-
流行の実態,IgM型抗HAV抗体の消長,IgA型抗HAV抗体検出の臨床的意義および免疫グロブリンによる予防について
新沢 陽英, 冨樫 整, 若林 博人, 山田 伸夫, 黄 勇, 高橋 恒男, 石川 誠, 三浦 秀人, 宮沢 光瑞, 飯野 四郎, 李 成明 ...
1990 年31 巻12 号 p.
1371-1379
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
18歳以上の精神薄弱者施設に流行したA型肝炎(感染者は精薄者43人と職員15人の計58人)について,流行の実態,IgM型抗HAV抗体の消長,IgA型抗HAV抗体検出の臨床的意義と免疫グロブリンによる予防効果について検討した,精薄者のHAV感染率は69%と高率で,30歳台で高かった.感染経路は接触による連鎖伝播と推定された.A型肝炎の発病初期,肝機能が異常にもかかわらず,IgM型HAV抗体陰性例が21例みられた.A型肝炎の流行に際し,肝機能異常症例は,日をおいてのIgM型HAV抗体再検が必要と思われた.15例が6ヵ月以上の長期にわたり,IgM型HAV抗体陽性を持続した.IgM型HAV抗体陽性例全例に加え,肝炎が流行した寮の関係老33人に,IgA型HAV抗体が検出された.IgA型HAV抗体は,HAV感染規模を推定する上で,有力な手がかりになるものと考えられた.人免疫グロブリン投与は,新たなHAV感染を予防し,潜伏期に投与された場合,症状を軽減するものと思われた.
抄録全体を表示
-
高橋 知秀
1990 年31 巻12 号 p.
1380-1384
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
HCV cDNA (C5-1-1)のsequence dataをもとに42アミノ酸を合成し,これを抗原としたC型肝炎のELISA系を確立し検討した.健常者155例では吸光度値0.024±0.044 (Mean±SD)となった.本法の陽性率はA型急性肝炎(回復期)0% (0/10), B型慢性肝炎0% (0/10), non-A, non-B (NANB)急性肝炎(急性期)0% (0/7), NANB慢性肝炎62.5% (55/88), NANB肝硬変合併肝癌72.2% (13/18)であった.またOrtho HCV antibody ELISA test system(以下anti C100-3 assay)ではそれぞれ0% (0/10), 0% (0/10), 0% (0/7), 72.7% (64/88), 78.8% (14/18)であった.本法のC型肝炎に対する特異性は高いと考えられた.anti C100-3 assayより本法の陽性率が低い原因として,1. C100-3より狭い領域な抗原とする本法の感度不良,2.ヒトSODを含むrecombinant fusion proteinや抗原精製に起因するanti C100-3 assayの偽陽性が考えられた.本法では抗原を容易に得られる利点がありC型肝炎診断に有用であると考えられた.
抄録全体を表示
-
アヒルB型肝炎ウイルスを用いた検討
福田 亮, 内田 靖, 高下 成明, 赤木 収二, 沖永 聡, 日高 光宣, 小野 直美, 島田 宜浩
1990 年31 巻12 号 p.
1385-1391
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
漢方薬の参三七,猪苓多糖のウイルス肝炎に於ける効果を検討するため,6ヵ月齢のアヒルB型肝炎ウイルス(DHBV)キャリアー中国アヒルにそれぞれ2g/kg, 40mg/kgを週2回6週間投与し,血中DHBV-DNAの推移と投与後の肝組織像をコントロール群及びFoscarnet (100mg/day)投与群のそれと比較した.血中DHBV-DNAはFoscarnet投与群で最も有意の低下を示したが,猪苓多糖投与群もほぼ同様の低下を示した.参三七投与群での低下は投与終了時に有意の低下を見たが他の2剤に比してDNAの低下は僅かであった.投与終了後3週目での肝組織像は各群ともコントロールに比して炎症反応は軽度であり,肝内DHBVs抗原も減少していた.参三七,猪苓多糖ともDHBVに対して増殖抑制に働き肝炎所見の改善に関連すると推測され,抗ウイルス効果を持つ肝炎治療薬としての可能性を持つと推測された.
