肝臓
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23 巻 , 9 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 南部 勝司, 浪久 利彦, 及川 洋子, 大浜 宏文, 前田 稔, 上田 英雄
    1982 年 23 巻 9 号 p. 979-987
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    3β, 7β-dihydroxy-5β-cholan-24-oic acid(3β, 7β-diOH)の,ヒト血中,胆汁中および尿中での存在様式を,健常者5例,ursodeoxycholic acid (UDCA)服用中の胆石患者20例について検討した.3β, 7β-diOHは,健常者空腹時血清中に微量に検出され,その値は0.08±0.07μg/ml(mean±SD)であった.この物質は,血中ではほとんどが遊離型の状態で存在し,アミノ酸抱合型や硫酸抱合型は認められず,胆汁中では,いずれの型でもまったく検出されなかった.尿中胆汁酸の定量はきわめて困難であって,正確な濃度を算出することはできなかったが,尿中で3β, 7β-diOHは大部分が遊離型として存在するもののようであり,一部はアミノ酸抱合型として排泄される可能性も示唆された.硫酸抱合型はほとんど検出されなかった.尿中クリアランスは他の胆汁酸に比べて低かった.
  • 日野 一成
    1982 年 23 巻 9 号 p. 988-997
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    各種肝疾患247例につき,空腹時の血中総胆汁酸値(F-TBA)及びcholylglycine値(F-CG)を測定した.正常人のF-TBAは3.2±0.3μmol/l, F-CGは24.7±2.7μg/dlであった.F-TBA, F-CG共に肝障害が強くなるほど高値を示し,F-CGがF-TBAより(p<0.05)と鋭敏であった.300mg UDCA経口負荷試験で,正常人の負荷後最高血中胆汁酸値はM-TBA 20μmol/l以下,M-CG 50μg/dl以下であった.F-TBA, F-CG共に正常な軽度肝障害でも,M-TBA,M-CGは高値を示し,特にM-TBAはM-CGより(p<0.05)と鋭敏であった.肝硬変症ではM-TBAが70μmol/l, M-CGが300μg/dl以上を示すが,慢性肝炎では両者共にそれ以下を示すことが多い.故にM-TBA, M-CG測定は両者の鑑別にも有用と考えられた.
    血中胆汁酸の赤血球膜への影響を検討する為,赤血球形態の変化を走査電顕で観察した.胆汁酸濃度が上昇するにつれin vivo, in vitro共に形態変化は強くなり,一方LCAT活性は低下した.このため,血中胆汁酸は,濃度に応じて血中LCAT活性阻害作用を示し,赤血球形態にも変化を与える可能性が推察された.
  • 川西 秀樹, 西亀 正之, 江崎 治夫, 土谷 太郎
    1982 年 23 巻 9 号 p. 998-1005
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    雑種成犬にて60分間の一時的急性肝虚血を行ない肝不全を作成し,肝組織重金属量および肝細胞量(hepatocyte volume fraction, HVF)を測定し肝不全の進行との相関につき検討を加えた.肝虚血後成犬は急性肝不全病態を呈し,17.5から112時間(平均57.1±38.2時間)で死亡したが,死亡直後の肝亜鉛(Zn)量をみると生存時間との間に正の相関(r=0.653, p<0.01)をみた.肝不全死亡群のHVFはすべて30%以下(正常犬89.6±3.7%)であり,生存時間とHVFとの間にも正の相関(r=0.715, P<0.01)がみられた.又,肝Zn量とHVFの間にも正の相関(r=0.750, p<0.001)がみられ,これら三者の間に相関関係が認められた.さらに,D-galactosamine肝不全ラットを作成し,経時的に屠殺し肝Zn量とHVFを測定したが,いずれも肝不全の経過と相関して変動することを確認した.以上より,急性肝不全時において,肝Zn量はHVFと同様に,肝細胞障害の程度および予後を判定する有用な指標となることが判明した.
  • 三條 健昌, 比田井 耕, 和田 達雄, 堺 隆弘, 織田 敏次
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1006-1014
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝不全患者367名にTHFを点滴静注し肝性脳症に対する効果について評価し,その適応と限界について検討した.肝硬変に伴う肝性脳症例の中Grade IIIの重症例に最も脳症改善効果があり92%の症例が脳症の改善をみたが劇症肝炎症例では40%の改善率であった.脳症改善例中のアンモニア改善例及び非改善例のTHF投与前のアンモニア値の平均は各々202±7.1 (S.E.M.) μg/dl, 129±8.7 (S.E.M.) μg/dlであった.アンモニア改善例中脳症の改善した症例は83%であり脳症の非改善例は17%であった.Alb 3.0g/dl以上の症例の改善率は77.1%であり3.0未満では,79.2%であった.T. Bil 10.0以上の症例の改善率は65.8%であり3.0mg/dl未満では83.7%であった.腹水のある症例の改善率は79.0%,腹水のない症例の改善率は73.0%であった.肝性脳症例の中でTHFを使用出来ない症例はないが,特に慢性肝疾患に伴う肝性脳症例にその効果を発揮する.
