肝臓
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63 巻, 12 号
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総説
  • 須田 剛生, 田中 篤
    2022 年 63 巻 12 号 p. 509-521
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2022/12/12
    ジャーナル フリー

    2022年6月に発行された「B型肝炎治療ガイドライン」第4版における主な改訂点として,新規に肝移植に伴うマネージメント,小児B型慢性肝炎,母子感染予防としての核酸アナログ治療,核酸アナログの種類による肝癌抑制効果の違いについて記述された.更に,治療目標―何を目指すべきか?,HBコア関連抗原,核酸アナログとIFNの併用療法,核酸アナログ治療効果良好例・不良例における治療戦略,免疫チェックポイント阻害剤によるHBV再活性化,急性肝炎・急性肝不全,HIV重複感染,についてこれまでに明らかとされたエビデンスのアップデートが行われた.2022年5月に発行された「C型肝炎治療ガイドライン」第8.1版における主な改訂点として販売中止となった薬剤を反映して推奨・治療フローチャートが変更された.本稿では,上記の改訂点を中心に,最新版のガイドラインについて解説する.

原著
  • 鬼頭 佑輔, 水島 隆史, 浦壁 憲司, 石原 亮, 蓑輪 彬久, 鈴木 雄太, 羽根田 賢一, 塚本 宏延, 奥村 文浩
    2022 年 63 巻 12 号 p. 522-529
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2022/12/12
    ジャーナル フリー

    当院では肝炎ウイルス検査について適切な結果説明と介入を行うため,多職種横断的な院内連携システムを構築した.本システムの特長はアラートへの返答時に電子カルテ上の所定テンプレート作成を必須とした点と,適切な対応が行われるまでコメディカルによるアラートが繰り返し行われる点である.システムの有効性とその経時的変化を評価するため非消化器内科医によりオーダーされたHCV抗体検査陽性者を前期155例(2017年9月から2018年8月)と後期121例(2018年9月から2019年8月)に分け検討した.患者に対する最終介入率は有意な経時的上昇があり(前期88.4%vs後期 98.3%,p = 0.002),適切な検査・治療へとつなげることができた.当院の独自性の高いアラートシステムはコメディカルによる勧告を繰り返すことで消化器内科医師の負担を殆ど増やさずに肝炎患者を抽出し適切な治療に結びつける有用なシステムである.

症例報告
  • 清水 創一郎, 佐藤 賢, 伊藤 健太, 喜多 碧, 相原 幸祐, 舘山 夢生, 阿部 貴紘, 柴崎 充彦, 山崎 節生, 深井 泰守, 飯 ...
    2022 年 63 巻 12 号 p. 530-537
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2022/12/12
    ジャーナル フリー

    COVID-19に対するワクチンが開発され,感染抑制や重症化防止に大きく貢献している.その一方で副反応も生じ,肝障害の報告も世界で散見されつつある.ワクチンによる肝障害のメカニズムは,自己免疫性機序などの報告があるものの,不明な点が多いのが現状である.今回,1回目のワクチン接種後に肝障害を来し,2回目のワクチン接種で更に肝障害が悪化し,ワクチンによる因果関係を強く疑い,ワクチンによる薬物性肝障害と診断した10代の女性の症例を経験した.本邦におけるCOVID-19に対するワクチンによる肝障害の報告はあるも,論文化された報告は1例もなく,貴重な症例と考えここに報告する.

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