抄録全体を表示
-
清水 秀剛, 山田 泰志, 北見 啓之, 浪久 利彦
1990 年31 巻12 号 p.
1392-1399
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
自己免疫性肝炎をはじめとして各種肝疾患において,その発症や進展に免疫学的機序の関与することが推側されている.近年汎T細胞膜抗原の一つであるCD5を保持するB細胞(CD5 B細胞)と自己免疫との関連性が注目されているが,われわれは種々の肝疾患におけるその出現率を検討した結果,慢性肝炎,肝硬変,自己免疫性肝炎で増加が見られ,さらにB型の慢性活動性肝炎に高率に出現し,またnonA nonB型肝炎例でも炎症の持続する例に増加する傾向がみられ,特に血中自己抗体陽性例で著明な増加がみられたことから,CD5 B細胞はウイルス肝炎の慢性化や自己免疫機構による病態の進展に深く関与するものと考えられた.
抄録全体を表示
-
柴田 実, 上野 幸久, 山室 渡, 石井 邦彦, 久保 修一, 吉田 直哉, 岡田 正, 佐藤 源一郎, 羽鳥 知樹, 野中 博子, 小野 ...
1990 年31 巻12 号 p.
1400-1405
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
無症候性原発性胆汁性肝硬変(a-PBC) 25例において,ALPが正常上限の2倍未満に止まり診断基準のALPの中等度以上の上昇を満たさないものをPBC早期例,ALPが正常上限の2倍以上のものをPBC典型例と定義した.早期例は11例(44%)と高率に認められ,典型例と比較して臨床症状,肝組織像,抗ミトコンドリア抗体(AMA)陽性率に差はないが,GOT, γ・GTP, IgM,アデノシンデアミナーゼ,赤沈などの異常は有意に軽度であった.また,ALP正常な4例の組織所見および検査成績の推移を観察し,検査成績正常な時期からPBCとしての異常が顕性化するまでの過程を検討した.早期では組織変化とAMA, anti-M2の出現が検査成績の異常に先行し,検査成績ではIgMが最も早期に上昇し次にγ-GTP,トランスアミナーゼ,赤沈などが上昇した.早期PBCにおいてはALPの上昇は必須条件ではなく,その発見には無症状かつALP正常例の存在を念頭におき,検査成績のなかでは異常率の高いIgMの測定が不可欠であった.
抄録全体を表示
-
泉 良平, 清水 康一, 桐山 正人, 堀地 肇, 浦出 雅昭, 伊与部 尊和, 桝谷 博孝, 八木 雅夫, 宮崎 逸夫
1990 年31 巻12 号 p.
1406-1410
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
肝細胞癌切除例79例を対象に,肝癌取扱い規約に基づいた切除術式別及び腫瘍進展度の各因子別に予後を検討した.絶対的治癒切除術の生存曲線は相対的非治癒切除術及び絶対的非治癒切除術に比べ,また相対的治癒切除術の生存曲線は相対的非治癒切除術よりも有意に良好であった.腫瘍進展度では,予後に最も影響を及ぼす因子は門脈侵襲であった.相対的治癒切除術の中でも,腫瘍径によってT2となり相対的治癒切除術となった相対的治癒切除A群と,主として門脈侵襲による血管侵襲が陽性であるためにT2となり相対的治癒切除術となった相対的治癒切除B群,及び絶対的治癒切除術とでの予後の検討では,血管侵襲をみない絶対的治癒切除術及び相対的治癒切除A群の予後は血管侵襲を認めるB群よりも良好であった.血管侵襲を認める症例に対する肝切除術では,肝切除単独では治癒治療法にはなり難く,術後の綿密なfollow upとadjuvant chemotherapyの必要性が示唆された.
抄録全体を表示
-
免疫組織化学的検討
伊坪 真理子, 亀田 治男, 田中 貢, 石川 智久
1990 年31 巻12 号 p.
