梶 晴康, 飯野 康夫, 磯村 伸治, 山口 一, 石塚 正治, 杉浦 信之, 大藤 正雄
    1985 年 26 巻 1 号 p. 99-105
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    最大径2cm未満の小肝細胞癌3例に対して,超音波映像下に純エタノールを腫瘍内に注入しその効果を検討した.3症例はいずれも肝硬変として経過観察中,超音波検査にて発見されたものである.治療後肝切除を施行した1例では,組織学的検索にて腫瘍は完全に壊死となっており,腫瘍細胞の残存は認められなかった.他の2例は血管造影にて濃染像の消失が認められた.このうち1例は8カ月後に再度の血管造影を施行したが濃染像はみられず,再発の徴候は認められない.副作用としては注入時の一過性の疼痛と軽度の発熱がみられたが,臨床上特に問題とならなかった.肝機能検査は治療前後で変動はみられなかった.
    超音波映像下腫瘍内エタノール注入療法は小肝細胞癌に対して有効な治療法であり,根治性の可能性が示唆された.
  • 兵頭 一之介, 山田 剛太郎, 西原 隆, 真鍋 康二, 奥新 浩晃, 藤木 茂篤, 水野 元夫, 木野山 真吾, 坂本 裕治, 長島 秀夫
    1985 年 26 巻 1 号 p. 106
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 純夫, 宮崎 招久, 浪久 利彦, M. James Phillips
    1985 年 26 巻 1 号 p. 107
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 子供に対するHB vaccineの適応
    広田 俊子, 大野 尚文, 日野 寿子, 矢野 和則
    1985 年 26 巻 1 号 p. 108
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • パネルディスカッション:画像診断と病理形態
    1985 年 26 巻 1 号 p. 109-132
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
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