肝臓
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37 巻, 12 号
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  • 転移癌細胞の検出と今後の展望
    白鳥 康史
    1996 年 37 巻 12 号 p. 685-687
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 金子 晃, 加藤 道夫, 藤本 研治, 石田 永, 今村 恵理子, 白井 裕子, 朴年 済, 道田 知樹, 林 暢彦, 山本 佳司, 黒澤 ...
    1996 年 37 巻 12 号 p. 688-695
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    非B非C型慢性肝疾患の臨床像を自己免疫の観点から検討した.自己免疫性肝炎,原発性胆汁性肝硬変は診断基準より除外し,アルコール性肝障害,薬剤性肝障害,脂肪肝などに起因する肝障害も除外した.対象50例中抗核抗体(ANA)陽性率算出の対象となった41例における陽性率は63.4%と高率であった.ANA陽性群は女性優位,トランスアミナーゼ優位の肝障害などの点で自己免疫性肝炎(AIH)群と類似しており,ANAの染色パターンも類似していた.ANA陽性群には,陰性から経過中に陽転した症例が6例認められ,1例はAIHと診断されステロイドにより著効が得られた.また,AIH群でもANAが経過中陽転した,非B非C型慢性肝疾患からの移行例と考えられる症例が4例認められ,非B非C型慢性肝疾患の中にはAIHの不全型または前段階と考えられる症例が含まれているものと考えられた.さらに,AIHの国際基準では,ANA陽性群の84.6%,陰性群の68.4%がprobable以上と判定され,自己免疫の関与が疑われる症例が多く含まれているものと考えられた.ANA陽性群のうちステロイド投与の2例は著効,UDCA投与の5例中1例は著効,2例は有効であり有効な治療法として期待できるものと考えられた.
  • 1985年以降本邦発症例との比較について
    杉原 綾子, 岩田 信生, 中村 裕美子, 瀬戸 良文, 大歳 健一, 垣下 榮三
    1996 年 37 巻 12 号 p. 696-703
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    今回我々は,母児ともに救命し得た急性妊娠脂肪肝の5症例を経験したので報告する.全例初産婦で,中等度の肝障害および凝固障害をきたし,本症として矛盾のない臨床所見を呈していた.症例1を除く4症例で,新鮮凍結血漿および蛋白分解酵素阻害剤を併用しながら帝王切開術を施行した.症例3を除く4症例で,病理組織学的診断を施行し得た.
    本邦報告例における生存率は,1985年から1995年の11年間では,1984年以前のそれに比較して改善傾向を示していた.妊娠末期の肝障害に対しては,本疾患の発症を常に予測し,急速遂娩にて妊娠の終了を図ることが母児の救命のためには重要であると考えられた.
  • 中島 収, 渡辺 次郎, 田中 将也, 福倉 良彦, 神代 正道, 黒肱 敏彦, 才津 秀樹, 足達 明, 鍋島 紀滋, 三浦 賢佑
    1996 年 37 巻 12 号 p. 704-713
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    慢性アルコール性肝障害の経過観察中にみられた肝の過形成結節5例について臨床病理学的研究をおこなった.全例が経過観察中に超音波診断で肝の結節性病変を指摘されている.B型,C型肝炎ウイルスは検索されたものはいずれも陰性で,AFPも正常範囲であった.血管造影では結節に一致してhypervascularityあるいはstainを認めた.これらの結節はいずれも画像診断や肝生検で肝癌と診断され切除されている.肉眼的には径10mm前後の小結節であり,うち3例が被膜を伴っていた.結節内には星芒状の線維性瘢痕組織がみられ,この瘢痕組織内には動脈様あるいは静脈様血管と細胆管の増生を認めた.結節部の肝実質細胞は種々の程度の過形成を示していた.
    病因は不明であるが,局所的な血行動態の異常による肝実質の限局的な過形成によるものと思われる.
  • Western blot法による解析
    阿部 和裕
    1996 年 37 巻 12 号 p. 714-722
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    原発性胆汁性肝硬変(PBC)においてELISA法によるIgMクラス抗M2抗体測定系を新たに開発し,本抗体の血清診断学的意義を検討した.臨床病理学的にPBCと診断された139例を対象に,蛍光抗体間接法による抗ミトコンドリア抗体(AMA), ELISA法によるIgGクラスM2抗体,およびIgMクラス抗M2抗体価を測定した結果,陽性率は各々75.5%, 65.5%, 82.7%と,IgMクラス抗M2抗体が最も高率であった.IgMクラス抗M2抗体は,対照とした健常成人,自己免疫性肝炎,ウイルス性慢性肝炎や各種膠原病疾患では検出されなかった.さらに,対象139例中,AMAやIgGクラス抗M2抗体が検出されず,IgMクラス抗M2抗体のみが陽性であった17例の全例でWestern blot法によって,M2主要対応蛋白が少なくとも1つ以上検出された.
    PBC,とくにAMA陰性例の血清診断には,Western blot法によるM2主要対応蛋白の検出が求められるが,今回開発したELISA法によるIgMクラス抗M2抗体の検索は,より簡便であり,Western blot法の成績とよく相関したことから,PBCの血清診断に極めて有用であると考えられた.