1411-1417
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
肝細胞癌,胆管細胞癌および転移性肝癌において酸性glutathione S-transferase (GST)と塩基性GSTについて免疫組織化学的検索を行なった.その結果,酸性GSTは大多数の胆管細胞癌とくに分化型で陽性所見を得たが,ほとんどの肝細胞癌と半数の転移性肝癌では陽性所見を得なかった.塩基性GSTは過半数の肝細胞癌で陽性であったが,その多くは比較的弱い反応であった.また塩基性GSTは正常肝肝細胞では均一な陽性所見を示すが,前癌病変とも考えられているliver cell dysplasiaで減弱傾向がみられた.以上より,酸性GSTは原発性肝癌のうち胆管細胞癌の良い免疫組織化学的腫瘍マーカーになることが明らかとなった.血清レベルに反映される可能性より臨床経過の指標としての有用性も示唆された.一方塩基性GSTは腫瘍マーカーとしての意義は小さいが,肝細胞癌の前癌病変解析などのマーカーになる可能性が示唆された.
抄録全体を表示
-
丸山 勝也, 岡崎 勲, 高木 俊和, 奥山 啓二, 高木 敏, 佐藤 慎吉, 石井 裕正, 土屋 雅春
1990 年31 巻12 号 p.
1418-1425
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
近年,血清タイプIIIプロコラーゲンアミノペプチド,ラミニンなどの線維化マーカーが開発されキット化されるに及び,その有用性が報告されている.今回,ラミニンと同様基底膜の主要構成成分であるIV型コラーゲンの7S部分を抗原としたRIA法(7S-RIA)にて,肝生検を施行した各種アルコール性肝疾患患者102例および臨床的に明かな肝硬変症10例を加えた112例を対象として血清7S-RIA値を測定し,その意義について検討した.各種アルコール性肝疾患患者の血清7S-RIA値は健常対照群に比し有意に高く,なかでも肝硬変症では,他のすべてのアルコール性肝疾患に比し有意な高値を示した.血清7S-RIAは他の血清線維化マーカーや血液検査法に比し,肝線維化の程度と最も良好な相関を示した.血清7S-RIAの測定は,アルコール性肝疾患における肝線維化の不可逆性の診断に有用であるばかりでなく,血清ラミニンの測定と異なり肝線維化の早期診断にも有用と推測された.
抄録全体を表示
-
市川 裕三, 溝口 靖紘, 河田 則文, 坂口 浩樹, 関 守一, 小林 絢三, 森沢 成司, 山本 祐夫
1990 年31 巻12 号 p.
1426-1432
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
肝類洞内皮細胞から産生される血小板活性化因子(PAF)およびインターロイキン1 (IL1)が四塩化炭素肝障害にどのような影響を受けるかについて検討した.四塩化炭素を投与したマウスの肝類洞内皮細胞を経時的に調製し,calcium ionophore A23187刺激でPAFを誘導し,またlipopolysaccharide刺激でIL1を誘導した.その結果,大量投与群(0.05%四塩化炭素・オリーブ油混合液を0.15ml投与)ではPAFおよびIL1の活性は投与48時間で最も低下し,72時間後でも低下したままであり,72時間後の肝組織像は広範な出血性壊死像が認められた.一方,少量投与群(同混合液を0.05ml投与)ではPAFおよびIL1活性は投与48時間で最も低下したが,72時間後には活性は回復し,72時間後の肝組織像は肝組織内に単核細胞が認められた.
以上の結果は,肝類洞内皮細胞の機能と肝組織像の変化には密接な関係がある可能性を示唆した.
抄録全体を表示
-
肝粘着性細胞の産生するサイトカインについて
溝口 靖紘, 河田 則文, 市川 裕三, 長谷川 格, 筒井 ひろ子, 久保井 広志, 関 守一, 小林 絢三, 矢野 郁也, 森沢 成司, ...
1990 年31 巻12 号 p.
1433-1438
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
著者らは
Propionibacterium acnes (P. acnes)およびlipopolysaccharide (LPS)を用いる急性肝不全モデルの誘導においてLPSの多糖部分が重要な意義を有することを報告した.そこで,急性肝不全の誘導に及ぼすLPSの糖鎖の影響について解析するため,
P. acnes処理後のマウスから分離した肝粘着性細胞を
in vitroで糖鎖の異なったLPSまたはlipid Aで刺激し,tumor necrosis factor (TNF), interleukin 1 (IL1)およびhepatocytotoxic factorの産生に及ぼす影響について検討した.その結果,TNFおよびhepatocytotoxic factorの産生量は
Salmonella minnesota (SM) R345由来のLPS投与群の方がSMR5投与群より有意に高かった.しかし,IL1については両者の有意差は見られなかった.この結果から急性肝不全の誘導にはTNFおよびhepatocytotoxic factorがより深く関与しており,IL1はあまり重要な役割を果たしていない可能性が示唆された.