  • 福田 一典, 鹿毛 政義, 元山 福祥, 荒川 正博
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1015-1023
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    特発性門脈圧亢進症(IPH)の肝静脈系の病変の病理学的特徴をまとめ,肝静脈造影所見との対比,IPHの病態との関連および,その成因につき検討した.
    IPH肝では一般に,被膜下領域や萎縮の目立つ領域において肝静脈枝に弾性線維の増生を伴った壁の肥厚,内腔の狭小化を認めるが肝実質の保たれている領域では肝静脈枝の変化は軽度である.肝静脈造影にてみられる細枝の狭小化や分岐の鋭角化などの所見は,肝静脈相互間の近接,壁の肥厚,内腔の狭小化によるもので,組織学的には肝実質の萎縮を示唆する所見を呈している.肝静脈相互間吻合は肝実質の脱落によりおこり,IPHや日本住血吸虫症など末梢門脈枝の閉塞をおこす病態に特徴的所見と思われる.IPHにおける肝静脈系の病変の成因に関しては,主として肝実質の血流低下による二次的な変化と考えられるが,他の因子の関与も否定できない.
  • 山田 昇司, 須賀 勝久, 長坂 一三, 市川 邦男, 新井 孝之, 高木 均, 長嶺 竹明, 竹沢 二郎, 阿部 毅彦, 桜井 誠司, 佐 ...
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1024-1033
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    無症状の原発性胆汁性肝硬変(PBC)にみられる小葉間胆管レベルの形態学的変化を臨床症状を伴うPBC典型例および慢性肝炎にみられる胆管の変化と比較検討した.その結果,症状の有無にかかわらずPBCの胆管病変と慢性肝炎のそれとは多くの類似点をみとめるものの異なる点も少なからずみられた.また,門脈域1個あたりの小葉間胆管の数と,小葉間胆管を欠く門脈域の比率を比較すると,無症状のPBC例ではいずれも,臨床症状を伴うPBCと胆管の変化を伴う慢性肝炎との中間の値を示し,さらに,無症状のPBCの胆管を連続切片標本で追跡すると,胆管上皮に変性壊死の所見を示しながらもある胆管は細胆管まで追跡可能であった.以上の成績より,PBCと慢性肝炎の胆管病変は形態学的に鑑別可能と思われた.また,無症状のPBC例においては小葉間胆管の減少は明らかであるが,その程度は臨床症状を伴うPBC例程ではなく,無症状に経過する一因とも考えられた.
  • 白井 文夫
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1034-1042
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    最近1年6ヵ月間に60例の肝細胞癌を剖検する機会を得た.その癌部と非癌部との境界を病理学的に観察し,肝内発育様式と遠隔転移率との相関を検討した.肝細胞癌の肝内発育様式は,(1)類洞内発育型(類洞型),(2)置換性発育型(置換型),(3)被包発育型(被包型)の3型に分類できる.この分類のもとに遠隔転移率を比較すると,類洞型85.7%,置換型50%,被包型28.6%で,組織学的発育様式により遠隔転移率に差が認められる.しかし,組織学的差異と予後の関係については明確な関連性は見い出し得なかった.
  • 児嶋 勝, 向坂 彰太郎, 上田 寛, 瀬戸山 浩, 佐田 通夫, 吉田 博, 前山 豊明, 安倍 弘彦, 谷川 久一
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1043-1048
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    B型肝炎ウイルスcarrierがA型肝炎に罹患し,Epstein-Barrウイルス抗体系にも興味ある変動を示した症例を経験した.
    32歳の男性で,発熱黄疸を初発症状として発症したA型肝炎の入院症例で,急性期のIgM-HA抗体は高値を示し,HBs抗原価は×25, HBc抗体価は×210であった.臨床経過をみると,血清トランスアミナーゼ値の再上昇をくり返し,急性期の肝組織像より,B型慢性肝炎にHAVが重感染した例と考えられた.HBs抗原,HBc抗体は経過中有意の変動は示さず,HBe抗原,抗体は陰性であった.また入院時,IgM-VCA抗体40倍,IgG-EA-D抗体40倍,EBNA抗体40倍を示し,EBVのrecent infection(最近感染)が考えられたが,IgM-VCA抗体,IgG-EA-D抗体が長期間陽性値を示した.この原因としてHAVの関与が推測された.
  • 石橋 大海, 鈴木 聡, 工藤 二郎, 上田 章, 丸山 俊博, 大久保 英雄
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1049-1055
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    胃噴門部癌を伴ったルポイド肝炎の一男性例を報告する.症例は48歳の男性.入院時黄疸,肝脾腫等の肝症状の他,発熱,多発関節痛等の全身症状を伴っていた.検査所見では,汎血球減少,血沈高度充進,著明な高γ-グロブリン血症(6.6g/dl),低補体,LE細胞現象陽性で,種々の自己抗体が認められた.肝機能検査成績は著明な肝実質障害型を示し,HBs抗原は陰性であった.肝組織像は,小葉構造は乱れ,拡大したグ鞘は線維化と単核細胞浸潤が高度であり,小葉周辺部には再生肝細胞によるロゼット形成がみられるliver cirrhosis with chronic active hepatitisの所見であった.入院後肝不全症状がみられたが,G-I療法,特殊アミノ酸製剤が奏効し,又,ステロイド療法によって寛解がみられた.なお,上部消化管検査にて胃噴門部にBorrmon III型,中等度分化型腺癌の合併が明らかとなった.極めて稀な両者の合併につき若干の考察を加え報告する.