  • 南部 かおり, 西田 均, 高場 利博, 三田村 圭二
    1996 年 37 巻 12 号 p. 723-730
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    進行した肝硬変や肝細胞癌合併肝硬変に併発した治療抵抗性の難治性腹水例に対し,Denver peritoneovenous shunt (Denver Biomaterials社製,以下Denver PVS)を留置し,その有用性及び合併症について検討した.対象:昭和大学病院第2内科にてDenver PVSを留置した非代償性肝硬変8例(HCV抗体陽性5例,アルコール性1例,うっ血性1例,原発性胆汁性1例)で,年齢は39歳から74歳(m±SD=55.6±11.4歳),性別は男性4例,女性4例である.PVS留置前の合併症として肝細胞癌を4例に,慢性腎不全(人工透析中)を1例に認めた.結果及び考察:腹水はPVS留置早期より減少し,著明な症状の改善がみられ,肝,腎機能に著明な影響はなく,quality of life (QOL)の改善が得られた.しかし生存期間の延長は得られず,合併症として心拡大,凝固系の変化を認めた.また感染症の合併が生存期間に大きな影響を与えることが示唆され,厳重な全身管理と感染予防が必要と考えられた.
  • 寒原 芳浩, 前川 陽子, 中谷 正史, 石川 羊男, 北沢 荘平
    1996 年 37 巻 12 号 p. 731-737
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    血中AFP-mRNAを検出することはAFP産生能を有する肝癌細胞または正常肝細胞が血中を循環していることを意味している.nested RT-PCR法にて血中AFP-mRNAの検出を行い,その臨床的意義について検討した.血中AFP-mRNA検出率は肝細胞癌56例では50%,肝硬変18例では11.1%,慢性肝炎・転移性肝癌・消化器癌・健常人46例では検出しなかった.高度門脈侵襲陽性の肝細胞癌例15例中14例で血中AFP-mRNAを検出した.血中AFP-mRNAの検出は門脈侵襲のよい指標であり,陽性例では門脈侵襲を念頭においた治療法を選択する必要がある.また,TAE前後の血中AFP-mRNAの変動をみると,TAE後にも検出される症例では有効例はほとんど無く,TAE前陽性・TAE後陰性となった5例は全例有効例であった.TAE前後の血中AFP-mRNAの検出によりTAEの効果を早期に判定できた.血中AFP-mRNAの検出は,HCCの治療法選択,及び治療効果判定に有用である.
  • 押方 慎弥, 宮永 修, 菊池 郁夫, 三原 謙郎, 石橋 大海
    1996 年 37 巻 12 号 p. 738-743
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    2年以上に亘り急性増悪を繰り返す,IgM-HA抗体持続陽性の自己免疫性肝炎の1例を経験した.症例は70歳,女性.肝障害発症当初,IgM-HA抗体陽性であり,急性A型肝炎と診断された.1年9ヵ月後の肝炎再燃時にもIgM-HA抗体陽性は持続していたが,糞便,血清,肝組織からのHAV-PCRは全て陰性であった.高IgG血症,抗核抗体陽性を認め,病理所見では慢性活動性肝炎の像を呈し,自己免疫性肝炎の診断基準を満した.本症例におけるIgM-HA抗体持続陽性の原因として,急性A型肝炎の発症を契機に自己免疫性肝炎を誘発し,その結果,過剰な免疫反応のひとつとしてIgM-HA抗体産生クローンが持続的に刺激され,IgM-HA抗体を産生しているものと考えた.
  • 善田 貴裕, 松田 博人, 嶋崎 正晃, 大森 俊明, 島崎 英樹, 車谷 宏, 増永 高晴, 竹田 康男
    1996 年 37 巻 12 号 p. 744-748
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は51歳,女性.48歳時に急性網膜中心動脈閉塞症の既往があり,全身倦怠感,黄疸を主訴に入院.各種ウイルスマーカー陰性,高γグロブリン血症(2.8g/dl),抗核抗体陽性(160倍)を認め,本邦厚生省研究班ならびにInternational Autoimmune Kepatitis Groupの診断基準を満たしたことより,急性肝炎像にて発症した自己免疫性肝炎(AIH)と診断された.肝炎は入院後に重症化したために,prednisolone (30mg/日)の投与と血漿交換療法を施行したところ奏効し軽快した.肝生検では広範な肝細胞の壊死脱落を伴った急性肝炎(confluent necrosis type)と診断された.さらにその既往歴やIgM抗cardiolipin抗体(IgM-aCL)陽性などから,抗リン脂質抗体症候群(APS)の合併が疑われた.APSと急性肝炎との合併例の報告はなく,この合併により予想される病態や検査の上での問題点ならびに重症肝炎時に検出するaCLの意義について文献的考察を加え報告する.
  • 小林 正宏, 茶山 一彰, 坪田 昭人, 荒瀬 康司, 鈴木 義之, 鯉田 勲, 斉藤 聡, 村島 直哉, 池田 健次, 小池 弘美, 橋本 ...
    1996 年 37 巻 12 号 p. 749-750
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 井本 正巳, 堀口 祐爾, 今井 英夫, 鈴木 智博, 伊藤 久史, 上松 正尚, 久保 裕史, 竹内 文康, 伴 雅彦, 中村 祐子, 宇 ...
    1996 年 37 巻 12 号 p. 751
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 37 巻 12 号 p. 752-768
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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