抄録全体を表示
-
工藤 正俊, 高鍬 博, 谷 友彦, 三村 純, 岡部 純弘, 樫田 博史, 平佐 昌弘, 伊吹 康良, 冨田 周介, 小森 英司, 織野 ...
1990 年31 巻12 号 p.
1439-1445
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
症例は72歳の女性.1983年12月より全身倦怠感,上腹部重圧感,食欲低下にて近医受診.CTにて肝右葉の巨大な肝細胞癌と診断された.1984年1月嘔吐,下痢にて食事摂取不能となり当院消化器内科へ救急入院となった,入院時,腹水,肝性脳症を認め,血清AFP値も25,118ng/mlと高値を示した.同年1月8日の血管造影にて右葉内に多発性結節と著明なA-Pシャントを認めたため総肝動脈よりMMC 10mgのみのone shot動注を施行した.その後外来で経過観察されていたが1984年6月には血清AFP値は正常化し各種画像診断上も腫瘍陰影は完全消失した.その後5年9ヵ月間,再発の徴は認めなかったが1989年9月の超音波にて肝S
7に1.9cm大の低エコー腫瘤を認めた為再度入院.肝細胞癌と診断され同年10月26日右葉切除術が施行された.摘出標本の病理組織では,腫瘍は完全壊死を来たしており,非腫瘤部には5年前の腫瘍の器質化した後の瘢痕収縮と考えられる病変を認めた.
抄録全体を表示
-
白木 克哉, 松本 久史, 清水 敦哉, 小山 睦, 浜田 実, 高瀬 幸次郎, 中野 赳, 為田 靱彦, 小坂 義種
1990 年31 巻12 号 p.
1446-1451
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
ICG, BSP試験とも高度異常を呈した色素排泄異常症の2症例とその家族調査の結果を報告した.両例とも,ICG試験において血中消失率K (ICG)は0.0173, 15分停滞率は,93.2%, 80.7%と高度異常を示した.また,BSP試験でも,それぞれK (BSP)は0.0356, 0.0385, 45分停滞率は29.6%, 28.0%と高度異常を示した.ICG, BSP試験の移行率においては,特に血漿から肝への移行率(a)が低下しており色素の肝への取り込みの障害が主であると考えられた.肝組織所見では,両例とも慢性活動性肝炎であった.さらに,両症例の家族調査を行ったところ,症例1の二女,四女と症例2の妹に色素排泄異常が認められた.したがって,両例とも色素排泄異常の素因を持っていたと思われるが,後天的な肝炎の関与も否定できなかった.3このような色素排泄異常のパターン(ICG, BSP試験高度異常,ビリルビン値正常)は極めて稀で,新しい病態である可能性が示唆された.
抄録全体を表示
-
池田 直樹, 鵜浦 雅志, 本多 政夫, 寺田 光宏, 松下 栄紀, 稲垣 豊, 金子 周一, 小林 健一, 塩原 信太郎, 松田 保, 野 ...
1990 年31 巻12 号 p.
1452-1457
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
24歳男性.慢性骨髄性白血病のため,1988年同種骨髄移植を受け,約380病日目,全身倦怠感,黄疸を伴う肝炎を発症した.皮膚,十二指腸粘膜,唾液腺生検などではGVHDの所見は認めなかったが,間接クームステスト,抗核抗体,Shirmer testは陽性を示した.肝生検所見の主体は,胆汁うっ滞を伴う肝実質炎であったが,グ鞘へのリンパ球浸潤と小型胆管上皮の核の大小不同,胞体の好酸化など肝GVHDを特徴づける組織所見も認めたため慢性GVHDとしてプレドニゾロンにて治療を行なった.約550病日目微熱,黄疸のため再入院,施行した第2回生検では,小葉中心性の肝実質炎性の変化が主体であり,小型胆管の核異型や胞体の好酸性腫大は殆ど認められなかった.その後肝機能異常や臨床所見は,免疫抑制剤によく反応した.治療中の症例での肝GVHDの組織所見は未だ十分に理解されていないが,本例のように,肝実質炎優位の肝病変もGVHDにより発生する可能性も示唆された.