  • 石岡 知憲, 北村 成大, 桑原 紀之, 福田 芳郎, 宮野 武
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1056-1064
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝楔状切除組織の連続薄切切片により小葉間胆管の再構築をし得た2例のAlagille's syndromeを報告する.
    肝内門脈域に対し,小葉間胆管は減少しており,検索し得る限りすべての胆管が盲端に終わっていた.胆管消失は,周囲の炎症性変化をほとんど伴なわないか,ごくわずかに増加した膠原線維を伴なって消失しており,早期PBCにおける無反応型の胆管消失に類似していた.
  • 田辺 利男, 水尾 仁志, 羽二生 輝樹, 美馬 聰昭, 福田 守道
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1065-1072
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    肝硬変に合併した多発性肺動静脈瘻を,血管造影で証明した一症例を報告する.症例は42歳,男性.アルコール性肝硬変として5年間経過を観察した後に,労作時の息切れとチアノーゼ,桴状指を伴うようになり入院.Wedge pulmonary angiographyにより多発性肺動静脈瘻を証明し,胸腔鏡でも胸膜表面のteleangiectasia,いわゆる“lung spider naevi”を認めた.腹腔鏡下肝生検による肝硬変の経過は,wide septum micronodular typeからnarrow septum macronodular typeへと変化した.
    肝硬変症に伴うチアノーゼ発生機序の有力な説として,多発性の肺内動静脈短絡が考えられているが,血管造影により動静脈瘻を証明することは極めて稀で,調べた限りでは,剖検例を含めて十数例の報告しかない.この症例は,血管造影で肺動静脈瘻を証明した本邦初の症例と思われる.
  • 豊田 忠之, 松原 正直, 中沢 英樹, 杉浦 光雄
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1073-1082
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    門脈圧亢進症による食道静脈瘤に対して,門脈下大静脈吻合手術が施行され,亢進した門脈圧の減圧,あるいは食道静脈瘤の縮小という治療目的が達せられることは周知のとおりであるが,一方では,術後に脳症を発生することが少なくないという理由から,近年,わが国では,この手術が行われることは稀である.1970年に他施設で上記吻合術を受けた直後に発症した高アンモニア血症を伴う重症脳症患者に対して,筆者らは,その約2年後に,予防的食道離断術,ついで門脈下大静脈側々吻合孔閉鎖手術を行った.門脈圧は旧に復して亢進したが,予防的に行った食道離断術により食道静脈瘤は増悪しなかった.このたび,術後10年目の追跡検査を行った結果,血中アンモニア値をはじめ臨床生化学的検査数値,食道静脈瘤の状態も良好であり,脳波検査のうえでも,この種の脳症が全く可逆的に消失していることを確認することができた.
  • 野田 八嗣, 福岡 賢一, 宮森 弘年, 田中 延善, 加登 康洋, 小林 健一, 服部 信, 中西 功夫, 桑島 章
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1083-1087
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    脾転移により特発性脾破裂をみた肝細胞癌の1例を経験したので報告する.症例は,66歳男性で,右背部腫瘤を主訴として当科へ入院した.入院後,HBs抗原陽性で,血清AFP1,483ng/mlと高値を呈し,各種画像診断にて右IX肋骨と脾に転移を有する肝細胞癌と診断した.経過中,誘因なく左季肋下部激痛を訴え,ショック状態となり,貧血と血性腹水が認められた.輸血と止血剤にて,ショック状態の改善をみたが,1カ月後肝不全にて死亡した.剖検では,Edmondson II型の結節状肝細胞癌が肝両葉にまたがって存在し,非癌部は乙型肝硬変であった.肝内門脈には腫瘍塞栓を認め,脾・右IX肋骨・リンパ節に転移を認めた.また,3,500mlの血性腹水を認め,脾転移部位には350gの血腫と破裂の所見を認めた.
  • 藤山 重俊, 赤星 玄夫, 相良 勝郎, 佐藤 辰男, 石原 義光, 水野 喬介
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1088
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 三田村 圭二, 井廻 道夫, 松崎 靖司, 大菅 俊明
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1089
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 阪上 吉秀, 沢井 寛子, 筒井 ひろ子, 宮島 慶治, 志波 孝, 東森 俊博, 中尾 昌弘, 溝口 靖紘, 門奈 丈之, 山本 祐夫, ...
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1090
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 三田村 圭二, 井廻 道夫, 松崎 靖司, 大菅 俊明, 津田 文男, 真弓 忠
    1982 年 23 巻 9 号 p. 1091
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 23 巻 9 号 p. 1092-1112
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
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