抄録全体を表示
-
野上 陽, 野村 康晴, 薮内 以和夫, 根来 宏, 西岡 稔, 松田 康雄, 川野 潔
1990 年31 巻12 号 p.
1458-1463
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
症例は44歳の男性.人間ドックの超音波検査で胆嚢部異常を指摘され当院受診.理学所見,肝機能検査,睡瘍マーカーなどは正常.超音波検査で肝床部に5×3cm大の嚢胞がみられ,内部に高エコーの腫瘍様病変を認めた.CT検査では不均一なlow densityを,ERCでは胆嚢頸部の圧排像を認め,血管撮影では異常を認めなかった.経皮的嚢胞穿刺で極めて粘稠な粘液を得,造影剤注入前後の超音波検査で腫瘍様病変の移動を確認し,同病変が粘液によるものと判定しえた.しかし造影所見で,卵円形の内腔に小陰影欠損を認め,小腫瘍の存在を否定しえず,拡大胆嚢切除術を施行した.嚢胞は単房性で腫瘤はなく,多列繊毛上皮と平滑筋層を有し,肝繊毛上皮嚢胞と診断した.本症は欧米では現在までに20例前後,本邦では最近10年間に5例しか報告されておらず,稀な疾患と考え報告した.
抄録全体を表示
-
松崎 靖司, 田中 直見, 山口 高史, 忠願寺 義通, 西 雅明, 千葉 俊也, 大管 俊明, 小松 義成
1990 年31 巻12 号 p.
1464-1469
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
筋痙攣を頻回に繰り返す非代償性肝硬変症にタウリンの経口投与を試みたところ,筋痙攣が消失した症例を経験したので報告する.症例は,64歳女性.両手,両下腿の筋痙攣,下腿浮腫を主訴にて入院.身体所見には異常を認めず.肝機能検査においては,GOT, GPTの軽度上昇,血清総蛋白,アルブミン,Ch-Eの低下を認めた.血中電解質,銅,カルシウム値,PTHは正常であった.腹部超音波,肝シンチにおいては肝硬変パターンであった.筋電図所見は,安静時において下肢,近位,遠位筋に多相性の神経筋単位を認めた.タウリン3.0g/日経口投与を試みた.投与7日目より筋痙攣は完全に消失した.さらに筋痙攣を伴う慢性肝障害患者10例にタウリンの経口投与を行った.その結果7例に痙攣の消失を認め,3例に症状の軽減を認めた.慢性肝障害における筋痙攣に対しタウリンは有効な治療法の一つに成り得ると考えられた.
抄録全体を表示
-
織井 崇, 大河内 信宏, 里見 進, 田口 喜雄, 森 昌造
1990 年31 巻12 号 p.
1470-1471
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
-
山田 春木, 戸田 剛太郎, 池田 有成, 橋本 直明, 吉川 雄二, 光井 洋, 丸山 稔之, 黒川 清, 岡 博, 菅田 文夫, 与芝 ...
1990 年31 巻12 号 p.
1472-1473
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
-
身体圧迫療法の試み
植村 正人, 福井 博, 宮本 洋二, 菊池 英亮, 福居 健一, 松村 雅彦, 藤本 正男, 美登路 昭, 坂本 貞和, 辻井 正
1990 年31 巻12 号 p.
1474-1475
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
-
鵜飼 克明, 新沢 陽英, 冨樫 整, 若林 博人, 山田 伸夫, 中村 東一郎, 齋藤 貴史, 石橋 正道, 高橋 恒男, 石川 誠
1990 年31 巻12 号 p.
1476-1477
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
-
富谷 智明, 名越 澄子, 藤原 研司
1990 年31 巻12 号 p.
1478
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
-
菅 充生, 在間 和弘, 生田 茂夫, 大江 安男, 坂本 裕史, 谷内 昭
1990 年31 巻12 号 p.
1479
発行日: 1990/12/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー